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2022年02月14日00:54

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『大怪獣のあとしまつ』 2022年21作目 ☆☆☆ MOVIX仙台

『大怪獣のあとしまつ』 2022年21作目 ☆☆☆ MOVIX仙台
https://www.daikaijyu-atoshimatsu.jp/

 怪獣の死体処理の映画。
 の筈なのですが、壮大なギャグ映画になってます。
 だって監督が三木聡監督だし、主要な役でふせえりさんと岩松了さんが出てるし、オダギリジョーさんまで出てる。
 この面子が揃ったらギャグに決まってる。
 少なくとも「コメディ」の枠を出ることは無い。

 なので、この作品は決して「怪獣映画」ではありませんし、「特撮映画」でもない。
 怪獣の死体が出る特撮をふんだんに使ったコメディです。

 以上。

 松竹と東映の共同制作なんだけど、そんなに東宝が羨ましいですか?
 『シン・ゴジラ』悔しかったんですか?
 よりにもよって三木監督に監督やらせた時点でこうなるのは分かり切った事でしょ。
 何で三木監督に監督やらせたの?

 と思ったら、この映画の言い出しっぺは三木監督本人。
 だいぶ前から温めてい企画を、2014年に東映の関係者に話したことからスタートしたそうですが、残念な事に2016年に『シン・ゴジラ』が公開されている。
 この時点でこの企画の「失敗」が確定している。

 『シン・ゴジラ』の前と後では「観る側」があまりにも違い過ぎている。
 全くの別物になっている。
 『シン・ゴジラ』以前の怪獣映画ではあたりまえだった「恋愛」「家族愛」「足を引っ張る無能」「権力闘争」「私怨」こう云ったものの全ては「怪獣映画には不要」として『シン・ゴジラ』では全て排除されている。
 対して『大怪獣の〜』ではこれが全て取り入れられている。
 そもそも作品の根幹が「嫁の元カレだから気にいらない」。
 「恋愛」が「私怨」を拗らせ、「権力闘争」に便乗して「足を引っ張ってる」。

 「怪獣映画には不要な要素」が作品の根幹を成し、そこに三木監督お約束の「小ネタ」が大量にぶち込まれている。
 ハリウッド映画ネタとかマニアックなネタもあるけれど、大半は「下ネタ」と「笑えない小ネタ」。

 折角出演陣が豪華で、セットも特撮も力が入ってるのにやってる事が「下ネタと小ネタ」では笑いも起きない。

 出演陣、衣装、セット、特撮は派手で見ごたえがあるんだけど、やってる事は「下ネタと小ネタ」。
 
 「国防軍」と云う名も頂けない。
 おかげで自衛隊の協力が得られていない。
 テロップに自衛隊の「じ」の字もありませんでした(にしては車両がリアルでしたけど)。

 「国防軍」は名前だけじゃなくて、「存在しない物は極力出さない」と云う『シン・ゴジラ』でのスタイル(『シン・ゴジラ』ではゴジラ以外は全て実在のものしか出ていない)にも反する。

 害獣の死体が原発で、猛烈な悪臭が放射能とか云う「社会風刺」も「下ネタと小ネタ」の前では色褪せてしまう(「社会風刺」は三木監督のカラーではないですけれど)。 

 只単に「怪獣の死体処理」を「ネタ」として扱えば三木監督らしいギャグ映画、コメディ映画になった筈なのに、「東映と松竹のお偉いさん」が変に「怪獣映画」らしくさせるもんだから三木監督の個性がマイナスにしかなっていない。
 「三木監督らしい」作品にするなら口出しすべきではなかったし、「怪獣映画」にするなら三木監督では無理。
 観る側は『シン・ゴジラ』で学んだのに、「東映と松竹のお偉いさん」は「畜生。大ヒットしやがって」しか思わなかったんでしょうね。

 しかもオチが「光の…」。
 権利大丈夫なんですか?

 監督も、出演陣も、スタッフも一流なので、東映と松竹のお偉いさんが「映画の事を何も知らない」せいでとんでもない作品になってしまいました。
 「令和のデビルマン」は云い過ぎだと思いますが、「東映と松竹のお偉いさん」にはこの称号がぴったりです。 


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