国立劇場 令和2年11月歌舞伎公演 第二部
行ってきましたー!
国立劇場では初歌舞伎。
チケット代が安いです〜
1等席 7,000円(学生4,900円)
2等席 4,000円(学生2,800円)
3等席 2,000円(学生1,400円)
サイトのアクセスに従い、お堀の方から行きました。
お堀の向こうは皇居だから空が広く、開けていて、紅葉目前の木々も美しく、なんともいい気分。
30分前に入口に行くと、スタッフがアルコールスプレーを手に噴射してくれ、
半券は見せた後、自分でもぎる形式。
1階でパンフレット(1000円)購入。
歌舞伎座と異なり、後半になると写真入り、ということではない様子。
広々と抜けた空間。
2階には名画の数々。鏑木清方の「野崎村」がよかった。
お手洗いの個数は多くないけれど、両脇にあり、手拭きの紙が置かれており良い。
売店も開いていました。
開演16時半。10分前には着席。2階3列目。
千鳥席のため、視界良好。傾斜強め。
でもって、国立劇場の2階は舞台と距離が近い!わーい!
花道も逆七三くらいまで見えました。
さて、始まります。
「彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち −毛谷村−」
・第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
土手を模した高めの場所に3人の百姓のような男。
そこに、花道より六助(仁左衛門)登場。
万雷の拍手。七三で喋りはじめてるのにかぶるくらいの拍手。
布団のような縁の短めの着物。足首出てる。
第一声が明るい柔らかい関西弁。(福岡の設定らしいが)
坂田藤十郎さんが亡くなったことを思い出させる。
やっぱり関西人としては西のニュアンスがうれしい。
土手を上り男たちを話してる様子で、母の四十九日の墓参りであることが知れる。
まーとにかくニッコニコ。平和な村なやあ、って感じ。
そんで、おばあちゃん連れた浪人(彌十郎)さんに、ばあちゃんの為にあんたとの試合勝たしてくれへんか、と八百長を持ちかけられ、ええよええよ親孝行したり、って六助。
おばあちゃんを遠くから覗く姿がまたよしで、約束した後、亡き母への供養にもなるっつって、水汲みに行く様もよし。
でもって、悪い奴らに追いかけられた爺と子供が出てきて、六助が助けてくれるけど爺は倒れる。子供は預かる。子供は、梅枝さんのお子様。初お目見えの小川大晴くん。
これらが約10分。
・第二場 毛谷村六助住家の場
場所は、六助の家の前。
浪人と六助の決闘シーンから。見届け人もいる。
約束通り、六助は負けたげて、片膝ついて、打たれた右手をさすりさすり、親孝行できてよかったなあって顔して、見届け人の話聞いてる。
なのに、浪人は、お前なんて弱いんじゃ偉そうにすな、ぐらいの勢いで、下駄で六助の額殴って、出て行く。六助の額に血。え??私、ここびっくりしました。
なにすんねん、負けてもろてその態度ないやろ、と思ったのですが、六助は笑ってる。
「親孝行できてよかったなー」みたいなことも言うてやってる。ええ人すぎるやん。
そっからは、おばあちゃん(東蔵)が旅の途中じゃ休ませてくれってきて、うち上げたったら、独りもんと知るやいなや自分を母にして、って言う。
六助もジョークとして笑って受けたら、いや、ほんまやで、お金もあるねん、って、六助にシュッとお金投げる(エアです)。
六助も、いやいやそんなそんな、ってシュッとお金投げ返す。おばあ受け取る。
なんやねん、この、寺内貫太郎一家みたいな茶番。めっちゃおもろいやん。
まあ、休んでな、って奥の部屋に入れてお茶出して、預かった子供と遊んでたら子供が膝で寝てもうて、枕屏風の向こうで寝かしつけてると、花道から虚無僧(孝太郎)。濃い茶色の高下駄履いてかっこよい。怪しい男たちをやっつけて、六助んとこへ。
初め、甥っ子を盗んだと思って六助に斬りかかろうとするのに、途中で、名前聞いて許嫁と知って、「いい男」「嫁じゃ嫁じゃ」と慌てて食事の支度しようとするさま、めっちゃ笑える。
呆れた六助に「自分誰なん?」と聞かれ、また、慌てて自己紹介。
すごい大木上げ下げしたり、忍者みたいなんをやっつけたりしながら、説明。怪力。
なんと、六助の預かってる子が、実は、虚無僧のお園さんの妹の子供で、寝てるお婆がお園の母。でもってお園の母は、六助の剣の師匠の嫁で、お園さんは実は許嫁だった!
なんという偶然。
六助も、「稀有な一日」と言っている。
でもって、師匠も、お園さんの妹も、あの、勝たしてやった浪人にやられたとな!
怒る六助。踏み込んだ石が凹む。おもしろい演出。
そんなこんなで、色々わかって、許嫁と手が触れてウキウキもしてりして、ほんなら、仇討ちに行ってくるわ!と元気よく子供を左に抱きかかえて、4人が型作って終了。
1時間30分。
なんといっても、仇討ちとはいえ、なんか絶対勝つやん、という晴れ晴れさがある。
笑いどころも多い。
浄瑠璃と呼応している喋りや、柝の音で作る型の場面もある。
見所いっぱい。
その上、仁左衛門さんの美しさ。
顔も形も、階段に足かけて座ってるとこなんて、左足首ぐいっと曲がり、右足はすらっとまっすぐ伸びてる。
足を揃えてる後ろ姿の足裏はばっちり対称。
2度ほど、手ぬぐいで(役の小道具の)で顔を額の汗をぬぐい、最後の、子供抱いて立つとこは膝に手を当てていたが、体にくるよね、やっぱり。
幕間30分
客席、ロビーの椅子は食事厳禁。
2階は食堂があるのですが、横の一部を無料お休み処として提供。アルコールスプレー、除菌シートあり。売店でコーヒー(300円)購入し、しばし休憩しました。
18時30分
「文売り」
始まる前に照明は全部落ちて真っ暗に。
その後、パッと舞台の照明がつき、立っているのは中村梅枝さん。眩しっ。
天井からは梅。
梅枝さんは若手の女形の中でも、妖艶で姉御感があり、美しいです。
清元との一人踊り。
「三社祭」
清元の演者そのままに、すぐに始まった。
幕が開くと、舟で立ってる男二人の後ろ姿。
勢いがある。鷹之資さんと、千之助さん。
こちらも踊りです。
鷹之資さん、とても勢いがありキレがあり、でも、静かな踊りもされて、ついつい見てる。
千之助さんは、途中からとても軽やかでした。
瑞々しく、エイヤーって感じの若さが気持ちよい。
最後、はじめと同じ後ろ姿のシーンで幕引きですが、鷹之資さんの肩がハアハアいってるのが、とても印象的でした。いいよね、一生懸命って!
終演19時。
いずれも大きな拍手。
千鳥席なので埋まっても通常の半分ではありますが、8割くらい入ってました。
やっぱり、一幕ではなく、いくつか見れるのはうれしい。
しかも、国宝の次は、若手の踊りなんて、とっても気持ちいいです。
と言うわけで、12月は観るつもりはなかったのですが(仁左衛門さんは南座だし)、
国立劇場の雰囲気と、周辺の気持ちよさと、料金と、うちからのアクセスのよさ。
安心のコロナ対策、そしてなんといっても、歌舞伎のおもしろさ!
12月も国立第二部、行きまーす!
初「河内山」。
白鴎さんのお家芸とな。梅玉さん、莟玉さん出るし、わーい!
一度拝見したかった見目麗しい染五郎さんの踊りも楽しみです〜
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