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2017年07月22日15:00

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>4. 乏しい具体的な政策の成果<ブッシュ大統領は就任直後にITバブル崩壊に見舞われ<オバマ大統領もリーマン・ショック後の戦後最大の不況への対応を迫られ<オバマケア法を成立>

4. 乏しい具体的な政策の成果

 トランプ大統領は極めて幸運な門出をした。景気は回復過程にあり、失業率低下も着実に低下している。緊急に対応を迫られる経済情勢ではなかった。だが、「トランプ大統領はひとつも大きな法案を成立させることなく、最初の1年を終わる可能性がさらに強まっている」(『ブルームバーグ』7月19日、「Health Care Collapse Could Leave Trump Winless in First Year」)のである。

 ブッシュ大統領は就任直後にITバブル崩壊に見舞われ、さらに連続テロ事件の追い打ちを受けた。そうした状況の中で大型減税を実現し、極めて短期間にリセッションから抜け出すことに成功した。オバマ大統領もリーマン・ショック後の戦後最大の不況への対応を迫られ、就任後わずか1か月で7870億ドルの史上最高額の景気政策を共和党の反対を押し切って実現した。さらに経営危機に直面していたGMを救済し、民主党の100年に及ぶ願望であったオバマケア法を成立させ、3200万人という未保険者を救済した。ドット・フランク法で、不十分ではあったが、懸案の金融規制も実現した。では、トランプ大統領は就任後半年の間にどんな成果を上げたのであろうか。ABCとワシントン・ポストの世論調査では、「政策が進捗しているかどうか」という質問に対して、「進捗している」が38%、「進捗していない」が55%と、国民は厳しい評価を下している。

 大統領に就任して半年が経とうとしているのに、目立った成果は見られない。ホワイトハウスは4月25日に「トランプ大統領の100日間における歴史的成果」と題する声明を発表している。その中で、しかし、「トランプ大統領は最初の100日間で30の大統領令に署名した。オバマ大統領は19本、ブッシュ大統領は11本であった」と書いている。指摘されている成果は、具体的に言えば、「大統領」を発令することでオバマ前政権のすべての成果を覆したということである。“後ろ向きの成果”はあるが、自らの政治課題の達成は遅々として進んでいない。この半年間にトランプ大統領は何を成し遂げたのだろうか。

 選挙公約で「オバマケア廃棄」を最大の課題に掲げたが、当初案は共和党の右派の抵抗で下院での採決の見通しさえつかず、撤回せざるを得なかった。修正して再度法案を提出したが、成立は困難な状況である。先に引用したブルームバーグの記事は「トランプ大統領のオバマケア廃棄は火曜日(7月18日)に潰れた」と書いている。さらに「オバマケア廃棄を巡る争いでの敗北でトランプ政権の脆弱さが露呈し、トランプ大統領の政策課題の大半が危機に瀕している」と、トランプ大統領が帳面する厳しい状況を説明している。トランプ大統領は「共和党は国民に対する約束を守らなければならない」とツイートしている。

 共和党は2010年から一貫してオバマケアの廃棄を主張してきた。トランプ大統領の就任と上院、下院で共和党が過半数を制したにもかかわらず、オバマケア廃棄は実現しなかった。トランプ大統領は、責任は共和党にあるとの姿勢を取っているが、オバマケア廃棄に向けてトランプ大統領が共和党指導部と十分に協議し、指導力を発揮しなかった。その結果、共和党内部から落ちこぼれが出て、議会での票決に至らなかったのである。カイザー・ファミリー基金の調査(6月14日から19日に実施)では、回答者の59%が公的医療保険制度も問題の責任は民主党ではなく、トランプ大統領と共和党にあると答えている。国民がオバマケアを廃棄する共和党案を支持していないのは明らかである。共和党案で制度の見直しが行われた場合、低所得者向けの公的医療保険制度であるメディケイドの見直しも行われ、その最大の被害者はトランプ大統領の支持者である「ポアー・ホワイト」である。皮肉な結果である。こうした状況から、トランプ大統領はオバマケア廃棄を断念し、これから税制改革に重点を移すと語っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーーー
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakaokanozomu/20170720-00073510/
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