私の年末年始は、ほとんど実家にいた。
年老いた両親に代わって両親ができない部分の大掃除を3日間こなした。
認知症の進行が否めない父親を複雑ながらも笑顔で見つめた。
相変わらず50近い息子を子供扱いして口うるさい母親の手伝いをこなした。
あれだけ親に反発していた20年前の自分よ。
20年後の今の自分の姿など想像できなかっただろう。
自立していると勘違いしていた20年前の自分よ。
20年後になってようやく真の自立を実感したことなど信じたくもないだろう。
きっと20年前の自分が今の私を見たなら、
「こんな未来なんてありえない。変えてみせる」
と思ったかもしれない。
20年前の自分よ、真の自立とは何か分かるか?
親から離れて暮らせば自立ではない。
結婚して家庭を持てば自立でもない。
自立とは、どんなに遠く離れていても、親を安心させられることだ。
勿論親は今でも私のことを安心しきってはいないだろう。
しかし、親は子供のことを一生心配するものだ。
「あんたが食うに困らず生活できていることが安心」
大掃除の合間に母親に言われたこと。
「ご苦労さん」
自発的に言葉を出すことが困難な父親に言われたこと。
きっと、まだ自立には程遠いかもしれない。
それでも、あの時よりも少しは真の自立に向かっていると実感している。
私は、これからも時間を見つけて実家に行くだろう。
今の自分だからできることを少しでもするために。
20年前の自分よ、君にとって今の私はどう映る?
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