富貴蘭 元々は国内に自然に生える風蘭を豪商や武家の趣味として江戸時代にも流行した古典園芸の蘭
写真のもので売られたらいまなら30万円くらいかな
アフリカの蘭でエランサス ラモサ
これの半分くらいの苗を一年育てている
細い茎を伸ばし緑の六芒星形の花をつける
セッコクの木付け
スマホで日記を書いていたら乗り換える駅を忘れていて随分乗り過ごしたところまで来てしまったので日記の続きも書いた
洋らん展で唯一の東洋蘭扱いの店に近づくと懐かしいしわがれたダミ声の元気な声が聞こえてきた
お客さんに怒鳴りつけているような声
ここ最近体調を崩されて暫く見かけなかったが久しぶりに威勢のいい「いちゃもん」である
このオヤジを知っている人なら余計な事は言わないのがこの店のルール
ひとこと言ったために痛い目を見る人たちを以前からよく見かけた
なに食わぬ顔で棚に近づき富貴蘭を物色しながら会話に聞き耳をたてる
洋らんの人はあまりこのオヤジを知らないから値切ったり、品物にケチをつけたりする
そんなことをしようものならオヤジの洗礼を浴びる
今回は他に東洋蘭扱いの店はないかと悪気なく言ったようだ
東洋蘭の店で他の東洋蘭の店を聞くのはまあ失礼かも知れないがオヤジを元気にさせるには充分であった
私は心の中で相変わらず元気そうでよかったと思っていたがそのお客はたまらない
お客さんは富貴蘭を買うと言っているのに売らないといい放つ
助け船を出して普通の風蘭を扱う店を紹介したがこの店より蘭の質が悪いと付け加える
オヤジは私にはにこやかな視線を送る
お客も粘るがオヤジは負けない
出展のどこの店の人もこのオヤジには敵わない
お客もそう感じたのか作戦を変えて品物これもそれも良くできているとほめ出した
どうしても買うつもりだ
オヤジも作戦を変えて高いものを売り付ける方向に変更
無理矢理買わされて逃げるように店から離れていくお客さんを尻目にオヤジさんに声をかける
元気そうでよかったと声をかけると兄さんはミズゴケ巻くの上手くなった?と返ってきてた
えー 覚えてくれていたのか
何年前だろう
東京ドームの蘭展の時に実演で富貴蘭の植え替えをしながら販売しているオヤジと出会った
最も販売はいかにも優しそうなよくできた奥さんで主でいつも丁寧に蘭の育て方を説明しながら販売されていた
オヤジはお客さんを客とも思わぬ扱いをするが奥さんが上手くフォローする
元は東洋蘭業界の先導者的な立場で東洋蘭のイベントを立ち上げたりしていたが東洋蘭業界は腐っているといつも嘆いていた
東洋蘭の未来を見据えてあしき風習を見直そうと働きかけていたが結局その悪質な東洋蘭業者から煙たがられ東洋蘭の展示会にはいまは参加していない
洋らんの展示会には唯一の東洋蘭扱いの店として洋らん協会の人には一目置かれる存在
以前富貴蘭の植え替え時のミズゴケの巻き方を口は悪いが丁寧に教えてもらったことがある
筋がいいと誉められてそれから毎年自宅の富貴蘭を丁寧に植え替える
当然育ちもいい
今回は朱花の「紅雀」と黄花の「黄福」の2年目の分け株を購入
もっと大きなもの買わないと花が咲かないぞと脅されるが育てるのが趣味だから直ぐに咲いても味気ないと言うと大事に育ててくれと言う
蘭好きはこんな店で質のいい苗を買うのが一番の楽しみなのだ
だから蘭はやめられない
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