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2015年09月23日17:11

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博士の愛した数式について

 小説家、小川洋子の著した小説「博士の愛した数式」に出てくるのであるが、主人公の数学者が世界で最も美しい数式として愛した「exp(πi)+1=0」という数式について感想を述べる。
 これは美しいというよりも不可思議な恒等式である。記号については以下の通り。exp(πi)は自然対数の底eの(πi)乗。πは円周率、iは虚数である。
 超越数とは有理数を係数とするいかなる代数方程式の根ともなり得ない数のことである。例えば√2は無理数であるが、x^2-2=0の根だから超越数ではない。円周率πや自然対数の底eは超越数である。実数または複素数の中で、超越数でないもの(代数的数)は可算個しかなく、この意味で、実数、複素数の大部分は超越数である。
 ところで、exp(πi)=cosπ+isinπで、cosπ=-1,sinπ=0であるからexp(πi)=-1となり、exp(πi)+1=-1+1=0となる。
 以上のように、この短い数式には、数学の様々な概念が含まれる美しい数式といえる。





荒井公康
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