わたしは今、武内義範著『教行信証における教の概念』という論文で教行信証の論理的構造に迫ろうとするエッセイを書いている。
武内義範先生は京都大学の名誉教授で、わたしの恩師・西谷啓治先生が京都帝国大学文学部哲学科宗教学の教授であった時の助教授であり、西谷先生が京都帝国大学を追放されたときも、ひたすら西谷先生の復帰を信じ、自ら教授にならなかった先生である。
また１９４１年（昭和１６年）に弘文堂から刊行された『教行信証の哲学』はわが国最初の宗教哲学から親鸞の『教行信証』にアプローチした書籍の著作者でもある。
武内義範先生の実家が浄土真宗高田派の寺院であり、先生ご自身の真宗の僧侶であることに、先生が親鸞の『教行信証』に宗教哲学的アプローチをしたことにも影響があるであろう。そした先生の『教行信証の哲学』は先生の恩師・田辺元師にも影響を与え、田辺元氏の『懺悔道としての哲学』を書かしめたとさえ、言われている。
武内義範先生の『教行信証における教の概念』という論文は１９４３年（昭和１８年）から１９４４年（昭和１９年）にかけて京都帝国大学文学部哲学科の研究雑誌『哲学研究』に発表され、１９９９年１１月刊行された『武内義範著作集（全５巻）』（法蔵館）の「第一巻教行信証の哲学」に所収されている。
実は、わたしは学生時代、この武内義範先生の『教行信証における教の概念』という論文をコピーして読んだことがある。その時にも武内義範先生が恩師・田辺元師の影響を受けて、ヘーゲル哲学をベースに『教行信証』の構造に迫ろうとされていることが分かったが、それ以上のことは出来なかった。
１９９９年１１月に法蔵館から『武内義範著作集』が刊行されて、法蔵館は全５巻セットでしか販売していなかったので、冬のボーナスで全５巻セットで税抜５９，０００円で購入しことを覚えている。そして今は『武内義範著作集』は品切れ・絶版状態である。
最近、武内義範先生の『教行信証の哲学』を参考にして親鸞を論じてみようとする動きも少し、いやかすかに見えてきた。しかし武内義範先生の業績はもっと評価されていいように思えてならないのだが。それもわたしの�爐劼い�目�瓩覆里世蹐Δ�？
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