■「『箸がきちんと持てない=育ちが悪い』っていう風潮ムカつく」 ネットで議論、「正しい持ち方に直せばいいだけ」という声も
(キャリコネ - 07月02日 10:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=4073156
もとより、なにに価値を感じるか、何を必要とするかは「人それぞれ」なので、
一概にこうするのが正しいなどとは言えない。
箸の持ち方も、その一つだ。
きちんと持つ、きちんと汚さずに使うことに「自分なりの価値観」を持つ者は、
そうするだろうし、
「そんなことどうでもいい」と思っている者は、
どうでもいい使い方をするだろう。
だからこの問題は、躾がどうとかではなくて、
その本人が、「自分をどういうものだと考えているか?」なのである。
根幹にあるのは、「日本人」としての自覚だ。
先日、東京優駿にてある若手俳優が、とんでもなく下品な奇声を上げて、
国家である「君が代」をがなりたてていた。
それは、彼なりのパフォーマンスだろうし、
彼を選んだ側も「そういうのを期待して」のことだろうから、
一般論として、悪いとは言えない。
まさに、「箸の持ち方」なのである。
ちなみに、私には受け入れがたい点が多々あった。
まず、「君が代」の「が」の部分。
今の若い子は鼻濁音を知らないから、「ガーーーッ」とがなるが、
ここは鼻濁音じゃないと困ります。
ガーガーガーガー下品過ぎて、耳障りなことこの上ない。
「千代に八千代に」の部分。
「千代に」+「八千代に」という意味すら考えず、
「八千代」の「や」の音が上昇音階の最高音であるために、
ち〜〜よ〜〜に〜いぃや〜〜〜!(息)ち〜よ〜に
と叫ぶ人がなんと多いことか。
変なところでブレスを入れるんじゃねーよ。
日本国の国歌なのであるから、
*象徴天皇制の今の日本国に、
天皇治世を賛美賞賛し永遠なれと寿ぐ歌がふさわしいかどうか?
とは思うけどな。それは別問題。
せめてその意味くらいはきちんと理解して、
正しい日本語で歌ってほしいものだと思うよ。
日本人ならね。
日本人なら……ということでも、もちろん個人差は大きい。
それは、美しい日本語をきちんと話すことを始めとして、
日本文化の担い手としての自覚がどの程度か?ということになるから。
和服を一人できちんと着ることができますか?
イマドキのお嬢さんなら、生涯でほとんど和服を着る機会はないかもしれないし、
着るときは下手なことしないで、
「着付けをしてもらう」ほうが理にかなっているかもしれない。
着られる人は「できて当たり前」なので、
なんでそんなことを身につけないのかしら?と思うだろう。
これも、「箸の持ち方」と同じだ。
いいじゃんそんなことできなくたって!困らないし。
それはその通りなので、そういう人に無理強いしてもしょうがないけれど、
できうれば、
「そのくらい、できるようにしろよ」と思ったりもする。
飯炊きだろうと、洗濯や裁縫だろうと、
生きるために必要なことや、日本人として自分の身の回りのことぐらい、
「できて当然」なスキルはいくらでもあるはずだ。
それらについて、「別にできなくてもいい」とうそぶく人間は、
やはりその程度だと言わざるをえない。
日本人であっても、
古典文学にそれなりに詳しい人間は非常に少ない。
そもそも、古文が読めない日本人が普通なのはどうなのよ?
明治くらいの手書きならもう古文書なのであって、
くずし字の教養がないと何の文字かもわからないから、意味以前の問題。
できうればもっと、
日本文化、とりわけ古典や建築、美術に目を向けて欲しいのだが、
学校では「受験にあまり関係がない」せいなのか、教える意欲が少ない。
子どもも、ほとんど幾つかのルールを丸暗記するだけで、
古典を一生見ないものにしてしまう。
古典モノは口語対訳付きが普通なので、読めば読めるはずなんだが、
手に取ることも少ないようだ。
今の日本人は、ほとんど正座をしない。
子どもを正座させようものなら、虐待だと言われる。
どんなときでも正座が基本の和服は、
たとえきれいに着付けられたとしても、
立ち居振る舞いをきちんとすることは、
着慣れていて正座を普通にこなせなければダメだ。
モデルのようなスラっと真っ直ぐで長い足は、
小さいころに正座させていたら絶対に作れない。
イマドキの親は、むしろ正座なんかさせないだろう。
その結果、畳に和服という日本人の象徴ともいえる基本的なビジュアルは、
日本人の中から失われいる。
「箸の持ち方」も、それらすべての上にある。
和服で正座して食事をする時、
膳は膝の高さ程度にあるのだから、
食器の方に顔を持っていくことはできない。
どうしようもないくらいの犬食いになる。
和服でいる限り、背筋を伸ばさずに食事するわけにはいかない。
和服には特有の袖があるので、肘を外に張ることはできない。
そのとき、「おかしな箸の持ち方」をしていたら、
おそらく口までちゃんと食べ物を運べない。
とにかく、和服を着て脇を閉めて背筋を伸ばすと、
「箸のおかしな持ち方をする人」には、きちんと食事はできないはずである。
そういったことの「積み重ね」が、躾とよばれるものだが、
躾はその字の通り、「身を美しく」する意識があるかないかなので、
自分勝手でいいと感じる人には、躾は無用のものだ。
別に和服なんて着ないし、正座で食事なんてしないし、
だから、「箸なんか適当に食えればいい」
そう思っている人はそれでいいとしか言えない。
ただ、それは日本人として恥ずかしいなとは思うけどね。
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「『箸がきちんと持てない=育ちが悪い』っていう風潮ムカつく」 ネットで議論、「正しい持ち方に直せばいいだけ」という声も
2016年07月02日 10:40 キャリコネ
2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された和食。その和食に欠かせないものといえばやはり箸。美しい箸さばきには惚れ惚れするという人もいるのではないだろうか。
その反面、箸をうまく使えない人に冷たい視線が浴びせられることもある。6月28日、はてな匿名ダイアリーに「箸マウンティングってなんなの?」という投稿が寄せられた。投稿者は、「世間では『箸をきちんと使えない=育ちが悪い、家柄が悪い』みたいな風潮が定着してるのがムカつく」と語っている。
「そんなクソ記事書いてる暇があったら正しい持ち方の練習でもしましょう」
投稿者自身、箸の持ち方が上手くないという。友人から「箸の持ち方変だよー」と言われたときはマウンティングに感じたそうだ。
「正直、私はその友人より親の収入も家の大きさも持ってる車も家柄も全て上だ。なのになんでたかが箸の持ち方一つでマウンティングされないといけないのか意味がわからない」
と憤りを露わにし、「箸づかいが上手くない人へのヘイトスピーチ、やめてください」と訴えかけている。一見するともっともではあるが、この投稿には、「いやなら、正常な箸の持ち方に直せばいいだけだろ」と反論が相次いだ。
「おまえ、箸コンだろ? 箸の持ち方コンプレックスに罹ってるから、『箸の持ち方変だよー』の一言にマウンティングだなんだと過剰に反応してしまうんだ」
「食事のマナーが悪い人は本当に無理。そんなクソ記事書いてる暇があったら正しい持ち方の練習でもしましょう」
「いや箸くらいマトモに使えないと…。いくら家柄がよくてもやっぱりひいちゃう」
「お箸の持ち方が悪いと貧乏くさくて台無し」
また、「20歳の時、大嫌いな先輩に箸マウンティング」され、「悔しくて必死で持ち方直した」という人は、「ご飯がとても食べやすくなった」と振り返る。親からは「ずっと注意してたぞ悪いのはお前だ」と言われ、反省したそうだ。やはり、箸は正しい持ち方の方が良いと考える人が多数派のようだ。
大物芸能人でも失格、正しく箸を持てる人は全体の54.2%
実際、箸の持ち方には関心が集まるようだ。2015年3月に放送された「芸能人格付けチェック」(朝日放送)には、「常識のあるお箸の持ち方」というチェック項目があった。番組では、日本箸文化協会代表の小倉朋子さんが、
「上の箸を、親指、人差し指、中指の3点で支えます。このとき、中指は上の箸と下の箸の間に位置します。薬指は下の箸の下に爪の付け根あたりで支えて、小指を薬指の下に添えます」
と正しい箸の持ち方を説明。だが、この持ち方できちんと箸を使えていた芸能人は8人中4人。関根勤さんや市川猿之助さんはクリアできたが、梅宮辰夫さんや平泉成さん、哀川翔さん、和田アキ子さんら大物芸能人が失格となっていた。
また、バラエティ番組で食事シーンが入ると女性芸能人の箸の持ち方が注目されることもある。近年では2014年に「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)に出演したAKB48のメンバー島崎遥香さんや、今年5月の「しゃべくり007」(日本テレビ)に出演した女優の高畑充希さんの持ち方にネットが注目。「どんな躾されたらこんな酷い箸の持ち方ができるんだよ」「一緒に飯食いたくねーw」といった声があがっていた。
だが、内閣府が2010年1月に発表した「食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告書」によれば、正しい箸の持ち方をしている人は54.2%と約半数にとどまっている。この調査ではイラストの中から自分の箸の持ち方と同じものを選んでもらう形式だったのだが、上下の箸の間に中指を挟まない持ち方を選択した人は32.5%にのぼった。気づかないうちに自分も正しい箸の持ち方をしていない可能性もある。正しく持てることにこしたことはないが、過剰に目くじらを立てるものではないのではないか。
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