mixiユーザー(id:429476)

2006年09月09日17:00

848 view

さよなら ナム・ジュン・パイク展

ワタリウム美術館で開催中の『さよなら ナム・ジュン・パイク展』に行きました。

今回は、珍しく友人と一緒です。チケットが2枚あったので、耽美仲間を誘ったのサ。
因みに、チケットは、別の耽美仲間からの貰い物(笑)。

ワタリウム美術館。初めて行ったのですが、ココは良いですねぇ〜。1階が“ON SUNDAYS”というミュージアムショップなのですが、ポストカードの量が半端じゃないんですよ。物凄く沢山種類がある。しかも、1909年製作・・とか、古いポストカードも売ってるんですよ!

しかも、ポストカードの分類が面白い。作家や音楽関係者・・なんていう分類があり、作家のところには、ウィリアム・バロウズが写ってるポストカードなんてのもある。

音楽関係には、モンキーズやら、クラプトンやら、そんな写真もありました。

写真家別にもなってて、写真家の名前でポストカードが探せるようにもなってました。
私、ベルナール・フォーコンが好きなので、彼のが欲しかったのですが、何故かその時、名前が出てこなくて探せなかったのです・・・(T_T)。あれだけ好きな写真家、何故、忘れた!!私の馬鹿!!マヌケ!!!(自分に大激怒)

ワタリウムは、コンテンポラリーアートやコンセプチュアルアート(と言うのかな)を中心に展示している美術館らしいです。

さて、ナム・ジュン・パイクさん。
私は現代美術には疎く、彼のコトは『映像(ビデオアートと言うのね)を使った現代美術の先駆者』で、『TVから植物が生えたオブジェを作った人』・・・程度の知識しかなく(^_^;)、コレで行って良いものか・・・と思ったのですが、行って良かったです。
現代美術も楽しいね♪

ナム・ジュン・パイクさんは、韓国のソウル生まれ。とても裕福なお家に生まれたそうです。子供の頃、ピアノを習って、現代音楽(20世紀音楽)に目覚めたのだそうだ。
その後、日本に留学。東京大学に入ります。
ビデオ映像で、ナム・ジュン・パイクさんが作った作品以外に、パイクさんが出た、『ニュース23』や、坂本龍一氏と対談してる映像などもあったのですが、日本語ペラペラなんだ。留学してたから、日本語お上手なんでしょうか。

作品。まず、お気に入りは『TVキャンドル』。空洞のTVの中に、ろうそくが1本あり、灯っている。
私が見た時は、ろうそくが小さかったのですが、それが逆に儚げな感じがして良かったですよ。
もっと長かったら、別の感想になったでしょうね。見る時間によって、感想が違うというのも、現代アートの特徴の一つかも知れない。
パイクさんは『時間をコラージュする』というコンセプトで作品を作っていたそうなのですが、ビデオアートではない、このろうそくも、時間のコラージュを感じました(時間によって、ろうそくは変化するからね)。

そして、今回の目玉展示であろう『ケージの森/森の啓示』は、圧巻でした。
1992年に亡くなった、ケージさんへのオマージュ作品だそうなのですが、木に沢山のTVモニターがなっている(吊るしてある)のです。TV画面には、色々な映像。沖縄民謡が聴こえてきたりもします。
木もかなり高いんですよ。天井が吹き抜けになっているのですが、その吹き抜けを上手く利用した作品です。
見上げると、沢山の映像が眼に入り、一種、妙な酩酊感を感じました。

吹き抜けなので、2階からも覗いて見られるのですが、上から見ても、違った印象で楽しいですよ。

『フレンチ・クロック』私はこの作品が1番好みかも知れません。
大きなクラシック時計。振り子がゆっくりゆれています。カチカチ時を刻む音。
時計の左右と、時計の下に、モニターがあり、振り子が写っています。
左の画面には、振り子が左に90°傾いた状態の映像が流れ、右の画面には、右に90°傾いた振り子の映像が流れ、下には、180°・・・つまり逆さまに映った振り子の映像が流れています。
どれも同じ振り子のはずなのに、妙〜な気分になります。何となく、『不思議の国のアリス』になって、変な国に迷い込んじゃったような・・・そんな気分。

『映像は撮影と同時に、そして連続的に映し出される訳だが、厳密に言えば、伝達のプロセスには時間の経過が存在する』コレが、この作品のパイクさんのコンセプトだそうです。
時間の経過・・・。それで、時計という象徴なのかなぁ。

『ユーラシアン・ウェイ』という作品も面白かったです。説明には『ユーラシア大陸の北の道の形に配した無数の日用雑貨と3種類の映像によって構成されたインスタレーション』と書いてありました。
見てない人には、何のこっちゃか分かりませんよね(^_^;)。

大陸を思わせるよな形のオブジェ(大人一人が寝てるくらいの大きさ。赤い布が掛かっている)の上に雑多に色々な日用品が置かれて(というか、バラ撒かれて)いるんです。
絵葉書、玩具、缶、マトリョーシカのような民芸品。天井からは、ユーラシアの民の民族衣装や、帽子などが吊るしてあります。
まわりには、沢山(14個って書いてあったかな)のTVモニター。映っているのは、パイクさんが催したボイスさんの追悼式の様子や、パイクさんがイルクーツク→モスクワ旅行した時の映像。ドキュメンタリー映画の一部。

“ヨーロッパとアジア。一つの大陸”そんな思いが込められているそうですよ。

友人は、この作品を見て「人が寝てそう。」と言っていた。ガバッと起きて、吊るしてある民族衣装とか着るのかな?(笑)

『ニュー・キャンドル』という作品も面白かったです。
1本のろうそくを撮影した映像を、三原色に分かれたプロジェクターで、壁に映してあるんです。
プロジェクターの手前では、実際にろうそくが1本灯っています。
赤・緑・青(色の三原色ね)が重なった部分は、ちゃんと白くなり、ろうそくの映像が映るのですが、ズレてる部分は、赤や緑、青などのシルエットになるのです。
凄く、綺麗〜な作品。

でもね・・・。私が見た時、もう既に、ろうそくが消えかけていた(^_^;)。そして、もう1度見た時、ろうそくは消えていた・・・(^_^;)。
後々、係りの人に「ろうそく消えてました」と言いに行きました。係りの人〜。大変だと思うけど、チェックはちゃんとしてねぇ〜。多分、この作品、ろうそくが重要な要素だと思うから〜。

ビデオ映像作品なども見られます。時間が78分やら、75分やら、長いのもあるから、全部見るのは大変だと思うケド・・・(^_^;)。TV4台しかないし・・・(全部、違う作品(と、インタビュー映像)が流れてる)。

コラージュや絵の作品もありました。
お気に入りは、『無限のハート幻』と『無限のハート』(連作なのかな?)。
黒字に白で、『?+?=??』のような公式が書いてあるのです。ルートに?が入ってたりもしていた。面白い。

あと、『心が飛ぶ』も面白かったな。
裏と表にバラけて、“心”という字が書いてあるの。天井に吊るしてあった。“心が飛ぶ”だから?(笑)

あ、そうだ。冒頭の“植物TV”もありました。TV画面から植物が出てる(生えてる?)作品なのですが、隅の方にうっちゃられているようにあったのが、プチショック(^_^;)。コレってわざと、この位置にあるのかな?(もう一つは、天井近くに飾ってあったケド)

ワタリウムは前述通り、1階がミュージアムショップなのですが、地下があり、本屋さんなのですよ。
輸入物の、写真集などが沢山ありました。建築の本も豊富。私、ここなら丸一日潰せます。
天井まで、本がビッチリ!!
天井付近の本は、梯子を使って取るらしいのだが・・・。結構高さがあるぞ(^_^;)。
カフェもあるのですが、本屋の中二階みたいなところがカフェで、本屋を眺めながらお茶が出来る・・・という。面白い作りですね。

本屋とカフェにも、パイクさんのコラージュ作品などが展示されているので、見てみると良いと思います。

因みに、カフェは、何故か“カウベル”を鳴らしてウエイターさんを呼ぶ仕組み。友人と「カウベルでは呼びにくい・・・」と話しました(^_^;)。普通の、ベルにしてくれんじゃろうか・・・・・・。

友人とお茶しながら、美術の話ではなく「何で結婚出来ないんだろうね?」という話に終始したのも、ここに付け加えておきます・・・。
0 11

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する