九州での事でした、旅の途中知り合った男性が居まして喧嘩もしましたが妙に馬があいましてね、彼はどう言う訳が殆ど山の中に住んでるんですよ
親しくなり本人から話し出したのですが
その方16で極道、20で殺人、実刑6年、出所して30数年、いまだ後悔が続くと見え人里離れ山に住み
「世間は厳しく自分が怖い」と宿は山奥の借家、物は無く、好いた女も作らず
土日になると、里へ降り子供に自作のビーズアクセサリーを安く売り
山へ帰り、一日一体の小さな人形を彫り、楽しみの酒を飲み1人寝る
彼はそんな生活を飽きずに続けて居るんです
たまに生きて居るか心配で尋ねると、眉毛に入れた刺青を砲被りで隠し出迎えてくれ
酒を交わし話すと「わたしは間違いが多い不器用者と知ってるのですが、これもしょうがない、返らない事が多い物ですね」
そんな話しをしながら、夜更けに休むんです
自分は李白と良寛が好きで、彼は山頭火を好んでおり
2人酔うと詩人の話し
「どんな心持ちで流れたのかね」
「あれ達も不器用ですよ、孤独でしたでしょうよ」
「ですよね」
彼は翌朝遠くのバス停まで送ってくれまして、
彼は笑顔て見送ってくれるのですが、瞳が何時も泣いて居るんです
自分はそれが分かると何故か悲しくてね
彼はこんな事を良く言ってました
「不良、極道、前科を自慢する馬鹿は犬猫より劣る、己を知らないとは怖い事です」
彼はまだ生きているのだろうか、たまに思いだすんです、
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