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2022年12月30日00:19

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夜のストレンジャー(後)

(前半からの続き)




◇壮絶! 中年VS腹肉!!


《一年越しの前回までのあらすじ》
剣術の稽古をサボりすぎて腹肉が肥大。迫りくる危機感に、ついに腹肉の絶滅を決意した河童さんだったが……?


今年の年明けすぐくらいから、食事量を三分の二まで減らし、木刀の素振りを毎日五百本(昔の半分)やることにして、二週間ほどで腹肉を少し減らしたら、免疫力が落ちたらしく即座に風邪を引いた。
こらアカンと食事量を元に戻し稽古も素振り千本を週一回にしたら、当然腹肉もすぐ元に戻った。
……だってしんどいんだもの!!
食事制限も稽古も辛いが何より風邪を引くと辛い。子供の頃と違って、大人になると風邪を引いてもただ寝ていることは許されないんだよ!! ……多少は腹肉がついたままでも風邪を引かない方が大事だわ。というわけで腹肉を蓄えたまま夏を越した。
秋になり、これやべぇな、とまた思い始めた。
最低限の稽古はしているから筋肉は一応あるのだが、脂肪の層で皮膚が弛むので“七十歳過ぎた現役プロレスラー”みたいにだるんとして見える上に、やはり腹筋の上の腹肉がモチモチ感を自ら主張して止まない。触ると鶏皮みたいな柔らかさ。私の頭の中で想像上のパツキンアメリカンギャルが『FREAKY!!!!!!(キモい)』と悲鳴を上げる。わかってるよ……。
冬になり、とうとう耐えられなくなる。
――こんな腹肉とはもう別れてやる!
――……風邪引きやすくなるよ?
――知ってるでももう見るのも嫌なの!!
そんなわけで、イメージとしてはBGMに『紅○の弓矢』が流れてる感じで減量を開始。
駆逐してやる!! イェーガー!!(※特に意味のない叫び)
小さい茶碗を買ってくる、という古典的な手法で白ご飯の量を半分にし、確実に炭水化物を減らす。ただし低血糖症状を起こしやすい体質なので飴やチョコ、和菓子などの間食や甘い飲み物は少量なら可(菓子パンや焼き菓子はダメ絶対)、肉類は筋肉の素なのでいくらでも食らってよい(そもそも焼肉ステーキ唐揚げ豚カツの類は近年ほとんど食わぬ)ルールを設け、摂取カロリーを今までの半分程度に。その上で稽古を増やし、素振り千本を週二回、残り五日も毎日五百本とした。
すると……いやあ痩せるね。開始から二週間は成果を感じられなかったのに努力を続けた私を誰か褒めてくれないだろうか。三週間ちょいで腹筋うっすら割れたよ……。
それでも腰まわりや二の腕や太ももに少し肉が残っている。まだ足らんてか。
これ以上は無理が出て続かないと思うからもう頑張りたくない。




◇死闘!! 中年VS低血糖症状!!


ここではっきり言ってしまおう。減量などしないほうがいい、と!
健康な人間の減量には、自己満足以外のメリットはない。
それに対してデメリットが多すぎる。現在も減量を継続中の私には、次のような症状が現れている。
・冷え症
・手足の震え
・ふらつき
・めまい
・頭重
・ひどい肌荒れ
・集中力の低下
・視野狭窄
・疲労感の増加
勘のいい方はお気付きだろう、これは典型的な貧血および低血糖の症状である。減量を止めればすぐに改善されるはずだ。
人間の身体とはなんとも素直なもので、痩せて以来、仕事中に飴を口にする回数が増えたし、家でも気がつけば角砂糖を三つ入れたミルクティーを飲んでいる。半ば無意識にエネルギーを摂取しようとしているのだ。
要するに腹肉のない状態とは身体に余裕のない状態、言い換えれば飢餓状態なのである。TVやネット広告で見かけるスリムボディや割れた腹筋に憧れる人もいるだろう、だがアレは“餓鬼の標本”だと思った方がいい。餓鬼みたいな生活をし続けないとあの身体にはならないし、維持できない。
それでも自分を嫌いになるよりマシだ!! という人だけ餓鬼道を歩めばよいと思う。
健康に不安のある人は危険だから自己流のダイエットはしちゃだめだぞ。河童さんとの約束だ!!
……河童さんは河童なので大丈夫だ。この程度で死ねないのは経験済みだよ。ああ、死んだら笑ってくれ。
今後は様子を見ながら腹肉が調子に乗らない程度のところまで摂取カロリーを増やす予定である。
あと河童さん、最近は
『なんか一日が早く終わるな……?』
と思うようになった。仕事が終わって買い物して帰ってきて洗濯機回して料理作って食べて真面目に剣術の稽古すると、もう寝なければいけない時間である。
“酒を飲まないと一日が終わらないし明日が来ない”
という人は身体を鍛えるか、創作活動をするといいんじゃないかと思う。酒がなくても気絶するように寝られるし時間がいくらあっても足りなくなる。
……好きで酒を飲んでる人はこういうアドバイスしても絶対に聞きゃあしないんだけどね。河童さん知ってる。




◇今年読んだ本の話。


ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』が実はゴシックBL小説だった、という事実だけ指摘しておく。
伯爵の正体は、ヤンデレ監禁サイコ独占ドS俺様マッチョ貴族スパダリ野獣オジでした。
属性盛りすぎだよ伯爵!
嘘だと思われた方はご自分で『吸血鬼ドラキュラ』を読んでみてください。
いいよ伯爵、愛情表現がかわいいよ!
だがジョナサンは逃げろ。




◇今年聴いた音楽の話。


例年通り、ジャズとアニメ・ゲーム関係ばかり。買う枚数は減った。あとモンゴリアンメタルのThe Huとか。かっけえ。が好みでいうと昔聞いたモンゴリアンロックのHanggaiの方かな……。
今年一番私の脳のシワにハマったのは安野希世乃“世紀の祝祭”(アルバム『A PIECE OF CAKE』収録)。現在も脳内でエンドレス再生されている。ラテン調のノリのいい曲に、ダダイズムの自動書記と象徴詩が悪魔合体したような支離滅裂な歌詞を載せたシロモノ。歌詞は一生に一度の恋愛を百年に一度のカーニバルに例えた内容と解釈できなくもない。
この曲で私が思い出すのは太陽の塔である。近距離から見上げたときの、青空を背景にそびえ立つ太陽の塔の威容が目に浮かぶ。大阪万博当時、太陽の塔はお祭り広場のシンボルでもあったのである。
今一番やりたいことは、万博記念公園でこの曲を聴くこと。コロナが収束しさえすれば即座に実現可能なのだが……。




◇来年の目標。


旅に出る! ……これに尽きる。
達成できるかどうかは私自身がどうこうと言うよりコロナ次第である。現在もまだまだ私の勘が警戒警報を鳴らしているところだ。
ああ、早く掛川花鳥園とか沼津港深海水族館とか多摩動物公園とか行きたい。沼津でしか売ってないシーラカンスの巨大ぬいぐるみを小脇に抱えたまま多摩でカピバラとペリカンがわちゃわちゃしているところが見たい。
現状とにかくカピバリウムが不足していて死にそうである。症状は手足の震え、ふらつき、めまい……あ、これは低血糖か。食事の調整と身体の慣れでそのうち改善するはずだが、どのみちカピバリウムもしくはそれに代替する心の栄養を摂らなければいずれ死ぬるのでコロナには早く収束していただきたい。
前半で書いたとおり、河童がキュウリだけで体を維持することは不可能である。つまり河童にとってキュウリは嗜好品であると思われる。英国人にとっての紅茶みたいなものだろう。無くても身体は死にはしないが、心は死ぬ。
心の栄養ってすごく大事だよ。
私は今年は心のキュウリをあまり摂れなかったので、来年はたくさん摂って出来るだけやさしい河童でありたい。


というわけで皆様よいお年をお迎え下さい。
来年は風と水のおだやかな年でありますように。

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