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2024年04月28日08:17

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unext 映画監督 巨匠の晩年 推薦

年齢を重ねると、技術が成熟するというイメージがあります。
後先のことを考えずに夢を追って、破綻する…ということが少なくなるイメージです。

ところが、実際はそうでもありません。
50歳で上場企業を辞めて、パン屋のフランチャイズに加盟して、あっという間に数千万円損をして店をたたむ
頂き女子ではないですが、顔をチラリと見ただけで、インチキ女、安物のお水やフーだとわかるような低級な女に貢ぐ
などという話が世間にあふれています。
分別が付くわけではありません。

では、感受性はどうか…鈍るなどともいえません。
今まで温めていたが表現できなかったセンシティブなものが表出するということがあると思います。

unextで、往年の映画を見ています。

黒澤明『乱』

仲代達矢が演じる戦国大名が、発狂し、そのあまりのすさまじさに敵が囲みを解く…
などということは、現実にはあり得ません。
構成の破綻、シナリオのまずさ…ということですが、どうしてこんなありえない破綻があるのでしょうか。不思議ですね。
油井さんのセリフ「人間どもが…」もおかしいです。現代のセリフです。たとえて言えば、「城には大量の小判がある」と言わなければならないところを、「資本が蓄積されている」というようなものです。

だが、ピーターさん(池畑慎之介さん)の存在感や衣装、夕焼けの空の描写、西日が屈折して入ってくる城の様子は素晴らしい。
特にピーターさんは、原作? のシェークスピアの『リア王』より良かったです。
それも、演技がうまいのもそうですが、衣装と振付です。

道化がどのようなものか、はじめて腑に落ちました。領主の男色の相手をしたかもしれないですし、話し相手として気が利いたことを言ったでしょう。歌舞音曲も担当したでしょう。しかし、その全部でありながら、いずれでもない。
私のように男色趣味が全くない者でも召し抱えたくなります。

『影武者』も同じです。
話が長くなりそうなので、次回に。

また、黒澤明以外の映画監督、
たとえば、タルコフスキーなども同様に、
センシティブでありながら、破綻がある。

してみると、「老い」ということに対して一般に言われていることは、不正確ですし、正しいとしても一面の真理に過ぎないかもしれません。

ゴールデンうウィークは、そんなことを考えて過ごしたいです。

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