都会の子供達の会話はなんともハイソサエティである。
そして、予測不能な会話でゲラゲラ笑いあえる子供達
ついついそんな会話に耳を傾けざるおえない時がある。
先日、TOYのライブが終わり、ドラマーのたこやきBOYくんが事務所で仕事をする合間に
ツアーに出ない限りこういった時間は珍しいのだけど、お風呂やさんでもいこうかとなった。マッサージ屋さんにも行きたかったし誘ってみた所「いこう」ということで二人連れ立って隣町のお風呂やさんへ
僕が湯船に浸かっていると、都会の子供達3人組が、湯船のヘリに座って会話をしだした。小学校中学年といったところだろうか、とにかく何が面白いのかずっと話しては笑いあっている。なんとも微笑ましい光景である。
僕が目をつぶりお風呂を堪能していると、否が追うなしにでも会話が耳に入ってくる。
「なぁなぁ、次は待ちに待ったアレだな」
「えぇー、なになにー」
「ほら、アレだよ、アレ!!」
この時点で、僕は都会の子供達3人組featサカノウエヨースケになっていて
僕も、見た目はお風呂を堪能している人の風で、脳内では子供達と一緒に
「アレってなんだ!!なんなのだ!!都会の子供達よ!!」
とこの先が気になって、お風呂から出れない。
「ねぇねぇ、はやく言ってよ!!」別の子供が急かす
「ほら、明日だよ、明日!!」
「えぇー、明日???」
ここで、見た目は「いい湯だなぁ」感を装うサカノウエくんなのであるが
脳内では、「明日、明日??、明日は平日だしな、何があるんだ??学校、違うな」
と、もう完全に都会の子供達の会話に僕も参加しているのだ。勝手に。。。
すると、都会の子供がシビレを切らしたかのように
「お、からはじまるアレだよ」
「お、からはじまるあ、の、日」
とヒントをくれた。
おいおい、「お、からはじまるアレ、お○○、もしくはお○○○○」とかってことになるわけだ。
都会の子供よ
大人だぞ、こっちは、お、からはじまるアレといえば、これしか正解はないじゃないか
早く答えたまえ子供達よー
「えぇーー、わかんないよ、お!?お、から始まるのって何???」と
子供たちは言い出しっぺに食い下がる。
脳内のサカノウエは、口元に笑みを携え
「ははは、お、からはじまるアレ、といえば、オフしかないじゃないか」
都会の子供達は洗練されているし、最近は習い事もたくさん通う子供達も多いと聞く。
ましてや、子供達もお休みの一つや二つ必要だろう。
まぁ、小学中学年で、使う言葉にしては、大人びている気もするが
これは「オフ」で間違いないはずだ。
なんなら子供達がちょっと大人に見えなくもないもんな。
と、一人、正解を僕も子供達と同じように、のぼせそうな身体をなんとか湯船に沈め、待っているのだ。
「正解は、、、、」
子供達と、サカノウエは、彼の一挙手一投足に身構える
「おたのしみ会でしたーーーーーっ」
子供達「わーーーーーーっ」
サカノウエ「ズコーーーーーッ」
「オフちゃうんかいっ!!お楽しみ会かーいっ!」
言葉の響きのかわいさと、お楽しみ会という言葉の懐かしさと、はしゃぐ子供達と、大人と子供の置かれている距離の遠さになんだか泣けてくる。
やれやれ、お楽しみ会とは素敵じゃないか、これには一本とられたよ。精一杯楽しみたまえ都会の子供達よ!とでも言いたげな表情を浮かべ、湯船を出る、そうだ、僕にはドラムのたこ焼きボーイくんがいるじゃないか!!
そうだ、僕には仲間がいる。この気持ちを今すぐ伝えなきゃ。
見渡す限り、たこ焼きボーイはいなかった。
「あっ、ヨースケくんお風呂長いから先に出ちゃった」と
気持ちよさそうに脱衣所でドリンクを飲んでいるのだった。
大人は忙しいのだ。
そこにとどまる理由はないのだ。
お風呂で温もったなら、次は水分を補給して、次の準備へ向かうのだ。
「お楽しみ会」の衝撃に一人取り残されたままの僕は
もう一度、湯船につかりなおすのであった。
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