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2021年08月26日11:18

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ラクサンポ211

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
川口がパソコンに向かっている。次の依頼は履歴書を書くのを手伝うことだ。Zoomで相談を受ける。

川口
「フリースペースいちごの川口ですけど。橋本さんで、間違い、ありませんね」

橋本
「橋本早苗と申します。よろしくお願いします。今日は履歴書を書くのを一人では不安なので、手伝ってください」

川口
「いいですよ。履歴書を書くのは初めてですか」

橋本
「初めてです。高校時代から引きこもりになり、ほとんど、外へ出ていないです。引きこもり支援団体のスタッフのおかげで、ようやく外へ出られるようになりました」

川口
「よかったですね」

橋本
「ボランティアという形で、仕事もできるようになりました。社会復帰のため、バイトをしてみようと考えたんですが、履歴書を出せと言われて、困っていました。発達障害の困った人々を支援してくれるNPOがあると、聞いて、メールしたんです」

川口
「わかりました。履歴者は手書きでしょうか」

橋本
「手書きとは何ですか」

川口
「履歴書の用紙はお持ちですか」

橋本
「はい、昨日、買ってきました」川口に見せるように、カメラに近づける。

川口
「はい、けっこうです。その用紙にペンで書きこんでいきます」

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