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2015年03月17日19:42

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3月歌舞伎公演「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)−髪結新三−」「三人形(みつにんぎょう)」

http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2014/31000.html

歌舞伎は世話物より時代物の方が華やかで好きなのですが、今回のお芝居は正味2時間15分とちょうどよい長さだったし、後味がよい内容。気持ちよく楽しみました。

善人の話は嘘っぽく感じる時もあるし、悪人の話は気分が悪い。でも、憎めない小悪人「髪結新三」(中村橋之助)は、いなせで、きっぷもよく、応援したくなるような役割です。駆け落ちを手助けする、とみせかけての「かどわかし」で一儲けを企む。この新三と相手役との丁々発止のやりとり、きっぱりとした台詞回しが、この芝居の魅力だろう。橋之助、悪党というより粋でカッコイイ指でOK!声もよく通った。手代を打ち据えての「傘づくし」の啖呵がいいし、侠客弥太五郎源七(中村錦之助)をやり込める様、源七の親分風をものともしない心意気は、なかなか気持ちがよいもの。男が惚れる。

新三と家主との、ややコミカルなやり取りも、芝居に、ほっとした笑い・間を与えてくれる。家主を演じた市川團蔵、硬軟を駆使した口調で印象に残ったし、他の役者も堅実。七五調の黙阿弥のせりふが実に耳に心地よい。いいお芝居を観ましたわーい(嬉しい顔)

舞踊「三人形」は、桜満開の吉原を表した舞台と豪華な衣装が、見た目も美しいハート。若衆・傾城・奴、が其々に相応しい踊りを見せてくれました。クドきの艶・奴の躍動が楽しかったな。

3月17日 国立劇場 三等席にて。

(掲載写真) 向かって左、中村橋之助(髪結新三)。向かって右、中村錦之助(若衆)

ご参考・・「傘づくし」の啖呵

新三
これよく聞けよ。普段は帳場を廻りの髪結い、いわば得意のことだから、汝(うぬ)がような間抜け野郎にも、やれ忠七さんだとか、番頭さんとか、上手(じょうず)を使って出入りをするも、一銭職と昔から、下った稼業の世渡りに、ニコニコ笑った大黒の、口をつぼめた唐傘(からかさ)も、並んでさして来たからは、相合傘(あいあいがさ)の五分と五分。ろくろのような首をして、お熊が待っていようと思い、雨のゆかりにしっぽりと、濡るる心で帰るのを、そっちが娘にふりつけられ、はじきにされた口惜しんぼに、柄(え)のねぇ所へ柄をすげて、油紙へ火のつくように、べらべら御託(ごたく)をぬかしゃぁがりゃぁ、こっちも男の意地づくに、破れかぶれとなるまでも、覚えがねぇと白張りの、しらをきったる番傘で、汝(うぬ)がかぼそいその体へ、べったり印(しるし)をつけてやらぁ。

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