映画芸術2020ベスト＆ワーストほか

映画芸術2020ベスト＆ワーストが発表されました。

●ベストテン
１位　『れいこいるか』（監督／いまおかしんじ）
２位　『37セカンズ』（監督／ＨＩＫＡＲＩ）
３位　『アルプススタンドのはしの方』（監督／城定秀夫）
４位　『本気のしるし 劇場版』（監督／深田晃司）
５位　『ミセス・ノイズィ』（監督／天野千尋）
６位　『ＶＩＤＥＯＰＨＯＢＩＡ』（監督／宮崎大祐）
７位　『風の電話』（監督／諏訪敦彦）
７位　『喜劇 愛妻物語』（監督／足立紳）
７位　『影裏』（監督／大友啓史）
10位　『恋するけだもの』（監督／白石晃士）
10位　『空に住む』（監督／青山真治）
10位　『私をくいとめて』（監督／大九明子）

●ワーストテン
１位　『スパイの妻』（監督／黒沢清）
２位　『罪の声』（監督／土井裕泰）
３位　『ミッドナイトスワン』（監督／内田英治）
４位　『海辺の映画館 キネマの玉手箱』（監督／大林宣彦）
４位　『Fukushima 50』（監督／若松節朗）
６位　『ばるぼら』（監督／手塚眞）
７位　『浅田家！』（監督／中野量太）
８位　『日本独立』（監督／伊藤俊也）
９位　『男はつらいよ お帰り 寅さん』（監督／山田洋次）
10位　『れいこいるか』（監督／いまおかしんじ）
10位　『子どもたちをよろしく』（監督／隅田靖）
10位　『ロマンスドール』（監督／タナダユキ）

https://cinefil.tokyo/_ct/17427787

ベストすっごいなー。インディーズ系作品がほとんどだ。もっとも昨年はコロナの影響で、メジャー作品があいついで公開延期になり、その番組不足からインディーズ系作品が駆り出され、大手シネコンでもかかるという事態になったわけだが。１位の『れいこいるか』はまさかのノーマーク。見逃し！　何度か見る機会はあったんだけどねえ…個人的に惹かれる要素がなく、あんまり見る気にならなかったなあ。２月にまた十三でやるらしいんだけど…どぅしょうかなあ。２位、３位、４位はさすがだ、と思いつつも、『風の電話』『喜劇 愛妻物語』なんかは首を傾げるし、『ＶＩＤＥＯＰＨＯＢＩＡ』『空に住む』に至っては私的にはワーストに入れたいくらいの作品なんだけど。ちなみに『れいこいるか』以外でも『影裏』『恋するけだもの』は見逃しています。

ワーストは、ま、予想通りかな（笑）。１位は、本誌のレビューで事前に荒井晴彦が「こういうものがヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞もらってしまうなんて世を儚んでしまう」という風なことを書いていた。まさか荒井編集長の意見に、選考者たちが同調したわけではないと信じたいが。ちなみにそのレビューは、作り手が七三一部隊のことを勉強していなさすぎるという批判で、これはこれで読んでいて面白かった。３位の『ミッドナイトスワン』も嫌われてしまったか。まあ、この作品は賛否両論だと思うから納得できるけど、４位の大林宣彦の遺作もワーストなんだね。いや、私も近年の大林作品はデジタルまみれで正直好きじゃないけど、キネ旬あたりは遺作に弱いから、絶対ベストに入ると思うな（映画秘宝ではベスト16位＝実質日本映画の１位になっている）。ワーストでは『Fukushima 50』『浅田家！』『日本独立』『れいこいるか』『子どもたちをよろしく』の５本を見逃しです。
ちなみに毎日映画コンクールの大賞と優秀賞に選ばれていた『ＭＯＴＨＥＲ　マザー』『アンダードッグ』はベストテン／ワーストテンともに入っていない（テン以下か）。


なお、日本アカデミー賞優秀賞も発表された。
これはノミネートみたいなもので、この中から最も優秀な作品（人）を「最優秀賞」として選ぶ。作品賞（アニメ以外）だけここに書いておきます。映画芸術のベスト／ワーストとよ〜く見比べてみてくださいね（笑）。作品賞以外の優秀賞は公式ホームページで確認してください↓

https://www.japan-academy-prize.jp/prizes/44.html

●第44回日本アカデミー賞優秀賞

浅田家！
男はつらいよ　お帰り寅さん
罪の声
ミッドナイトスワン
Fukushima50

個人的には『ミッドナイトスワン』一作推しで（笑）。
…それにしてもいつからこんなアニメーション作品に力を入れるようになったんだ（笑）。私がこの番組を見始めた頃は、アニメ部門なんてオマケみたいな扱いだったよ。アニメは世界に誇れる日本の文化であり輸出品、という政府の方針に忖度したんだろうネ。

あと残す主な映画賞は、キネマ旬報ベストテンだけかな。