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2011年12月12日13:09

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第34回兵庫八天の会

 土曜日はマイミクのふーさんの呼びかけで八天さんの「がしんじょ長屋」を目当てに8人でJR兵庫駅近くの柳原蛭子神社へ行ってきました。会場は社務所の2Fでしょうか、150人くらいのキャパで、若い人からお年寄りまで、近所の人が集まっているという印象でした。

 八天さんの1席目はで、2席目は「がしんじょ長屋」。2つともアバンギャルドな噺でした。
 まず「竜宮界龍都」を要約すると次にような噺でした。小倉から船に乗った男が30両を海の中に落とし、フラスコに入って取りに行ったがガラスが邪魔をして拾い上げることができない。困って歌舞伎の見得を切ったところガラスが割れ、海中を彷徨っているうちに竜宮城へたどり着き、浦島太郎と間違えられて奥に通される。もてなされた後に本物の浦島太郎が現れたので逃げ出し、竜宮城の裏でサンゴを盗もうとして(未遂)釣り針を掴んで海上に出たら、タコの親子に吊り上げられていた。
 書いていてもなんやわからん噺なんですが、袴を着た八天さんが大きな所作で熱演されていて、あまり筋を気にせず爆笑していました。前半の謎掛け博打の場面や、火喰い鳥の話、竜宮城辺り鳴り物たっぷりの芝居なんかも、筋と全く関係ないのに面白く、物語に頼らない八天さんの話芸の力強さを感じました。
 「がしんじょ長屋」は、長屋のお咲さんががしんじょという奇病にかかり、藪医者と共に長屋と、どろどろねばねばと一体化してしまう。それを観に来た甚兵衛はん、だんなの喜助、隣りの清八と次々と長屋と一体化していき、拡大したがしんじょ長屋がどんどん東海道をさかのぼって江戸城の近くまで…という、やはり文章化しても何が面白いのかさっぱりな噺なんですが、でんでろでろでろと長屋と一体化するたびに少しずつ着物を脱いでは袖から顔を出して不気味な生き物を演じる八天さんに爆笑でした。一体化した人々が「これはこれで、それなりに、ええなぁ」という場面の袖からのぞくほっこりした八天さんの表情が最高!最後は襦袢姿になってしまう落語、あまり無いと思います。
 林家蘭丸さんが幕末に作ったとされる「竜宮界龍都」と牧野修さんが0年代に作った「がしんじょ長屋」、1世紀以上の開きですね。どちらも落語でしか表現できない2席を堪能しました。

 恭瓶さんの「馬の田楽」は、しっかりかっちりと。子供のキャラ別け、大人のキャラ別けとも上手く、噺の世界に吸い込まれました。「竜宮界龍都」の馬の謎掛けを入れるというクスグリも、寄席ならではの面白さ。また観たい噺家さんです。八天さんと同期で、来年の5月に二人会を繁昌亭でやられるとのことで、予定を空けておこうと思います。

 小鯛さんは探り探りのマクラから「強情灸」を。1月に観た鯛蔵さんのものと比べると、だいぶ大人しめな印象でした。

 仲入り無しで4席終わったあとは、お楽しみ抽選会。福箸が当たり、袋の中には福箸6膳+暦+御神酒券、ついでに八天さんのサイン入りポストカード+お茶のペットボトル250ccも頂き、ラッキーでした。

 最後には、再来年に2代目月亭文都を襲名することを発表され、大拍手で閉会。初代は幕末〜明治に活躍されたそうで、名跡復活もあって「竜宮界龍都」を演られたのでしょうか。

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平成23年12月10日
『第34回兵庫八天の会〜やなぎはらYEBISU亭〜』@柳原蛭子神社

1.桂小鯛「強情灸」
2.月亭八天「竜宮界龍都」
3.笑福亭恭瓶「馬の田楽」
4.月亭八天「がしんじょ長屋」
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