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2019年03月23日13:53

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【創作】竜喰いのリド  episode2:竜殺しの英雄【その15】

【創作まとめ】 
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【前回】
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 冒険会社が依頼を受けるパターンは三つある。
 一つ目は冒険者ギルドに来た依頼を受注するパターン。
 社員の技量に合わせた依頼を選んで受ける事が出来るため、新人冒険者を育成するには都合がいい。
 二つ目は冒険会社が依頼を直接受けるパターン。
 何度も取り引きをした依頼者が、ギルドを通さずに依頼を持ってくる。
 この場合の報酬は、ギルドの中抜きが無いため、依頼者にとってはギルドに依頼するより安く、会社にとってはギルド受注より高く報酬を受け取れるというメリットがある。
 三つ目はギルドからの依頼である。
 大量の人手が必要な依頼の場合、個人や数人のパーティーで動いている冒険者を集めるのは手間と時間がかかる。
 そこで大量の冒険者が常勤している、冒険会社に白羽の矢が立つわけである。
 会社としても、ギルドに恩と貸しを作れるため、受けない手は無い。
 今回の竜討伐依頼も、ギルドからの要請だった。カザリアから東にあるオロビア砦付近に竜が出現したので討伐してほしいと。
 竜に関しては、公開されている情報が少ない。いや、竜が強すぎて誰も近寄れず、まともな生態調査が出来ないのだ。
 竜が何処から来て、何を目的に行動して、何処に去っていくのか。
 そんな基本行動すら把握出来ていない。
 そんな危険極まりない竜の討伐となれば、個人で行動している冒険者には荷が重い。
 しかし中立国であるミスバリエには、一般から志願した義勇兵は居ても、七国のような立派な軍隊は存在しない。
 そこで白羽の矢が立ったのが冒険会社である。
 元月光騎士団第四位の実力者、紅の剣聖の二つ名を持つアルトリア・ベルリア。
 彼女を筆頭に、雇われ、指導を受けている冒険会社は、実質中立国最強の集団と言っても過言ではない。
「みんな、ちゃんと竜と戦えてるかしら」
 アルトリアは会社の窓から東の空を見上げ、遠いオロビア砦に思いを馳せながら呟く。
 フォーメーション戦闘、指揮伝達の効率化、超魔導巨大弩(ちょうまどうバリスタ)の運用方法。
 竜討伐に向けて、アルトリアに出来ることは全てやったという自負はある。
「出来れば私も同行したかったのですが、リンゼとカリファだけに社長様のお世話を任せるわけにもいかなかったし……」
 アルトリアの杞憂は当たった。
 リンゼとカリファが亡くなった状態で、もしアルトリアも竜討伐に向かっていたならば、冒険会社は今頃ブックマン一人になってしまっていた。
 冒険会社を快く思わない冒険者も居る中、ブックマンを一人にするわけにはいかない。
 彼を狙う刺客が何人来ても大丈夫なように、アルトリアが残ったのだ。
 そう、彼女がカザリアに残ったのはブックマンの護衛のため。
「なのに……社長様はどうして私を仲間外れになさるんですか?」
 東の空を眺めつつ、握られた窓枠がミシミシと悲鳴を上げる。
「社長様の事は信じてますわ。でも……だからといって、何もルキナさんと二人きりで出掛けなくてもいいじゃないですか」
 視線を東の空から部屋に戻す。社屋の最奥にある社長室のある方向へ。
「帰ってきてから、なにやら様子がおかしかったのも気になりますし」
 昼になってから、ブックマンは現場調査から戻ってきた。
 調査はまだ終わっていないようで、しばらくしたらまた出かけると言っていた。
 なのに戻ってきてから、ずっと部屋に籠りっぱなしだ。
 普段ならお気に入りのお茶を淹れるように頼んでくるのだが、それもない。
「まさか……ルキナさんと何かあったのでしょうか!?」
 アルトリアは豊満なバストを抱え上げるように腕を組み、考えを巡らせる。
「二人は午前中、リンゼさんとカリファさんの死の真相を探るため、現場調査に出ました。きっと山賊団のアジトにも足を運んだと思われます」
 部屋の中を円を描くように歩きながら、考えを言葉に出して整理していく。
「二人が亡くなった場所を目の当たりにして、落ち込み項垂れる社長様。そこを優しく励ますルキナさん。周りには人気はなく二人きり。そのまま身体と心の距離が縮まって……………………いけませんわ!」
「そこまでは進んでませんよ」
「……っとぅいやー!?」
 背後からの全く予想していなかった言葉がかけられたことに、驚き飛び退くアルトリア。
 そこには昨日と同じ濃緑の服装に身を包んだルキナが立っていた。
「いやー、紅の剣聖と呼ばれているアルトリアさんでも、乙女チックな妄想されるんですね。少し安心しました」
「どどどど、どこから……聞いてらしたのですか?」
「まさか……ルキナさんと何かあったのでしょうか……ってあたりから」
「そ、それは大変失礼しました」
 早鐘のように激しく鼓動する心臓を宥めるように胸に手を当てたものの、アルトリアは動揺を隠せないでいた。
 普段の彼女を知る者からしたら、珍しいがって目を丸くしただろう。アルトリアと関係の浅いルキナでさえ物珍しく感じるくらいなのだから。
「ところで社長さんはどうされてますか?」
「どう……と申されますと?」
「お互い家に戻って、着替えたら再度合流する予定だったのですが…………その、なかなか来られなかったので」
 待ち合わせをすっぽかされた筈のルキナが、何故か上目遣いで申し訳なさそうに言ってきた。
「そうでございましたか。ブックマンに代わり謝罪いたします。大変失礼しました」
「ちょっ……やめてください。そんなつもりで言ったんじゃないですから」
 深々と頭を下げるアルトリアの姿に、ルキナは慌てながら恐縮してしまう。
「いえ、社長とはいえ身内の不始末ゆえ謝らせてください」
「いえいえ、正確な時間も決めてませんでしたから、気にしないでください」
 普段のブックマンなら、人との待ち合わせに遅れるようなことはない。常に相手のことを考え、早めの行動を心がけていることをアルトリアはよく知っている。
 そのブックマンが、正確な時間を決めていなかったとはいえ、相手が迎えに来るほど遅れるのは珍しいというよりも、非常事態と言っても過言ではない。
「私はブックマンの様子を見てきますよで、ルキナさんはお掛けになってお待ち下さい」
 アルトリアはルキナを受付カウンター奥のテーブルに案内し、椅子を引いて座らせた。
 お茶を出すべきか、それともブックマンの様子を見に行くことを優先するべきか、アルトリアはしばし考え込むが、ルキナの要件を鑑みてブックマンの様子を見に行くことを優先した。
 スタッフルームを通り抜け、建物の最奥に位置する社長室の扉の前で立ち止まり、コンコンと二度ノックを鳴らす。
「社長様、ルキナさんがお見えです」
 扉越しに来客の旨を伝えたが、しばし待っても返事がない。
 しかし部屋の中には人の気配は感じとれた。
「社長様、いかがなさいましたか?」
 再度声をかけたが、それでも返事は返ってこない。
 アルトリアは目を瞑り、中の気配を注意深く探ってみるが、一人分の気配が感じられるものの、動く様子はなかった。
(まさか裏口から何者かが侵入し、社長室に潜入した? そして社長様を身動きとれないように縛り上げたとか?)
 しかしアルトリアは頭を振って、自分の考え方を否定した。
 仮に裏口から何者かが侵入したとしても、自分が居て気づかないわけがない、と。
(もしかしたら、慣れない現場調査に疲れて寝てしまってらっしゃるのかもしれませんね)
 アルトリアは考えを改めて、もう一度ドアをノックした。しかし、先程と変わらず返事は返ってこなかった。
「社長様、失礼させていただきますね」
 そう言って、そっと扉を開けた。
 最初に目に飛び込んできたのは暗闇だった。
(これは……寝ていらっしゃるのでしょうか)
 仮に眠っていたとしても、客を待たせている以上、起こさねばならない。
「失礼します」
 扉近くの壁にあるスイッチを押す。
 すると天井から吊るされたシンプルで丸いプラクトランプが、プラーナを熱エネルギーに変換して輝きだした。
「…………社長様?」
 光に照らし出されたのは、椅子の上で体育座りをしながら音もなく震えているブックマンの姿だった。
 アルトリアはブックマンが何かに怯えていることを感じとると、彼の前まで歩き膝を折って目線の高さを合わせた。
「社長様、いかがなさいましたか?」
 そっと優しく声をかけてみたが、ブックマンは視線を宙に漂わせるだけで何も答えなかった。
 それでもアルトリアは、ブックマンの瞳をじっと見つめたまま待ち続けた。
「僕はもう調査に行かない。ルキナさんには帰ってもらってくれ」
 ブックマンはぼそりと言い放った。
「二人で出かけられて、何か問題でもございましたか?」
 母親が拗ねた子供をあやすように、アルトリアは優しく尋ねた。
「これ以上の調査は……危険なんだ。…………もうやめた方がいい」
 ブックマンは少しずつ、考えを吐露していく。
 危険とは、どういったものなのだろうか。何か組織の介入や圧力があったのか、それとも直接身の危険を感じる出来事があったのか。
 どちらにせよブックマンの身に危険が迫るのなら、アルトリアとしては見過ごせぬ内容である。
「ルキナさんに帰ってもらうにしても、納得していただける理由がなければ難しいかもしれません。もう少しだけ、詳しく教えていただけませんか?」
 アルトリアは辛抱強く、穏やかな声で尋ねた。
「リンゼ君と……カリファ君は…………僕と間違われて…………殺されたんだ」
 どれ程の時間が経ったのか、ぽつり、ぽつりとつっかえながらもブックマンは話始めた。
「二人を……殺した連中は…………転生者を……狙っていた。…………それで…………僕と間違われて殺された……」
「そう……でしたか」
 アルトリアはブックマンの手を取り、頷きかける。何も問題ないと。
 自身の雇い主であり、敬愛する主人と決めた男に優しく微笑みながら、アルトリアは瞬時に考えを巡らせる。
 ブックマンは自分と間違われて、リンゼとカリファが殺されたと言った。
 しかしブックマンは男性で、二人は女性である。
 リンゼの装備は胸当て、手甲、具足、インナーには半袖のシャツと……ミニスカート。
 カリファにいたっては魔法師ということもあり、黒いマントと肌の露出が多いボンテージ姿だった。
 どちらも男性と間違われる格好ではない。
 そもそも、ブックマンはリンゼとカリファ、どちらが自分と間違われたのか、はっきりと明言していない。
 つまり、ブックマンはアルトリアに何かを隠している。それは自身の非を隠すための幼稚な隠蔽ではなく、アルトリアを気遣っての隠し事だと、二人で今まで育んだ絆から直感する。
「社長様と間違われたのは、リンゼさんとカリファさんではなく……スズキ・ケンタさんですか?」
「ッ!?」
 アルトリアの言葉に、ブックマンは目を見開き息を飲む。
「ダメだ、アルトリア君。キミは彼の事を考えちゃいけない」
「私の中にはスズキ・ケンタさんの記憶はございません。でも……社長様のその反応を見れば、おおよその予想は出来ます」
 アルトリアは目を瞑り、一度だけ深くゆっくり呼吸をする。そして開いた瞳は決意に満ちた意思力を宿し、真っ直ぐにブックマンの瞳を射ぬいた。
「スズキ・ケンタさんは転生者だったんですね」
 冒険者ギルドへリンゼとカリファの身元確認に行った際、ブックマンから聴かれた名前。
 知らない旨を伝えると、ブックマンは二人の死の真相を探る調査からアルトリアを外した。
 スズキ・ケンタについて何かを思い出そうとした時の心のざわつき。
 全てはスズキ・ケンタが転生者で、アルトリアは彼と接点があったと、思い出そうとすればロスト・リバウンドになる可能性があるということを物語っていた。
「それ以上、考えちゃいけない」
 先程まで怯えて震えていたブックマンだが、今はアルトリアの肩を掴み、必死に訴えかけていた。
 その姿を見てアルトリアは確信する。
(自分の命が狙われている事に怯えていたんじゃない。自分が原因で、他の誰かが傷つくことに怯えていらしたんですね)
 その考えに至り、アルトリアは改めて目の前の主人を誇らしく感じた。
「心配してくださりありがとうございます。でも大丈夫ですよ。スズキ・ケンタの事は身元確認の時に社長様が話されたのを覚えていただけです。思い出したのではなく、新たに刻まれた記憶なのです。だから、新しい記憶の話をしてもロスト・リバウンドにはなりません」
「それは……屁理屈だよ。手遅れになってからじゃ遅いんだ」
 アルトリアは肩を掴むブックマンの手を握り、自分の胸元にあてがった。
「こ、こんな時になにをやっているんだ」
「聞いてください、私の鼓動を。社長様の事を考えただけで、こんなにも早鐘のようにドキドキするんです。スズキ・ケンタさんが入る余地なんて無いんです。それに……」
 悪戯っぽくアルトリアは微笑む。
「私、過去は振り返らない主義なんですよ」
「そうだったね。僕達が初めて出逢った時もそう言っていたね」
 ブックマンは目を細めて昔を懐かしむ。
 あの日、マギアルクストに転生して右も左も解らないブックマンに、手を差しのべてくれた剣士のことを。
 記憶を持っていなかったブックマンに、自身もレマルギア王国から中立国ミスバリエへ亡命した大変な身の上であるにも関わらず、過去なんて取るに足らないと笑ってのけた気高き女性を。
「ええ、そんなこともありましたね。だいたい、ロスト・リバウンドになると解っていて、思い出そうとするわけないじゃないですか」
「ははっ、たしかにそうだね」
 ロスト・リバウンドは『思い出そうとしない』ことで回避出来る。しかしそれは、あくまでも理論上の話であり、意識的にそうすることは難しい。
 だけど人一倍精神鍛練に励み、黄金の精神を持つアルトリアなら出来るかもしれない。
 彼女には、そう思わせるだけの実力があった。
「これより先は冒険会社シャインウォール社長秘書兼筆頭冒険者のアルトリア・ベルリアが、社長様とルキナさんの護衛に着かせていただきます。だから…………仲間の死に尊厳与えることと、犯人に罪を償わせることを諦めないでください」
 アルトリアの言葉がブックマンの心に沁み渡り、閉ざしていた扉の鍵を融かしていく。
 恐れる必要はない。恐怖に怯えて大切なものを諦めないでほしい。
 そのためなら、どんな敵が現れたとしても、この紅の剣聖が闇を斬り払い全てから護ってみせる。そう思わせるだけの時間と絆を刻んできた。
「ああ、頼むよ」
 胸に当てていたブックマンの手を引き立ち上がらせる。
「さあ、ルキナさんが待ちくたびれてますよ」

「社長さん、遅いですね」
 ルキナは冒険会社の受付カウンター奥にあるテーブルにて、ぽつりと呟いた。
 窓の外へ視線を移すと、工房から吹き出る煙が目に入った。
 冒険会社は冒険者ギルドからの少し距離のある、どちらかと言うと街の外れに近い場所に建っていた。
 雇用している冒険者の詰所というだけでなく、武具のメンテナンスを行う工房、社員である冒険者を鍛える訓練場、地方から夢を抱いて出てきた社員が生活するための社員寮といった各種施設が揃っている。
 その為、かなり広い敷地を所有している。
 工房の煙突からは煙はもうもうと出るし、武具を鍛えれば騒音も出る。社員の訓練による剣戟の音や気合いのこもった掛け声なども、住人からの騒音として苦情が来ることもある。
 冒険者も依頼を受ける客商売である以上、住人のウケも気にしなければならない。
 そういった事情もあり、冒険会社の業績が伸び、雇用人数が増え、会社の規模を拡大する度に、人に迷惑をかからない広い敷地を求め、辺鄙な土地へと居を移してきた。
 つまり、カザリアに住むルキナにとっても、普段立ち入る事のない珍しい場所なのだ。
「社長さん、早く来ないかなー」
 しかし、そんな珍しい風景に興味を示すわけでもなく、ルキナはブックマンへの恋慕を募らせていた。
 人生で初めてした恋に、うっとりしたにやけ顔で浮かれている。
「まさか人を待つ時間が、こんな至福の時間に変わるとは驚きです」
 視線を窓からアルトリアが消えた扉に視線を移した。正確にはその奥にあるであろう社長室に。
「また二人でお出掛け…………今度こそ上手く立ち回って親密な関係にならないと」
 ルキナは午前中、ブックマンと二人で回ったルートを思い出す。
 まずはギルドでの聴き込み調査。
「まさか気合い入れまくりのお洒落着で職場に行くことになるとは…………」
 普段は真面目な堅物で通っているルキナにとって、お洒落着で職場に訪問するという行為は、羞恥極まりない出来事に感じていた。
 実際のところは、現場検証員としてギルドに協力しているルキナは受付係と顔を会わすことは無い。だから知り合いにお洒落着姿を見られたわけではないのだが、それでも仕事で出入りしている場所で浮かれた姿を晒すことに背徳感を感じていた。
「そして山賊団のアジト跡へ行く途中、あんなことになるなんて…………一生の不覚だわ」
 山賊団のアジト跡へ向かう際、ルキナは動きにくいお洒落着のまま向かった。
 黄色いワンピースの裾は木の枝に引っ掛け、足の付け根まで裂けてしまった。おかげで下着が見えないか、常に不安と羞恥に見舞われたのだ。お気に入りのパンプスも、足場の悪い山道で隙間に挟まって折れてしまった。岩場を登る際はカーディガンの袖回りがきつくて上手く岩場を掴めなかったので、袖を引きちぎってしまった。
 おかげでルキナこそが山賊かと間違われそうなくらい、ワイルドな姿を晒すはめになったのだ。
 一張羅を失い、悲しみと羞恥にまみれた現場調査の果てに、やっと手がかりが見つかった。
 リンゼ、カリファ、スズキ・ケンタを誘導した情報屋、そして待ち伏せして三人を殺害した存在エックス。
 あとはこの二人の情報を集めて証拠を見つけるだけだ。
「今度こそ社長さんのお役に立って、二人の関係を進展させるのよ!」
 ルキナは恋の成就と事件解決の決意を固め拳を握る。
 丁度その時、奥の扉が開いた。
 ときめく心を抑え、扉を凝視すると、そこからアルトリアが出てきた。
「ルキナさん、ブックマンと一緒に私も同行させていただくことになりました」
「え?」
「つきましては社内をもぬけの殻にするわけにはいきません。店仕舞いをしますのでもう暫くお待ちください」
「あ、はい」
 突然の展開に、しばし呆然とするルキナだったが、アルトリアの作業姿を追いかけるうちに思考も追い付いてきた。
(アルトリアさんも同行するということは……つまり、社長さんと二人きりになれない?)
 ルキナはその結論に愕然となり、先程固めたばかりの決意が揺らぎそうになる。
(これは一大事だわ!)


その16へ続く↓
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