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2023年04月25日07:20

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小噺0408 恩赦

収監されている犯罪者がタナボタ的に減刑してもらえる恩赦、卑近な例では現在の天皇陛下(今上天皇・徳仁様)ご即位の時にありましたね。令和元年10月22日のことでしたが、この時になんと55万人もの犯罪者が恩赦にあやかりました。

このような「めでたいからアンタの刑を軽したるわ」は、昭和22年3月28日に制定された恩赦法で定められた【特別基準恩赦】です(特別な機会に行われます)。
これ以外に【常時恩赦】があります。「コイツ改心してるなぁ」と判断された模範囚が受けます(常時行われています)。意外と対象者は多く200人以上の年もあります。

一口に恩赦と言っても、次の5種類に分類されます。
・大赦:判決前の場合は控訴されず、判決後の場合は罪が免除されます
・特赦:有罪が取り消されて受刑者は釈放されます
・減刑:言葉通り刑を減ずることです
・刑の執行免除:言葉通り刑は執行されません
・復権:刑罰に伴う制限を撤廃することです

このうち、大赦や特赦・減刑は稀にしか行われません(令和天皇即位時にもありませんでした)。
また対象者は、普通は政治犯や比較的軽微な罪(交通違反など)を犯した人に限定されており、殺人や強盗などの凶悪犯に恩赦が与えられることは滅多にありません。あったとしても釈放されることはまずありません(戦後20人ほどいる殺人犯の恩赦は死刑から無期懲役への減刑で、釈放されたことはありません)。国民感情を多分に配慮していると言えるでしょう。

この恩赦、我が国に限ったことではなくて、アメリカやブラジル、タイなど多くの国で施行されています。韓国でも。2022年12月27日、81歳の李明博(イ・ミョンバク)元大統領に恩赦が与えられたことは記憶に新しいですね。悪化していた健康状態に鑑みた配慮とのことです。

これらの国(日本も含みます)では、恩赦の是非に関して侃侃諤諤(かんかんがくがく。自分の意見を堂々と主張すること)の議論がありますし、Transparency International(トランスパレンシー・インターナショナル。各国の腐敗撤廃と汚職防止に取り組む社会運動団体)は「汚職事件に恩赦を悪用する例が見られる」と指摘しています。汚職で収監されている人は凶悪犯ではないので恩赦の恩恵を受けやすい(収賄側の権力者が留置されている贈賄犯を減刑/釈放する等)という意味かと思います。

なお、侃侃諤諤と喧喧囂囂(けんけんごうごう。各自が勝手に喋ってやかましいこと)とが合わさってしまった「けんけんがくがく」という表現は誤用です。
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