mixiユーザー(id:91293)

2023年12月24日00:20

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Two Kids A Day

年末にえらい映画を見てしまった。
パレスチナ人とイスラエル人が作った「Two Kids A Day」。
NHK Eテレで放送された「日本賞」受賞作品。
この映画は2022年の作品。ガザ地区ではなく、ヨルダン川西岸地域のドキュメンタリだ。

パレスチナでは少なくとも2007年ごろにはガザ地区は封鎖され、ヨルダン川西岸地域はイスラエルの「植民地」として蚕食され、パレスチナ人は家を追い出され、農地も取り上げられ、子供たちが登下校する途中でもイスラエル兵(もちろんがっちり武装している)にいじめられてきた。

なるほど中東を知っている「専門家」が10月7日の攻撃を見ても驚かなかったわけだ。
イスラエル軍・ネタニヤフ政権に散々な圧政をかけられ、家や土地を奪われ、人の行き来はもちろん、物資も制限されていたんだから、1945年の大日本帝国よりはるかに劣悪な状況におかれていた、と言える。
ちなみにガザ地区に持ち込みを禁じられていた物品は
スパイス(セージ・カルダモン・クミン・コリアンダー・ジンジャー・ナツメグ)・香料、ジャム・プリザーブ・ドライフルーツ、菓子(甘いもの・チョコレート・ビスケット・ポテトチップス)、ブドウ糖・工業用塩類・工業用マーガリン、ナッツ、炭酸(ソフトドリンク)・新鮮な食肉、しっくい・タール・建設用木材・セメント・鉄、プラスチック・ガラス・金属容器、防水シート、生地、釣り竿
など。ハマースに使われたら困る、ということらしいが・・・
現代の日本から見ると「耐え難い圧政」を押し付けられていたわけだ。
いつ暴発しても不思議はない。

ハマースはアラビア語のWikipediaを(自動翻訳で読んだ)見るとわかるんだが「イスラーム・抵抗・運動」の頭文字をとった名前で、パレスチナ自治政府を構成している政党のひとつ。もちろん、パレスチナのひとびとの選挙で選ばれているし、女性も活動に参加していて「イスラームは男尊女卑だ」などということもない。
「ガザの保健当局」という言葉をニュースでよく耳にするが、保健当局を運営している人々の多くはハマース支持者だ。
つまり「ガザ地区でハマースを根絶やしにする」には住民ほとんど全員を虐殺しなければならない。

さて、映画だが・・・
イスラエルの戦車・装甲車などに投石をするパレスチナの若者と、催涙弾を打ちまくるイスラエル兵。
イスラエル兵は平気で少年たちに銃を向けるし、つかまえれば手を縛って目隠しをして、犯行すれば殴る蹴る。
取り調べ・裁判は行われるが、14才までなら数か月の禁固で済むが、満14歳になったら数年の刑が普通。
パレスチナ人の家に武装した兵が押し入って少年(時には少女も)引きずり出していく。
イスラエル兵・イスラエルの取調官(検察)へのインタビューも入っているが・・・
「法に従って行動しただけだ」「投石でしか起訴していない」って・・・
人間ってこんなに冷酷非道になれるのか・・・

最後に釈放された少年へのインタビューも入っているが、自分に対する尋問の映像を見て笑ってしまっていたのが衝撃的・・・とても重い。
イスラエル軍が拡声器でがなりたてていた「警告」も信じがたい内容(私には字幕が正しいかどうかわからん)だった。

この映画が10分の1でも事実なら、イスラエルという国・イスラエル人を信用する気にはならない。

見たい人を止めはしないが、見ないほうが幸せでいられる映画だよ。

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