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2021年04月23日13:30

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今回の「流行阻止ライン」を数理疫学的に考える

■今までの大丈夫は通用しない 専門家が語る変異株の脅威
(朝日新聞デジタル - 04月23日 05:09)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6493970

緊急事態宣言の内容や、それに対する批判などは、とりあえず無視して、科学的に現実問題を考えます。

従来型のウイルス株の感染力は、「基本再生産数」(一人の感染者が、次の感染者を何人作るか)は、諸説ありましたが、概ね2.5とされます。
何も対策をしなければ、感染者は1感染サイクルごとに2.5倍ずつ増えめゆく。そこで、消毒や接触機会を減らすことで、感染機会を減らすことにしたのが、緊急事態宣言の目的と内容。
数理疫学的には、接触機会を6割削減して、2.5人の二次感染を1人にすればトントンになって、流行阻止。さらに感染機会を減らせば、流行は収束に向かう。短期的……と言っても最低2ヶ月は見て、かつ、言うことを聞かない人が一定数居ると言うリスクも加味すると、あの当時「8割おじさん」こと、西浦博教授が提唱していた、感染機会の8割削減は、疫学の専門家の提言としては、非常に妥当性が高かったと言えます。

でも、行政も国民も、それができなかった。

そして、変異株の感染拡大。
N501Y株は、従来株の1.7倍の感染力があると報告されています。
単純計算で、1人の感染者が4.25人の二次感染者を作ります。
これまでの対策で、感染拡大をギリギリ阻止していたとすると、その対策のままでは、1〜2週間のサイクルで、感染者は1.7倍ずつ増えてゆきます。
実際、大部分が変異株に置き換わった大阪府の感染者数から実効再生算数を求めると、そのぐらいの数字になっています。

では、どうやったら感染拡大を食い止めることができるのか。
消毒や接触機会の抑制などによる、感染機械の抑制率を、76.5%以上にする必要があります。
もちろんこの数字は、ワクチンが普及したり、感染・治癒した人が増えれば、少しずつ下がってきますが、まずは感染機会の76.5%削減が、当面の目標です。

出来ますか?

そもそも、この状況を理解している人、理解して対策している人って、どのくらい居ますか?

正直、これ以外の情報は役に立たないと思ってください。報道も、行政の言うことも、それらを批判するネット民の戯言も。(むしろ感染対策の足を引っ張っています)


できる限り多くの人が現状を理解し、早期解決に向け、粛々と対策を実践してゆく。今はそれしか策がありません。



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