天が与えるものを見る人見ない人

■「きみ、残業できる？」　面接で質問、企業の３割超え
(朝日新聞デジタル - 01月19日 21:06)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4392575

こういうことに文句を言いだしたら枚挙にいとまがないけれど

お金がほしいのか仕事がしたいのか、早く帰りたいのか
その会社で働きたいのか

まずはっきりさせてから物を言おう。

吉田松陰の伝記を読むたびに考えさせられる。

吉田松陰がペリーの黒船に乗ろうとして失敗して幽閉されてからが
彼の人生の真骨頂であり、失敗しないと教育者としての吉田松陰が
長州の人材を輩出するほどの影響力を発揮することはできなかった

当時の本人も、周りも、吉田松陰が輝かしい教育者とは誰も思わなかったろう。
今の人もテロリストとしか思わないかもしれない。

しかし思うに、彼には彼の役割を無理やり負わされて、実行したら
それを完成させるため死んだとしか思えない部分がある。

逮捕され、幽閉され、うっぷんを教育に向け、そして安政の大獄で自殺にもにた死で
彼の仕事は完成する。30歳にもなっていないのに。
この起承転結はあたかも設計されたかのようだ。

しかし普通の人から見ると不遇の人生でしかない。

ヒントを見つけた、ヘラクレスの人生だ。

ヘラクレスは神に列せられず下界に落とされたが
お姫様と結婚し、子供も作って幸せに満ち足りた生活を送っていた。

普通の人なら神になれなくても十分いい生活だ。
ハリウッド映画ならハッピーエンドだ。

しかしヘラクレスはそういう人ではなかった。ただの人ではないから
ただの人生が送れるはずもない。

妻も子供も殺されて、その恨みを糧に神の用意した艱難辛苦をクリアする
ヘラクレスの人生が始まる。

多くの人が知っているのは、この妻も子供も失って不幸のどん底に落とされ
それを苦労して切り抜けていくヒーローとしてのヘラクレスだ。

ヘラクレスにとって、ふつうの生活は送ってはいけないし
不幸からが彼のほんとうの人生であり、探し当てた自分であったが
毒薬で全身やけただれて死んでしまったヘラクレスも
その瞬間まで自分探しで探し当てた自分がどの役割だったか、わからなかったろう。

世の中に偉業をなすとか、世の中になにかを残すような人は
普通の人生を歩まず、多く悲惨な影を持つ。
なにかのトラブルにあって普通の人生を生かさせてもらえないのだ。

これは自分探しという以前に、なにか運命を感じる。

そういう人に比べれば、金の多少で成功したしないとか、
自分の好みの働き方について不満をいうとか

そういうレベルはいたって普通であって、なおしあわせであろう。

私は人に三種があると考える。

1、天から世を変える使命を課せられた運命の人。悲劇の人。
2、世の中を変えるために何かを作り出す人。リーダーの人。
3、彼らに従う普通の人。なお努力しても決して秀でない。

世の九割は3の普通の人と考える。

1のような人は国の転覆期にしか出てこない。
太平洋戦争の時にこういう人が不思議に出なかった。
これはヘラクレスの悲劇であったかもしれない。

太平洋戦争の敗戦と米国の隷属化が、日本をいずれ世界の危機を救う
運命の国にするのかもしれない。
今はわからない。

明治革命や日露戦争、ナポレオン戦争などでこういう人が多数現れた。

戦争がなければこういう人は現れない。

多く2である。

孫正義やオバマがそうだ、トランプもそうかもしれない。

こういう”経営者”のグループがある。
経営者の器でない人が経営者になるとつぶれる。

器でない、とはそういう使命を天から授かってない人たちだ。

多く二代目三代目がそうだ。

経営者になってしまった人は、何かを残す使命を背負っているのかもしれない。
だから世に何かを残そうと、もがかなければ取り上げられてしまうかもしれない。

それがなんなのかは実はわからない。

ジョブスの残したものはなんであったか？
私はマッキントッシュでも、ピクサーでも、ipodでもないと思う。

彼はスマートフォン、iphoneを生むために人生を生きてきたのではないか？

iphoneのないジョブスを想像できる人はいないだろう。
それぐらいの革命的影響があると思う。

孫正義は何のために生まれたか？
多分あの人はいまだにそれを追い求めている。
今のところただポーカーに勝ち続けて大きくなった会社、であるから。

トランプはこれからが人生の最盛期化もしれない。

一旦そういう使命を背負ったら、なにかを懸命に残そうと
頑張るしかないのだろう。

お金儲け以上のものをしないといけない。

でも何か残したら、お金も失って死んでしまうかもしれぬ。

そういうことを考えなくてよかった一般の人たちが
経営者を垂涎してもしょうがないだろう。

しかし自分探しをしたい若者なら、
勤務環境に文句をいう環境で安穏とできることを

大いに不幸と思わなければならない。