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2023年01月20日17:29

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娯楽作品は、やはり評価されないのか

 ところで、みなもと太郎が存命中に、ラジオ番組に出演したことがあり、ここでみなもと太郎は、
「手塚治虫だけでは、今のまんが界はなかった。これまで大人向けのまんがは、数ページしかなかったが、さいとう・たかをが、16ページ、24ページにしろと編集者に直談判したからこそ、まんがは何十ページも描けるようになった。これがさいとう・たかをの功績だ」
 という意味あいのことを言っていました。

 また、さいとう・たかをが、人気の割には評論家などから高く評価されない理由として、
「読者にわかるような作品しか描かなかった。さいとう・たかをは、”ねじ式”を絶対に描かなかった。あくまでもお客さん(読者)の視点に立った作品を描いた。だから評論家からは、
”人気があるだけで、くそみたいな作品をいくら量産したって、評価してあげねえよ”
というのが、評論家の本音だ。手塚治虫も、ヒューマニズムやら思想やらがあるから、いくらでも研究本が出せるが、横山光輝は、研究本は出なかった。理由は、さいとう・たかを同様、エンターテイメント志向で、読者にわかるような作品しか描かなかったし、思想のようなものを作品に描くことはない。そして作風が無色透明だから」
 ということも言っていました。
 
 実際横山光輝氏は、生前は、
「まんがは娯楽だと思っています」
 と言っていますし、生前は”ねじ式”のような作品など描いていない。
 さいとう・たかをにしろ、横山光輝にしろ、娯楽作品を描いているまんが家は、やはりいくら人気があっても、評論家や同業者からは、評価されない傾向があります。
 横山光輝氏など、サブカルチャーに与えた影響は、実は、手塚治虫よりも上ではないかとも思うのです。それなのに同業者や評論家から無視されているのは、娯楽作品ばかり描いているという偏見からでしょうか。

 でも、こういう娯楽作品こそ、実は一番描くのが難しいのではないでしょうか。
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