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2023年12月23日19:40

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北斎の川柳・・・

 昨日、「文晁と北斎」を見て来た事を書きました。
 北斎は画業とは別に川柳を詠むのが趣味でした。
 宿六心配さんがお書きになった
 「謎解き 北斎川柳」と言う本で、僕は初めて知りました。
 作者の宿六さんは、本名西山新平さんで、
 長野県の渋温泉で旅館を経営されていましたが、
 2004年(平成16年)12月に、お亡くなりになったようです。
 宿六さんのご尽力なのでしょう、
 渋温泉では、北斎の川柳が句碑になっているそうです。
 
 柄井川柳が編集を始めた「誹諷柳多留」は75年も続きますが、
 柄井川柳が編集を止めて後、北斎は卍と言う号で寄稿していました。
 しかも、第85編では、序文を書いているとの事です。
 そして、北斎は浮世絵でも20回以上号を変えていますが、
 川柳でも幾つかの号を使っていたようです。
 北斎の投稿した川柳で、「誹諷柳多留」に掲載された数は
 220句余りになるとの事です。

 少し僕が好きな川柳を書いてみます。
 「田毎田毎 月に蓋する薄氷」
 信濃の姥捨山のふもと、小さな水田の一つ一つに月が宿る名所です。
 そんな月を閉じ込めるように、田には薄い氷が張っていると詠んでいます。
 川柳ですから、本当かどうかは分かりません。

 「芋は今 喉元あたり ろくろ首」
 これは、吉原の名妓、高尾大夫の
 「君は今 駒形あたり ほととぎす」のパロディだと思います。

 「焼いて見つ 煮て見つ鯛の 古さ哉」
 これは、加賀千代女の俳句として有名な
 「起きて見つ寝て見つ蚊屋の広さ哉」のパロディでしょう。

 「藪医者に富貴さづける風の神」
  風の神は風神の事ではなくて風邪の神なのでしょう。

 「其の腰で 夜も竿さす 筏乗り」
 「いゝのいゝのを 尻で書く 大年増」
 「前だれの内ぞゆかしき茶や娘」
 「まじまじと馬の見ている麦畑」
 以上は破礼(バレ)句なので、意味は省略します。

 川柳が好きと言うのは、北斎が諧謔趣味を持っていたからなのだと思います。
 北斎の絵にも、そんな傾向が見られるものがあるような気がしています。


【今日の一句】
 試したい まだ使えるか もうダメか


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