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2022年06月14日07:42

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小噺0363 飛行機の発明

本稿0182「電球の発明」で、アメリカのThomas Edison(トーマス・エジソン)ではなくイギリスのJoseph Swan(ジョゼフ・スワン)が白熱電球を発明した、と書きました。これは複数の証拠がある事実です。
2人は当初こそ裁判で争っていましたが、1883年にEdison & Swan United Electric Light Co.(エジソン・スワン連合電灯会社)を設立、協力して電球の普及に努めるようになりました。
要するに一般に流布している説が正しいとは限らない、ということを言いたかったのですが、同様のことが飛行機にも当てはまります。

流布している説は、飛行機(動力付)を発明して有人飛行に成功したのは、Wilbur & Orville Wright(ウィルバー&オーヴィル・ライト兄弟)が世界初で1903年12月17日のことであった、場所はアメリカ・ノースカロライナ州キルデビルヒルズ、というものです。
しかし、ドイツ移民の航空技師Gustave Whitehead(グスタフ・ホワイトヘッド)という人が、1901年8月14日にコネティカット州フェアフィールドで有人動力飛行に成功したのが世界初であった、とも言われていました。
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そして2013年10月、ホワイトヘッドが世界初であることを公式に認めたRick Perales(リック・ピラレス)という共和党員のコメントが話題に。全米3大ネットワークのひとつABC(あと2つはNBCとCBS)のニュースでもとり上げられました。

https://abcnews.go.com/WNT/video/flight-fight-wright-brothers-flight-19357369
(一番上の"abc NEWS"と書いてあるところの三角(右)をクリックしてください)

ホワイトヘッドは1874年1月1日にドイツ・バイエルン州のロイタースハウゼンで生を受けました。
少年の頃から空に憧れを持ち飛行理論や気象学を学びました。そして航空技師になり、1893年にグライダーの祖とされるOtto Lilienthal(オットー・リリエンタール)に会って影響され、より高度な研究を行うために渡米しました。

ホワイトヘッドはAndrew Cellie(アンドリュー・セリー)とDaniel Varovi(ダニエル・ヴァローヴィ)という投資家の資金援助を得て試作機を次々と作り、20世紀になろうかという頃に何度かフライトに成功したようです。

そして、いよいよジャーナリストを招いてのお披露目が1901年8月14日になされ、4日後の18日に ブリッジポート・ヘラルドという新聞(週刊)にRichard Howell(リチャード・ホーウェル)という記者が「試作21号機が高度50フィート(約15m)で0.5マイル(約800m)飛行した」とレポートしています。しかし、この時の写真が存在しないために注目されませんでした。

一方、ライト兄弟は詳細な飛行記録を残すなど、自分達の功績をうまく喧伝(けんでん)しました。動画すら。

https://youtu.be/tPa0lKwDpGc

ホワイトヘッドはそういうことに頓着しなかったように思います(技術者らしい?)。だから注目されることなく、世界初の有人飛行という名誉がライト兄弟の元に行ってしまったのかもしれません。

なお、リリエンタールが1891年にグライダーによる人類史上初の飛行(動力無)を行ったということが一般に流布しています。しかし、日本の浮田幸吉が100年以上先んじていた(1785年)との説もあるんです。はて?
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