「医療用麻薬」の誤解
緩和ケアでは、痛みを取り除くことを第一に考えています。WHO(世界保健機関)は、「痛みに対応しない医師は倫理的に許されない」と述べています。痛みは、取り除くことができる症状であり、そのための医療を受ける権利は、誰にでもあるのです。
痛みのコントロールでは、しばしば「医療用麻薬」が使われます。医療用麻薬は、がんの痛みにとても有効な薬です。使う量に上限がないので、痛みが強くなれば、それにあわせて薬を増やすことができます。しかし、麻薬中毒のイメージから、医療用麻薬を敬遠され、痛みを我慢して過ごしている方も少なくありません。
医療用麻薬は、痛みがある状態で使用すると、中毒にならないことがわかっています。副作用に対しても、さまざまな薬や対処法が開発され、十分に対応できるようになっています。また、医療用麻薬の種類も増えたことから、一人ひとりの痛みに応じた薬を使用できるようになっています。
痛みについて医師や看護師と話し合い、痛みのコントロールを始めることが大切です。
がんの痛みの治療に使われる「医療用麻薬」とは
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://www.kanwacare.net/kanwacare/content04.html
2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」
マルクスが言った「宗教はアヘン」とは?
〈問い〉マルクスが言った「宗教はアヘン」とは、どんな意味で、なぜ今も話題になるのですか?
〈答え〉マルクスは、25歳の時の論文「ヘーゲル法哲学批判・序説」のなかで、「宗教上の不幸は、一つには現実の不幸の表現であり、一つには現実の不幸にたいする抗議である。宗教は、なやめるもののため息であり、心なき世界の心情であるとともに精神なき状態の精神である。それは民衆のアヘンである」と書いたことがあります。
この文脈からも明らかなように、アヘンを単純に毒薬という意味で使っているのではありません。アヘンは乱用すれば有害ですが、アヘンの成分から作られるモルヒネは、鎮痛剤として使われています。
アヘンという言葉には、宗教に対するマルクスの批判もこめられています。宗教は民衆にあきらめとなぐさめを説き、現実の不幸を改革するために立ち上がるのを妨げている、という意味です。ここには、当時のヨーロッパで宗教が果たしていた歴史的な事情が反映しています。キリスト教は、国王権力と支えあう関係になって、専制支配のもとで苦悩する民衆に忍従を説いていました。マルクスはそうした宗教の役割を批判したのです。
マルクスがアヘンという言葉を使った背景には、当時のヨーロッパでアヘンが話題となっていたという事情もあります。イギリスが植民地インドで製造したアヘンを中国(清)に密輸し、アヘン戦争が起こった時代でした。
反動勢力は、「宗教はアヘン」というマルクスの言葉をわい曲して、科学的社会主義を攻撃しました。それが今も影響しているといえます。しかし、マルクスが宗教を侮蔑(ぶべつ)していないことは、宗教によって不幸に抗議している、と述べていることからも明らかです。
科学的社会主義は、反宗教の立場ではなく、宗教が実際に果たした役割を分析し、宗教がになった民衆への奉仕の意義を重視して、世界観の違いをこえた宗教者との共同をはかってきました。
日本共産党は、日本の宗教には、一部に反社会的、反民主主義的動向がみられるものの、宗教界の多くの人びとが社会進歩に積極的役割を果たしていると考えています。日本共産党の綱領は「信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる」と明記し、この方針をつらぬいて、宗教者との対話と共同を発展させています。
(2010・7・15)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-16/20100715faq09_01_0.html
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