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2017年10月11日00:20

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プレイレポ ブラッドムーン『死せる少女のティーパーティー』

 おうおうおう。狩人たちの夜がまた来るぜ。というわけで、先週日曜日には、長らくやってなかったサイフィクハンター系TRPGブラッドムーンを遊んで参りました。

 モノビーストやヴァンパイアとは過去に何度かやりあっていたものの、「ブラッドムーン」としては実は初プレイ。ルルブを買っててよかったぜ!

 しかし今回戦う相手は、“魔女”! そう、先日発売されたばかりのサプリメント『ギルティウィッチーズ』を導入して、魔女狩りを行うのだ! なにやら特殊ルールもあってワクワクの予感! いざウィッチハント!


■ブラッドムーン・ギルティウィッチーズ『死せる少女のティーパーティー』

 シナリオは『ギルティウィッチーズ』付属、GMはシェンツさん。

 カッツェで初めて立つシステムがあったとき、そのGMは大抵シェンツ先生が勤めています。新しいシステムに対する嗅覚の鋭さと貪欲さ、見習いたい……いつもありがとうございます。

 新しいシステムをシェンツ先生に立ててもらうたびに毎回思うのは、「今まで僕たちが触れてきたゲームと何が同じで、どこが違うのか」の説明が抜群に上手い、ということです。プレイに関して必要になる情報をプレイ前に提示するわけですけど、その取捨選択が絶妙で、本当にたくさんのシステムを立ててもらってるのにそのあたりでストレスになることがぜんぜんないのはマジで凄い。今回もスムースにゲームに没入させていただきました。

 シナリオは付属だけあって、このサプリメントで何をしたいのか、どういうプレイフィールになるのか、非常に明快に伝わる手堅い作り。魔女の無邪気な悪辣さや現行のヴァンパイアの脅威を凌駕する戦闘バランスなどがよくわかりました(死につつ)。

 というわけで、「傲慢」の魔女“紫色の至福(ヴィオレ・ボヌール)”を狩り立てるべく集った限界感情ウィッチハンターズは以下の4人です。


▼“真紅の真実”井上芹莉愛(いのうえ・せりあ) 17歳女性
種族:人間 武器:噂話+火炎 組織:井上家
背徳:“本当のことをいいたい”
 “嘘”を聞いた者を物理的に炎上させる、井上流冤罪火刑術の使い手で生粋の魔女狩り。だったのだが、かつて魔女の計略により自身の能力で親友を焼き殺してしまい、“制御できない自分の本音”に触れることを極端に恐れるようになってしまった。そんな自分を飄々としたベテラン魔女狩りという“嘘”で覆い隠すことでしか戦えない、優しく脆いウソツキ。黒蜥蜴星人属性。エモい。

▼赤松明(あかまつ・あかり) 17歳女性
種族:人間 武器:たいまつ+化粧品 組織:私立深縁女学院
背徳:“全てを燃やし尽くしたい”
 かつて魔女の手により家族ごと家を焼き尽くされ、顔の半分も火傷で失うという三浦健太郎の漫画みたいな惨劇を味わい、紅蓮の復讐者となった少女。だが「先輩」と出会い、化粧を教えてもらい、「綺麗」という言葉を掛けられたことに感銘を受けて顔を上げて生きていく決意をしている。そのことで一応立ち直りはしたものの、全てを奪った炎に魂の奥底で吸い寄せられ、焔への危険な執着を抱いてもいる。大事な人が敵に回りそう属性。エモい。

▼松風遥(まつかぜ・はるか)  17歳女性
種族:人間 武器:歌+人形 組織:さんくちゅあり
背徳:復讐――“魔女は全て殺す”
 かつて魔女の手により家族を生きたミートパイにされ猫に食わされるというガロ掲載の漫画でもそうそうないような惨劇を味わい、漆黒の復讐者となった少女。それが小学生の頃で、そこからずっと魔女を狩ってるベテラン。処刑人形シンザックを操り魔女を殺し続ける。もうそれしかこの世に縁が残ってないので、魔女に利用された人間とかも基本即時介錯する方向性。ニンジャの代わりに魔女を狩るフジキドみたいな女。フジキド属性。ヤバい。

▼安治野撫子(あじの・なでしこ) 16歳女性
種族:魔法少女 武器:料理 組織:美麗派
背徳:“味わいたい”
 見た目は才色財兼備の完璧超人。しかし生まれつき他人の感情変化からしか味覚を感じ取れない性質を持ち、特に不幸や絶望を甘く美味しく感じる自分にコンプレックスを抱えていたところを、コロッと魔女に転がされ魔法少女まで堕ちてしまった少女。ハンター仲間の手によりどうにか戻ってきたが罪悪感ゆえに恵まれた生活を投げ打ち魔女狩りに励む。魔法少女時代に身に着けた魔法の調味料を使って敵を調理するぞ。その時、敵の絶望の味を味わうこれが大好きなので実は実益も兼ねている。クズでは?


■雑感

 クソ楽しかった(挨拶)。

 というわけで初のブラッドムーン、初のギルティウィッチーズでございました。ガーリィ&ファンタジック&ポップ&残酷、という一部の人にブッ刺さる題材をミックスした魅力的な世界観のなかで、いつものブラムンのデッドリー戦闘をするのは非常に楽しかったです。

 ユーザーに強く「やりたいゲーム」を主張する新規武装や新規組織、そしてついにブラクル時代の遺産「相(アスペクト)」が復活搭載された魔女のデザイニングなど、いいところが沢山あるサプリメントですが、一番のキモはやはり「背徳」! これに尽きるでしょう。

 「人間性の欠片もない怪物が僕らの人生を滅茶苦茶にしようとするのでそれを防ぐ」がブラッドムーンの基本構造なのですが、ここで破壊される対象をどうでもいいものに差し替えたり、そもそも完全な狂人にしたりすることで、「データ上はダメージ食らってるけどキャラクターの格は落ちない」みたいな「防衛策」を取ることが、これまではできました。幸福は破壊されてはいるけど、まあカラッとしたプレイングにすることは可能だったわけです。

 しかしギルティウィッチーズにおいて「背徳」は、「絶対に他の人に知られたくないもの」――つまり「うしろめたいもの」として設定され、これを全てのPCは必ず獲得することになっています。つまり、いかな狂人であれ、全くブレず一貫し続けるキャラクターは絶対にできないようになっています。多くのフィクションで、「うしろめたいこと」はそのキャラクターの精神的な弱点と直接リンクしてますし、既に「うしろめたいこと」がある時点で、そのキャラクターは超越性を失います。

 これが、「残酷」というテーマや「魔女は心の闇に付け込む」という設定を絶対的に支えていて、キャラクターは背徳を破壊されると必ず逡巡し立ち止まり途方に暮れるようになっています。扱い自体は今までの「幸福」と大差なく、導入は簡単であるにも関わらず、最大限の効果を発揮する、優れたデザイニングだなと感心しました。

 システムレベルでそこまでお膳立てされたからには乗っかるしかねええだろおおお!! とばかりに、PL陣も張り切って上述の魔女狩りどもを嬉々として投入。護り護られの結果、データ上「感情」が芽生え、データに引っ張られる形でロールも加速するのはブラムン独自の非常に気持ちいい展開だなーと再確認することもできました。

 しかし、敵は強い!! GMが「ヌルくなったと言われるブラムンに魔女が鉄槌をくだす」と仰っていましたが、実際にラウンド1回、回避失敗で自動的に部位が飛んで重圧入る全体攻撃撃ってくるのまじやべーなコレ……この「介入絶対成功しなくなる業」ことサバトってなんやねん……魔女、モノビースト以上の殺意じゃん……と震え上がりながらプレイしました。

 そのなかでも最善手を打ち続け、なんとか犠牲なしでクリアできました! このデッドリーななかから生還する喜びも懐かしくも鮮烈で素晴らしいゲーム体験ができました。……遥は最善手を打ち続けたにも関わらずダイスに嫌われすぎてヒロイン説得できなかったけど……やっぱダイスゲー怖い(震える)

 というわけで、新しいシステムのよさを、GMや他のPLさんのおかげで存分に味わえる大満足セッションでしたのよ。皆様、ありがとうございました! やろう、ギルティウィッチーズ!!
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