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2020年06月08日00:23

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小説『幽遊白書2』書いてみた!第7話です(*´▽`*)

第7話『作戦会議』


「黄泉ッ!」
蔵馬が思わず声を出す。

黄泉が殺された・・・しかも実の息子の修羅に。
あれほどの強さを誇っていた黄泉がこの数日間で帰らぬ人となった衝撃はその場にいた全員を凍りつかせた。

そして修羅のテレビでの魔界をまた混沌とした世界へ戻そうという趣旨の演説。
自分の野望を手伝ったものには裏世界樹の実の恩恵を与えるという話。

「まずいな、、、修羅があれほどのパワーアップをしたのならばついていくものも現れるかもしれん」
煙鬼の言葉はその場にいた全員の懸念をそのままま現わしていたのだった。

「これは作戦を考え直したほうがいいな・・・大勢で行っても犠牲者だけが増えるばかりになってしまう」
蔵馬の意見に皆がうなずき賛同した。

当初の予定では200人のチームで黄泉、飛影両名の捜索を行うとしていたが、修羅の大幅な妖力の上昇とそこについていくであろう大勢の妖怪達を考慮して、妖力値の高い物と頭脳明晰な作戦立案に長けるものを中心とした少数精鋭部隊で修羅の元へ突入することとなった。

「捜索部隊の半数は修羅の元に集まった妖怪たちの駆逐担当、もう半数は後方で万が一に備えてのバックアップ、そして捜索部隊がそやつらを引き付けている間に、精鋭部隊が洞窟へ突入するという作戦で行く。」
麒麟が作戦の内容を説明し、部隊のリストをみなに配った。

捜索部隊の200人は5つの部隊に分け、それぞれに隊長を1人配し統率を取る。
精鋭部隊は妖力値の高さと魔界統一トーナメントでの戦いぶりなどを参考にして
優勝者である煙鬼、その妻の孤光、幽助、蔵馬、躯、棗、酎の7人となった。

作戦会議も終わり各々が作戦発動までの自由時間を思い思いに過ごした。

そして2日後
駆逐担当とバックアップ担当の200名と、精鋭部隊の7人が集結し修羅と悪鬼、羅刹の3名討伐作戦が発動されることとなった。

それぞれの隊長が作戦の内容の確認を隊員たちにさせ、結束を図る。
懐かしい顔ぶれもたくさん集まり話も弾んだ。

陣や凍矢、鈴木に死々若丸も参戦。

幽助の父である雷禅の喧嘩仲間からは棗の双子の兄である九浄と,第1回のトーナメントでは陣とも戦った痩傑が参加していた。

修羅の元に集まったであろうたくさんの妖怪たちの駆逐担当のリーダーには痩傑が、バックアップ部隊の隊長には九浄がそれぞれ任命された。

2人とも実力は魔界でもかなり上位の妖怪。異議を唱える者もなくすんなりと役に収まったのだった。

「皆、よく集まってくれた。改めて礼を言わせてもらう。」
魔界の代表者となった煙鬼が皆にあいさつを交わす。
「しかしながら、これから行う作戦にはかなりの危険が伴う。首謀者の修羅、そしてその野望に加担する者たちも相当な実力者であることは先のテレビ放送で黄泉が葬り去られた事実からも明らかである。
しかしながらこの魔界に再び混沌の時代が戻らぬように皆の力を貸していただきたい。」

命の危険が付きまとうこの作戦に集まってくれた参加者に感謝の言葉を述べる煙鬼。

「すまんがみなの命をわしに預けてくれ」
そう締めくくり、作戦開始の合図を出した。

先頭に駆逐部隊、真ん中に少数精鋭の突入部隊、後列にバックアップ部隊の布陣で素早く修羅たちのいる「裏世界樹の樹」へと向かった。


「くっくっくっ、、、僕たちを倒しに来たか。」
洞窟の中で目を閉じ外の様子を察知した修羅がつぶやく。

「お前たち!行っておいで!手柄を立てたものにはこの『裏世界樹の実』を与えるよ!」
羅刹が修羅の呼びかけに応じ集まった約1000人からの妖怪たちを鼓舞する。

「俺たちで魔界を掌握してやろうぜ!」
「おおおおおおおお!」

悪鬼の掛け声に呼応する妖怪達。
魔界の運命を決める決戦の火ぶたが今まさに切られようとしていた。


第7話 ―完―




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