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2017年08月04日22:56

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「イヴの総て」 「ドッグ・イート・ドッグ」 「「知事抹殺」の真実」 「ディストピア パンドラの少女」

「イヴの総て」 ’50 (米)

監督・脚色:ジョセフ・L・マンキウィッツ
f :ベティ・デイヴィス,アン・バクスター

TVでは何度も観ているが、スクリーンでは初鑑賞。
ベティ・デイヴィスの代表作にして
マンキウィッツが2年連続アカデミー監督賞,脚色賞受賞を獲得した名作。
中学生の思惟太はベティ・デイヴィスのすごさもよさも判らず
こわいおばさんにしか見えていなかったのだけれど、
舞台で実績を築き上げたアラフォーの女優が
明晰で狡猾で野心溢れる若い女優に脅かされるお話なのだから
口角の下がったデイヴィスのこわい顔と尊大で不機嫌な演技を
堪能する映画なのだろう。
なんというか…
これは女優なら誰もが演じてみたくなる脚本なんじゃないか?
先の「アクトレス〜女たちの舞台〜」同様
女であるとは何か?女優であるとは何か?
加齢は女に何をもたらし 女優は加齢をどう生きるのか?
…みたいな興味深く残酷なテーマを女優たちはどう演じるのか?
そういう見どころにワクワクする映画なのだ。
ラスト付き人たる無名の女優がイヴのドレスをあてて
かつてのイヴそのまま鏡の自分にうっとりと見入るシーンは本当にすごい!





「ドッグ・イート・ドッグ」 ’16 (米)

監督:ポール・シュレイダー 脚色:マシュー・ワイルダー
m:ニコラス・ケイジ,ウィレム・デフォー,クリストファー・マシュー・クック

エドワード・バンカーの犯罪小説の映画化なのだが、
人生の半分は刑務所で過ごして来たようなオヤジ3人が
豊かな余生を夢見て挑んだ仕事(乳飲み子の誘拐)がことごとく裏目に出て
あれよあれよという間に命を落として行く展開は
血まみれの喜劇に設えられていて、
アタマがいいわけでも 仲間内の絆が深いわけでもない中年オヤジたちは
ただただトホホな事態に陥ってジタバタするわけで、
そのまことに情けない有様を活写することに
ポール・シュレイダーの潔さがあるのだ。
久々に大当りのニコラス・ケイジ映画(笑)。





「「知事抹殺」の真実」 ’16

監督・撮影:安孫子亘

2006年収賄事件のため福島県知事を辞任した佐藤栄佐久に取材したドキュメンタリー。
監督自身が佐藤栄佐久の辞任劇について
そう言えばそんなニュースがあったな…程度の認識だったそうな。
それが原発事故後に振り返ってみると
原発行政に都合の悪い人間を排除する権力の思惑が透けて見えるわけで、
“検察のストーリー”に震え上がるスリラー。





「ディストピア パンドラの少女」 ’16 (英・米)

監督:コーム・マッカーシー 原作・脚本:M.R.ケアリー
m:パディ・コンシダイン
f :セニア・ナニュア,ジェマ・アタートン,グレン・クローズ

’16 シッチェス・カタロニア国際映画祭 女優賞

チラシに“カズオ・イシグロmeetsウォーキング・デッド”とあるが、言い得て妙!
ゾンビものの亜種かと思ったらさにあらず
ウィルスと共生する“セカンド・チルドレン”奇跡の少女メラニーが
世界の成り立ちを学び
滅び行く人類と思考する植物である自身の未来を拓いて行く
胸のすくSFエンターテインメントなのだ。
佳作。お薦め。
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