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2021年05月13日23:26

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リンネはなぜ乳房にこだわったのか? 『女性を弄ぶ博物学』<いかに正しいことが書いてあっても、おもしろくない本で勉強するのは苦痛ですからね。>?<リブには理論がない−−それが不満だったのです。>

リンネはなぜ乳房にこだわったのか?

女性を弄ぶ博物学


ロンダ・シービンガー
小川眞里子+財部香枝=訳

定価 本体3200円+税
A5判/上製 280頁 1996.10

リンネが命名した「哺乳類(ママリア、字義どおりには乳房類)」という分類名には、女性を妻・母のジェンダーに限定していく裏面もあった。18世紀の博物学者の虚妄を暴く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ー
https://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN4-87502-271-9.html



女性を弄ぶ博物学[詳細]
Nature's Body


目次|著者紹介|関連図書|書評




これは科学か?ポルノか?

動植物の研究でも、人種の研究でも、
雌ならびに女性は男性研究者の好奇心の的であった。
人種の特徴に女性の美が基準に取られたり、
ホッテントットの女性のように見せ物にされたり。
博物学者も人類学者も解剖学者も、みんな男性であるがゆえに、
自分たちに都合の良いように様々に女性を扱ってきた。
誰が科学をするかにより、何が研究されるかが決まってくる。
これはきわめて政治的な問題である。
小川眞里子(訳者あとがきより)






■目次より

序文 自然に投影された性のいとなみ

第1章 植物の私生活
 新たなる分類法を求めて
 植物の(異性間の)セクシュアリティ
 科学における隠喩の使用
 リンネ、そしてエラズマス・ダーウィンによる植物の瞑想
 性差観の科学革命

第2章 なぜ哺乳類は哺乳類とよばれるのか?
 ママリアという用語の系統学
 名ばかりの哺乳類:雄と単孔目
 乳房はどれほど意義深いか?
 乳房と母乳:問題の多いイコン
 分類学におけるジェンダーの政治学

第3章 類人猿の男らしさ、女らしさ
 類人猿から人間を区別すること
 雌の性器の研究
 類人猿は、人間の雑種?
 慎み深さ:それは女性に普遍的なもの
 啓蒙時代の類人猿:オラン・ホートン卿

第4章 差異の解剖学
 人種と性の型を固定すること
 「例の威厳のあるあごひげ」
 コーカサス人種の謎
 女性が人種を形成する?

第5章 ジェンダーと人種の理論
 女性は鎖の上にいたのか?
 ホッテントットのヴィーナス
 新しい身体の政治学

第6章 誰が科学をすべきか?
 科学の起源は黒人か白人か?
 18世紀の教育実験

終章 扱いそこねられた自然の身体
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ー
https://www.kousakusha.co.jp/DTL/moteasobu.html

第四講

斎 藤 美 奈 子 さ ん が 選 ぶ

2 1 世 紀 の 女 と 男 を 考 え る 本






 

 斎 藤 は い か に し て フ ェ ミ 棚 と 出 会 っ た か

私と「女性学」棚とのつきあいは、かれこれ25年以上になります。

この地に最初の一歩を踏み入れたのは大学生になったばかりのころ、70年代の後半でした。「フェミニズム」も「女性学」も「ジェンダー論」もまだなくて、「ウーマンリブ」「女性問題」という呼び方が支配的だった時代です。70年代の本にはパッションがあって、いま読んでもなお刺激的です。がしかし、それらを一通り読んでしまうと、じきに飽き足らなくなった。

 リブには理論がない−−それが不満だったのです。

 それから私は子育て雑誌の編集者になり、その後は編集プロダクションで仕事をするようになりました。ときは80年代。巷ではフェミニズムが話題になっていましたが、私の興味は薄れていて「いまごろ遅いんだよ」と思ってた。フェミニズムっていうのは目の前の霧が晴れていくような思想ですから、それに出会った人は必ず一度はハマります。そして、どっぷりハマった分だけ、必ず一度は飽きるのです、ハハハ。

 そんな倦怠期も過ぎて、ちょっと勉強し直さないとヤバいんでないか、と感じはじめたのは80年代の終わりごろです。昔とったキネヅカで再入門してみると、おおおお、理論が続々と築かれているではないか。90年代に入るとこの流れは決定的になり、ジェンダー論は百花繚乱の様相を呈するまでになります。と、今度は別の不満が頭をもたげてきた。こんな党派的な言説ばかりで、ビギナーに推薦できる入門書が小倉千加子『セックス神話解体新書』(ちくま文庫)くらいしかないってどういうことなのよ、と。

 それやこれやの紆余曲折を経ながらも、辺境の地であるこの棚の周辺を私はいつもウロウロしていたような気がします。拙著『物は言いよう』にいうFC(フェミコード)とは、ある意味、そんな25年間分の蓄積から生まれたもの。今回セレクトしたのも、かように年季だけは入っている私が自信をもってオススメできる本ばかりです。

いかに正しいことが書いてあっても、おもしろくない本で勉強するのは苦痛ですから
ね。入門者のあなたも、倦怠気味のあなたも、これらの本で楽しみながらFC感覚を磨いてください。







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こ れ さ え あ れ ば 安 心 な 本

「1冊ですべてを概観できる本ってないんですか?」と思っているカタログ好きのあなたに。



book
『岩波 女性学事典 』
上野千鶴子他/岩波書店

ジェンダー論の初心者にも上級者にも「買いなさい。絶対に買いなさい」と押しつけたい決定版の「読む事典」。専門用語の解説はもとより、歴史、文化、人物、さらには「女性と政治」「女性と経済」のような包括的な項目まで目配り。これ1冊で知りたいことはほぼわかる。この4600円は超お買い得。



book
『フェミニズムの名著50』
江原由美子・金井淑子編/平凡社

フェミニズムにも長い歴史があり、必読図書も数多く存在する。でも、それらを読破するのは至難のワザ。まっかせない。18世紀の古典から90年代の最新研究までを網羅した本書には、200年分のエッセンスがギュッと詰まっている。原典を読む元気がない人、原典で挫折した人はこちらで疑似体験を。



book
『ジェンダーがわかる。』
AERA MOOK/朝日新聞社

第一線の研究者がやさしく語る各論を一堂に集めた百貨店式のガイドブック。基本の理論編からはじまって、教育、法律、仕事、家族、社会福祉、戦争、文学、歴史、宗教、メディア、映画、スポーツ、音楽、演劇、食文化、科学技術……となんでもあり。書き手がみな生き生きとして楽しそうなのが印象的だ。





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家 族 ・ 結 婚 ・ 労 働

結局だれもがぶつかる壁は、家庭(私生活)と仕事(公生活)だっていうことで。



book
『21世紀家族へ 第三版』   
落合恵美子/有斐閣選書

戦後、女性の職場進出が進んだという説はウソ。戦後とは本当は主婦化が進んだ時代だったのだ! そんな衝撃的な事実をデータで示して、みんなをあっといわせた戦後家族論の必読図書。初版から10年目の第3版では、少子化と晩婚化ついての論考も収録。「ウチの家族はまさにコレだ」と思う人が多いはず。



book
『結婚の条件』
小倉千加子/朝日新聞社

20代の過半数が独身の日本は、いまや世界一の晩婚国。女性の適齢期が25で売れ残るクリスマスケーキだったのは過去の話。いまは「晦日そば」なのだ。結婚はカネ(男)とカオ(女)の交換だと言い切る小倉千加子ならではの結婚&シングル論。 『負け犬の遠吠え』よりずっと説得力の高い理論編。



book
『女の部下を叱れない』
金子雅臣/築地書館

オフィスでは男と女、女と女のバトルが日々くり返されている。就職差別、お茶くみ騒動、セクハラをめぐる認識の差。都庁の労働相談窓口員を長く務めた著者が見た均等法時代の職場風景は「あるある」感にみちていて、思わず苦笑がもれるほど。ビジネスマン&ビジネスウーマン必携の書。





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男 っ て 何 で す か ?

男性学は今後期待の新ジャンル。男というジェンダーは女以上におもしろいかも!



book
『共同研究 男性論』
西川祐子・荻野美穂編/人文書院

タイトルは硬いけれども、ユニークな論文ばかりを集めた楽しい本。趣味の世界を論じた「鉄道マニアの考現学」(鵜飼正樹)、タミル映画に取材した「南インドの『にいさん』」(杉本星子)など「よくぞ」なテーマが目白押し。アジア各地の男性像を取り上げたこの本で、男性学の地平は大きく広がった。



book
『XY 男とは何か』
エリザベート・バダンテール/筑摩書房

「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」と言ったのはボーヴォワール。バダンテールは「人は男に生まれるのではなく、男になるのだ」と言い切る。男の子が男になるまために用意された儀礼の数々、男を男たらしめる装置の数々は「まさに」と 膝を打ちたくなるものばかり。男を見る目が確実に変わります。



book
『文学部をめぐる病』 
高田里恵子/松籟社

日本の男性文化は、戦前の旧制高校文化に深く支配されている。その細部に分け入って、戦時中の翼賛体制を支えた男たちのニヒリズム、彼らの精神的土壌であるドイツ式の教養主義をビシバシ批判。旧制高校世代のオジサマ方を激怒させた(この本を好意的に書評した私も叱られた)いわくつきの本。そのくらいおもしろい。





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文 化 を ジ ェ ン ダ ー で 切 り 取 る と


ジェンダー論はむずかしい思想ではない。身の回りをほじくり返するだけでも、ほらっ!



book
『どうにもとまらない歌謡曲』 
舌津智之/晶文社

ジェンダーで読み解く抱腹絶倒の歌謡曲論。70年代フォークは男同士の連帯を歌うマッチョな愛国歌だった、ぴんからトリオの「女のみち」はフェミニストのプロテストソングだったなど、あっと驚く指摘がいっぱい。「どうにもとまらない」の語源は、もちろん阿久悠が作詞して山本リンダが歌ったあの歌だ!



book
『「モノと女」の戦後史』 
天野正子・桜井厚/平凡社ライブラリー

洗濯機、流し台、トイレ、パンスト、生理用品……戦後に登場したさまざまな「モノ」は女性の意識と暮らしをどう変えたか。ふだん何気なく世話になっているモノとその開発者に改めて「ありがとう」と頭を下げたくなる本。といってもプロジェクトXの鬱陶しさはないのでご安心を。



book
『広告から読む女と男』 
石川弘義・滝島英男編/雄山閣出版

「男は黙ってサッポロビール」「わたし作る人/ぼく食べる人」「育児をしない男を、父親とは呼ばない」等、広告やテレビCMはジェンダーと切っても切り離せないものが多い。戦後50年の広告史をひもとき、広告表現は多様化したが、その底にある
価値観はどうかと問う。やや教科書的ながら、この資料性は買い。





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理 科 に だ っ て あ る ジ ェ ン ダ ー


科学は中性中立と思ったら大まちがい。文科系読者にもオススメの理科的ジェンダー論。



book
『クジャクの雄はなぜ美しい?』 
長谷川真理子/紀伊國屋書店

人類を男(マン)で代表させるように、動物もオスに代表させる癖が私たちには染みついている。しかし、動物の世界では、メスがオスを選り好みをするのが普通なのだ。求愛行動の観察を通して「雄々しいオスとシャイなメス」という神話をひっくり返す快著。竹内久美子の本にウンザリしているあなたに。




book
『女の由来』 
エレイン・モーガン/どうぶつ社


人類はその昔、水棲生物だった!? デズモンド・モリス『裸のサル』(角川文庫)に対抗して書かれた「彼女たち」の進化論。モリスが森を舞台にした男性中心の狩人史観なら、モーガンは水辺を舞台にした女性主体の平和的共存史観。半ば冗談とはいえ「えっ」「ええーっ」の連続攻撃。だまされる快感は一級品だ。



book
『女性を弄ぶ博物学 』 
ロンダ・シービンガー/工作舎

哺乳類を哺乳類(英語でママルス。ラテン語ではママリア。字義通りに訳せば「乳房類」の意味だ!)と名づけたのも、植物の交配をロマンチックな結婚になぞらえたのも、あのカール・リンネだった。白人男性中心に発想された博物学を徹底検証。自然科学も政治や文化と無縁ではないことに納得、かつ愕然。





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日 本 の フ ェ ミ ニ ズ ム は こ こ か ら は じ ま っ た

いまや歴史となった70年代ウーマンリブ。彼女たちがいたから、いまの日本がある



book
『いのちの女たちへ 増補新装版』 
田中美津/パンドラ発行・現代書館発売


日本のリブを名実ともに引っぱった田中美津の歴史的名著。復刻版のこの本には「ぐるうぷ・闘う女」の名前で書かれた初期のビラも収録されて、たいへんお得。「便所からの解放」「わかってもらおううは乞食の心」「永田洋子は私だ」など、切実なコトバの数々にショックを受けてください。




book
『魔女の論理』 
駒尺喜美/学陽書房・女性文庫


日本にフェミニズム批評なんてものがまだ影も形もなかった70年代、駒尺喜美はほとんど1人でそれをやっていた。妻に近代はなかったと喝破し、物語の強姦シーンを検証し、高村光太郎『智恵子抄』は妻を抑圧した男の贖罪の文学だと批判する。これを読んだときの衝撃は忘れられない。



book
『銃後史ノート戦後編8 全共闘からリブへ 』 
女たちの現在を問う会/インパクト出版会


リブの全体像を知りたい方はこちらをどうぞ。いわゆる団塊世代に属する当時のリブのメンバーが25年ぶりに集合し、当時の熱気を座談会やエッセイで伝える。大学闘争、沖縄、アジア、三里塚……。当事者の声を大事にしてきた「銃後史ノート」ならではの編集。資料的にも価値あり。





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知 っ て お く と 大 き な 顔 が で き る 本


積ん読でもいい。知っておきたい(もちろん読むに越したことはない)知の最前線。



book
『ジェンダートラブル』 
ジュディス・バトラー /青土社


セックスは「生物学的な性差」で、ジェンダーはその上につくられた「文化的な性差」だというのが、これまでの解釈だった。が、バトラーは「セックス」も言説によって構成された社会的規範にすぎないと述べる。それまでの盲点を突いた発想として、フェミニズム業界に衝撃を与えた本。



book
『男同士の絆』 
イヴ・K・セジウィック /名古屋大学出版会

男社会とは要するに何なのか。シェイクスピアなどの文学を題材に、ホモソーシャル(男同士の社会的な結びつき)、ミソジニー(女性嫌悪)、ホモフォビア(同性愛嫌悪)等の存在をあぶり出した本。セジウィックには『クローゼットの認識論』(青土社)ってのもあるが、こっちのほうが取っつきがいい。



book
『家父長制と資本制』 
上野千鶴子/岩波書店

上野さんの著作から1冊だけ選ぶならコレ。家父長制(とは性差別の構造のことと考えてよろしい)と資本主義(とはモノの生産の構造のこと)の関係をビシッと解明。ウーマンリブが提出した問題提起に対する、20年目の解答じゃないかと私は思った。読んでるだけで頭がよくなったような気がする。




 


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グ ッ ド テ イ ス ト な 女 性 エ ッ セ イ

大人はもちろん中高生にもすすめたい、勇気を百倍にする女性の人生模様あれこれ。



book
『とんがって本気』 
加賀まりこ/新潮社

60年代に16歳で女優デビュー。エピソードのすべてが短編映画になりそうな、カッコイイ女を地でいく彼女のイケてる恋愛・仕事・人生。「コンサバな生き方はバカを作ると思ってた(今だってそう思っている)」の一文にノックアウトされること必至。



book
『ミミズに魅せられて半世紀』 
中村方子/新日本出版

セミの羽化と『キュリー夫人伝』に魅了された少女は、長じて科学者になった。しかし、そこに待ち受けていたものは……。大学という男社会と闘いながら研究生活を続けた著者のフロンティア・スピリットにあふれた自伝。ミミズの偉さもわかります。



book
『介護と恋愛』 
遙洋子/筑摩書房

介護と恋愛と仕事が3ついっぺんに来たらどうなるか。そんな怒濤の体験を自ら綴った涙と笑いのノンフィクション。『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫)で時の人となった遙さんだけに、自己観察の向こうに見える社会観察の眼がスゴイ。



book
『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ 』 
遙洋子/ちくま文庫



book
『おなかほっぺおしりトメ』 
伊藤比呂美/PHP

80年代に子育てエッセイという新ジャンルを開拓した伊藤さんの最新刊は、3人目の娘トメちゃんの子育て奮戦記。子育てエッセイは多々あれど、やはり彼女は最強だ。思春期を迎えた上の娘たちの物語は『伊藤ふきげん製作所』(新潮文庫)で



book
『伊藤ふきげん製作所』 
伊藤比呂美/新潮社





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斎 藤 本


book
『妊娠小説 』 
斎藤美奈子/ちくま文庫

 



book
『紅一点論』 
斎藤美奈子/文春文庫






book
『モダンガール』 
斎藤美奈子/青土社

 



book
『男性誌探訪』 
斎藤美奈子/朝日新聞社

 



book
『文学の創造7 男女という制度』 
斎藤美奈子編/岩波書店








※ 各書籍のリンクをクリックするとKinokuniya BookWebの詳細画面にジャンプします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/jinbunya/jinbunya4-2.htm#rika


■著者紹介:ロンダ・シービンガー Londa Schiebinger


長らくペンシルヴェニア州立大学歴史学教授を務めたあと、2004年よりスタンフォード大学科学史教授および同大学「女性とジェンダー」研究所所長。本書でフレック賞[科学社会学会]受賞。また女性歴史家として初めてアレクサンダー・フォン・フンボルト研究賞を受賞。
近世から現代にいたる科学とジェンダーのテーマを先鋭的に追究し、邦訳書は本書のほか、『科学史から消された女性たち』、『ジェンダーは科学を変える!?』『植物と帝国』がある。






■関連図書(表示価格は税別)

•植物と帝国  ロンダ・シービンガー 3800円 ←18世紀カリブ世界の植物探査の実態
•ジェンダーは科学を変える!?  ロンダ・シービンガー 2600円 ←同時代の実態
•科学史から消された女性たち  ロンダ・シービンガー 4800円 ←17世紀の実態
•セックスの発明  トマス・ラカー 4800円 ←医学史・社会史の実態
•女性を捏造した男たち  シンシア・E・ラセット 3200円 ←19世紀の実態
•お母さん、ノーベル賞をもらう  S・B・マグレイン 2800円 ←20世紀の女性科学者
•二人のアインシュタイン  D・トルブホヴィッチ=ギュリッチ 2400円 ←最初の妻
•ジェンダーの神話  アン・ファウスト-スターリング 2816円 ←性差の科学の偏見
•セックス&ブレイン  ジョー・ダーデン=スミスほか 1900円 ←流行りの脳の性差
•NASA/トレック  コンスタンス・ペンリー 1900円 ←スペースシャトル事故後の噂
•自然の死  キャロリン・マーチャント 3800円 ←エコ・フェミニズム
•エラズマス・ダーウィン  D・キング=ヘレ 6500円 ←チャールズの祖父の破天荒な生涯






■書評


◎川島慶子氏(『科学史研究』1997年夏号)
…リンネの分類法はまさに性の政治である。まるで詩を語るかのようなリンネの植物の交配の解説。伝統的な「四足獣」を追い払った「哺乳類(Mammalia: 乳房類)」という名称。当時の社会の実際の、あるいは理想とされた男女関係というコンテクストなくしては、この博物学者の乳房やおしべ、めしべへの執拗なこだわりは理解できない。自然の中に分類が刻印されているのではない。決めるのは科学を営む側なのだ。判断する側の内なる幻想こそが分類の基準を生みだすと言っていい。だからそのとき決定権を持っていた人間が誰なのかということが問題になる。そのカテゴリーにいた人間たちの無意識こそが「ポリティクスとしての科学」を動かす原動力となる。「誰が科学をすべきか」という繰り返される作者の問は「誰が科学をしてきたのか」「その結果はどうなったのか」ということを必然的にともなっている。…

◎斎藤美奈子氏(『週刊朝日』1996年11月22日)
「男は知性があって逞しく、女性は下等で慎み深いという性別観のもとで、博物学者たちは、発見された霊長類(オランウータンやチンパンジー)のメスを超不自然な「慎み深い」姿に描いたり、人間の優劣を男の「あごひげ」の有無で判断したり、ホッテントット族の女性に執拗な関心を示したり、相当ヘンなことをやっていた。多数の事例や図版を示しながら、白人男性ばかりで占められていた博物学の偏向と限界を、著者は鋭く指摘している。この本から私たちが学ぶのは、自然科学といえども社会規範やイデオロギーから自由ではいられない(どころかそれらを積極的に補完しさえする)という当たり前の事実である。18世紀的な発想は、どっこい今も健在だ。まったく昔の博物学は……なぞと呑気に笑ってる場合じゃないぞ。

◎紀伊國屋書店・じんぶんや第四講
「斎藤美奈子さんが選ぶ21世紀の女と男を考える本」  紀伊國屋書店サイトへ>>>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――――――――以上転載ーー
https://www.kousakusha.co.jp/DTL/moteasobu.html
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