被災の最中（さなか）にいる皆さんへ

被災の最中（さなか）にいる皆さんへ
　
私は東日本大震災で家族や友人を亡くしたものです
今皆さんがどのようなお気持ちでいらっしゃるか　
少しは実感としてわかるつもりです
どんな言葉も今はつらいだけだと知っています
ですから　ご挨拶は省かせてください
　
被災のさなかに身を置かざるを得なくなると
大人でも　自分のこと　家族のこと　これからのこと
今置かれた状況　次に何をすればよいのか……
　
子供達も何をして良いのか　何をするべきかを
幼いながらも気を張って考え
大人の手伝いをしようとするはずです
幼い子供も　中学生も　高校生も　若い学生達も
みんな同じように被災しているのです
させてよい手伝い　させてはいけない手伝いを
人生経験のある大人の判断でしっかり見極めてください
　
若い皆さん・まだ小さいおともだちのみなさんへ
たべるものがないひとに　
じぶんのたべものをあげるときは
ぜんぶあげてはいけません
おみずをあげるときも　ぜんぶあげてはいけません
いじわるでいっているのではありません
よくきいてください
みなさんも　いきなければならないのです
わけてあげるときは　
そのひとと　はんぶんこにしてください
こまっているひとがいたら　
おとなのひとに　おしえてあげてください
　
特に　
自分は大丈夫と思いがちな中学生以上の若い皆さん
災害時には思いがけないトラブルがあるものです
自己判断せずに　必ず大人に意見を求めてください
家族の皆さんが通常通りの状態ではないかもしれませんが
皆さんのことを心配する気持ちは変わらないのです
そのことを絶対に忘れないでいてください
　
今は　誰のどんな言葉もつらいだけだと思います
私もそうでした
どんなに暖かい慰めの言葉を頂いても
明日が来ることを信じられませんでした
しかし　いま　私は生きています
どうか　命を投げ出さず　諦めずにいてください
あなただけではありません　私達もそうだったのです
　
一刻も早く事態が良い方向へ向くことを祈っています
これ以上の被害が出ない事を祈っています
皆さんのご無事を心より深く祈っております
　
　
災害のさなかに身を置かれている皆さんに届きますように
シェアして頂ければ幸いです
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　#語り部佐藤麻紀