四畳半タイムマシンブルース・NOPE観てきたよ

■四畳半タイムマシンブルース
四畳半神話体系のパラレル時間軸です。盛夏の下宿にタイムマシンが出現し、直前に壊れてしまっていたクーラーのエアコンを取りに過去に戻ろうとして騒動になる……というお話。基本構造はミステリーで、辻褄の合わない言動や出来事が起こっていたのが、パズルのピースを埋めるように、謎が解き明かされていく（ただし誰も謎解きのための努力はしていない）というものです。単なるドタバタで、深さはありません。神話体系は『わたし』と小津の物語だったのに対し、タイムマシンブルースは『わたし』と明石さんの物語でした。深さはありませんが、今作では明石さんがヒロインとして全面的に活躍しており、積極的にストーリーを牽引していきます。可愛いらしい外見、ストイックな佇まい、トリッキーな言動っで観客を甘酸っぱい気持ちにさせてくれます。めくるめく謎の感動を巻き起こした神話体系に完成度として劣るものの、明石さんが可愛いからこれで良いのだ、と思った作品でした。ところでタイムマシンに電気スタンドが付いてないのは納得行きません。

■NOPE
原題はNOPE。NOのスラングで、ありえねえ、という意味でタイトルになったんじゃないか、とか。とある牧場で、主人公が頭上に何かがいるのに気付く。半年以上も同じ場所に止まり続ける雲。あの中にあいつは潜んでいるのではないか……？　と、UFO系ホラーとして物語は始まるのですが、途中で素晴らしいどんでん返しがあり話はひっくり返ります。UFOモノに新たな扉を開いた傑作でした。いやー楽しかった。暴走チンパンジーの話、何なんだと思いましたがちゃんと本編に繋がっています。これは観るべき。アスはあまり楽しめませんでしたがこちらは分かりやすいエンターテイメントになっていました。お奨めですよ！