『デッド・ドント・ダイ』 2020年44作目 ☆☆☆★ チネ・ラヴィータ
https://longride.jp/the-dead-dont-die/
(本当は☆4つなのですが、「分かりづらいだろうな」と思い☆3.5にしました)
ゾンビ映画。
ビル・マーレイが出てるので、『ゾンビランド』?とか思ったのですが、違いました。
署長を含めて署員が3人の小さな警察署のある田舎町が舞台。
ラジオやテレビでは「極地での破砕作業により地軸が傾き、云々」と意味深なニュースが流れ、実際、日照時間が変わり夜なのに明るく、何故か時計が止まる。
何かがおかしい?
と思っていたら、墓から死者が甦る。
と云う話。
ゾンビ映画として真っ当な筋立てなのですが、ノリがどことなくコミカルなので、「コミカルなゾンビ映画なのかな?」と思ったのですが、全くそんな事はなく、話はシリアスでした。
唯一、「人間離れ」してたキャラクターが「まんまやないかい」な事を除けば、シリアスなゾンビ映画でした。
登場人物のほとんどがゾンビに襲われて死ぬ。
あっさりやられちゃう役から、撃ちまくって襲われる役から、立て籠って最初は何とか助かるんだけど、結局は大量のゾンビに襲われてやられちゃう役まで、典型的なゾンビ映画してました。
ノリがどことなくコミカルなのにこんなにお約束をかましてくれるのかと意外でした。
ゾンビ自体も、2000年以降主流の「元気に走るゾンビ」じゃなくて、昔ながらのよろめきながら動く「動く死体」のゾンビでなせいもあって、「昔ながらのゾンビ映画」に感じました。
気になったのが、ティルダ・スウィントン演じる「人間離れ」してた役。
「角を直角に曲がる」のはギャグかと思ったんだけど、そうじゃなかった。
刀の使い手で黄金の仏像を拝んでいるのも、何か昔のハリウッド映画に出てくる「謎の東洋人」みたいで、これも懐かしく感じました(違う意味で「謎」の役でしたけれど)。
他にも、「極地での破砕作業で地軸が傾いた」と云う話も気になった。
作中でも「40年間森の中で生活する男」が自然の異変を感じ取ってたし、猫や牛がどこかへ逃げるのも、鳥が居なくなるのも「自然の変異」の表れなのかなと。
「死体が生き返る」事態、「自然に反する」事だしね。
主演のビル・マーレイと、部下のアダム・ドライバーのやりとりで「最後まで脚本を読んだ」「俺は自分の分だけだ」てのはギャグなのか内輪ネタなのか分からないけれど、もしかしてこの映画は「正統派ゾンビ映画」なのかもしれない。
旅する若者達。
よくあるダイナーと常連客。
ゾンビマニア。
気の荒いオヤジ。
出てくる登場人物がお約束ばかりだし、結末もお約束。
違うのは「人間離れ」だけ。
やっぱりこの映画は「正統派ゾンビ映画」だ。
でも、伝わらないだろうし、伝えるのも大変だな。
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