mixiユーザー(id:3701419)

2014年07月08日22:37

44 view

『ザ・マスター』

映画『ザ・マスター』を観た。

(2012年 米 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックス フィリップ・シーモア・ホフマン エイミー・アダムス ローラ・ダーン ケビン・J・オコナー アンバー・チルダース ジェシー・プレモンス ラミ・マレック)

これは、旦那のチョイス。なんでも評価の高い作品なんだとか。

【第2次世界大戦後のアメリカ。アルコール依存の元海軍兵士のフレディ(ホアキン・フェニックス)は、「ザ・コーズ」という宗教団体の教祖ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に出会う。やがてフレディはドッドを信頼し、ドッドもフレディに一目置くように。そんな中、ドッドの妻・ペギー(エイミー・アダムス)は暴力的なフレディを追放するよう夫に進言し…。(シネマトゥデイより)】

う…、む、難しい…あせあせ 今回、ネタバレ気味かも。ご容赦を…。

なるほど、これは凄い。何が凄いかというと、まずフィリップ・シーモア・ホフマンとホアキン・フェニックスの演技。そして、PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)監督のけして観客に媚びない姿勢がいい。誰の共感も求めてないよ、みたいな…(笑)

タイトル・ロールを演じたのはフィリップ・シーモア・ホフマン。彼は「デ・ニーロ・アプローチ」をしない。どんな役でも、あのずんぐりむっくりの体型を変えないのだ。それなのに、どの役を演じても、自然にその人物になりかわってしまう。今回は、教祖として自信に満ちているように見えて、実はナイーブな一面を持つ繊細な役だった。

対して、悩める青年・フレディ役のホアキン・フェニックス。ホフマンとは対照的に、痩せて撮影に入ったそうだ。このフレディがまた難しい人物で、アルコール依存に加えて、戦争後遺症を持ち、性に対する依存も強い。そして、彼は語る言葉を考える前に、暴力で解決してしまおうとする。これまた、ホアキン・フェニックスにピッタリの役なのよねぇ。

フォト


密航者だったフレディ。自分の船に密航した彼を、ドッドは追い出すこともせずにそのまま帯同させる。そして、二人の絆は深まっていく…。

そう、まるで二人の魂は、かつて一つだったかのように。一つの魂が二つに分裂してできた人格がドッドとフレディであってもおかしくないような…。周囲の人々からは嫌われていたフレディだったが、ただ一人共鳴した人物がドッドだった。

フレディを追放したいとたくらむドッドの妻・ペギー。彼女がいくら忠告しても、フレディの酒癖も暴力的なところも直らない。でも面白いことに、彼女が夫であるドッドを支配することは可能なのだ。

大戦後ということで、戦争帰りの兵士や、戦争で家族を亡くした遺族が新興宗教に救いを求めることは分かる気がする。でも、フレディが求めたものは、実は宗教ではなかったのね…。

とても印象深いシーンがある。広大な土地をバイクで疾走するシーン。目標を定め、そこへできるだけ早く行って、元の場所へ戻ってくるというミッション。なんてことないシーンなのに、ドキドキした。共鳴し合った二つの魂が、それぞれの、次のステージへ向かっていく…。

フォト


ひとついえることは、フレディがドッドによって救われたように、ドッドもまたフレディから大きな影響を受けていた。師匠と弟子という立場だが、実質二人は対等だったように見える。ただ、ドッドはそれを認めたくなかったようだが…。

どの人物にも感情移入できない。PTA監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観た時もこんな感じだった。なんとなく、言いたいことが分かるような、分からないような、言葉が出てこない。

とにかく、フレディの魂は翼が生えたように自由だったということ。影響は受けても、誰にも支配されずに彼は羽ばたいていけるのだろう。これは万人にいえることよね、きっと。

たぶん凄い作品なんだろうけど、好きになれない。なんだか文章が支離滅裂だわあせあせ(飛び散る汗)
よく分からない難しい作品、かな。



『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1133166237&owner_id=3701419

3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する