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2020年03月25日08:16

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百田尚樹著「戦争と平和」読書感想

「戦争と平和」といえば、
ナポレオンのロシア侵攻を描いた
トルストイのフィクション小説
(ナポレオンのロシア侵攻自体は史実)
が有名だけど、
残念ながら読んだことがない。
読んどいた方がいいのだろうか?
と思いながらも、大作過ぎて疲れそうw
さらに、作者のトルストイは、
自分の戦争体験を反映させて
この小説を書いているのだけど、
その戦争のどれも、トルストイが与する
ロシア側からの侵略戦争であり、
防衛戦争に係わったことは
ないという前提付き。
クリミア戦が防衛といえば防衛と
いえなくもないが、
あれはロシアが不当に侵略した
クリミア半島を連合軍が
奪還する目的の攻撃に対しての
迎撃戦であるから、ロシアに非が有る。
というわけで、
純粋な防衛戦を
体験してないトルストイが
非暴力主義になったとしても、
それは説得力に欠けるね?と思ってしまう。
同じ非暴力主義を貫いた、
ガンジーもキング牧師も、暗殺されている。
非暴力主義では
守れないものが有る所作だろう。
個人が自分一人で非暴力主義を貫くのは
どうぞご自由にと思うが、
お願いだから、人を巻き込むなとは思う。

というわけで、
トルストイとはたぶん、
意見を同一にしない、
百田氏の「戦争と平和」論の感想。

の前にw

劇場版パトレーバー2において
陸幕調査部別室
(そんな名の機関が有るのかどうかは不明)
の荒川茂樹が主人公(?)の後藤喜一に
こんなセリフを言っている。
「前の戦争から半世紀、
俺もあんたも生まれてこの方、
戦争なんてものは経験せずに生きてきた。
平和…、俺たちが守るべき平和。
だがこの国のこの街の平和とはなんだ。
かつての総力戦とその敗北、
米軍の占領政策、
ついこの間まで続いていた
核抑止とその代理戦争。
そして今も世界の大半で
繰り返されている内戦。
民族衝突、武力紛争。
そういった無数の戦争によって
合成され支えられてきた、
血まみれの経済的繁栄。
それが俺たちの平和の中身だ。
戦争への恐怖に基づく
なりふりかまわぬ平和。
正当な代価を、
よその国の戦争で支払い、
そのことから目をそらし続ける
不正義の平和。」
「あんたが正義の戦争を嫌うのは良く判るよ。
かつてそれを口にした連中に
ロクな奴はいなかったし、
その口車に乗って
酷い目にあった人間のリストで
歴史の図書館は一杯だからな。
…あんたは知っている筈だ。
正義の戦争と不正義の平和の差は、
そう明瞭なものじゃない
平和という言葉が
嘘つき達の正義になってから、
俺たちは俺たちの平和を
信じられずにいるんだ
戦争が平和を生むように、
平和もまた戦争を生む…
単に戦争でないというだけの
消極的な平和は、
いずれ実体の戦争によって
埋め合わされる。
…そう思ったことはないか?
その成果だけは
しっかり受け取っていながら
モニターの向こうに戦争を押し込め
ここが戦線の後方であることを忘れる、
いや忘れた振りをし続ける…」
このセリフを聞いたとき、
的確過ぎて鳥肌が立ったさ。
もちろん荒川茂樹はこの映画の中で
事の事態が
自分の身に降りかかることを恐れて
首謀者を内々に確保したかったという
野望があったわけで、
決して正義の人ではなかったけど、
このセリフには
一理も二理もあると感じたわけだ。

百田氏の「戦争と平和」を読んで、
この映画のセリフを思い出したわけです。

たぶんトルストイは
かの「戦争と平和」という小説の中で、
戦争の残酷さ、非常さ、
哀しみしか生まない現実を
描いたのだと思うけど、
降りかかる火の粉を振り払わないで
被る哀しみについては
考えなかったし描いていないのだろう?
だから非暴力主義になれたのだと思われる。
(決めつけだったらゴメンなさい)

現実には、我々の住む日本は、
今現在、戦線の後方なんかじゃない。
尖閣を狙う中国、
頭の上を通過する北朝鮮のミサイル、
韓国に不当に奪われた竹島、
北朝鮮に拉致された人々、
日本国内の内部分裂を狙う工作員、
着々と音もなく
中国に侵略されている北海道。
どこが後方なものか。
そして、なぜそれが
行われているかといえば、
それらを各国に思いとどまらせる法も力も
日本に無いからだ。

くしくも、北朝鮮の核武装を
米国と対等に話し合うための手段だと
のたまわるリベラルな方々がいるのだが、
その方便なら日本の武力増強も、
彼らは肯定しなければ
ならなくなるはずなのに
そうは言わない。
まさにダブスタだよね。

言葉にしなければ、想定しなければ、
その事態は起こらない。
そんな事態は存在しない。
そう思いたいのだろうけど、
まさに、百田氏の指摘する、
言霊信仰だよね。
一番下らない言霊信仰の例としては、
数字の「4」や「9」を避けるとか、
贈り物に「櫛」を選ばないとか、
病院見舞いに「鉢植え」は
持ち込まない
とかかね。
「4」は「し=死」だから、
「9」は「く=苦」だから、
「櫛」は「苦しんで死ぬ」
を連想させるから、
「鉢植え」は「病気が根付く」
を連想させるから。
もうほんとばかばかしいけど、
真面目にマナー本に載っていたりする。
結婚式の祝儀に割り切れる金額を包むのは、
別れを連想させるからダメ
というのもあるな。

大東亜戦争時の日本軍が
攻撃を受けた場合の対応策を
まるで講じてなかった
というくだりを読んでいて、
そういえばと思ったことがある。
あの、現代に創られたアニメ、
宇宙戦艦ヤマトにも、
ダメージコントロール専門の要員って、
設定されていなかった(^^;
機関士がメインで、
後は手の空いてる(?)
戦闘員や砲術員、航海士・戦術担当が
修理に参加してた。
戦中、あれだけダメコンの無さで
酷い目にあったのに、
アニメとはいえ、いまだにダメコンを
想定できないのか?日本(^^;

若干、話が脱線しているとは思ったけど、
「永遠の0」の制作秘話。
Amazonのレビューその他で、
「戦記物の盗作」という意見を見たのだが、
どのあたりが盗作なのか
示してくれた人はいないし、
実際、坂井三郎氏の「大空のサムライ」は
読んだことがあるけど、
「永遠の0」はこれをパクっている。
という話が、
全く納得できないでいたのだけど、
そんな些細な引用で、
パクリといっていたのかと閉口しきり…。
挙句、「きけわだつみのこえ」の方が
文学として優れている。
という意見の人までw
いや全然テーマ違うでしょ?とww
「永遠の0」は決して戦争賛美でも、
零戦賛美でもないのだけど、
何処をどう読んだら、そうとれるのか、
謎過ぎる。
と思っていたのだけど、
岡田准一が主演した
映画を見た女子学生が、
TV取材に感想を聞かれて、
「特攻隊、かっこいい!」
って言ってるのを
聞いたときは、さすがにずっこけそうに
なりましたさ(^^;
確かに岡田准一はかっこよかったけど、
この話の見るとこ、
そこじゃねぇ〜し(^^;

ほんと、分からない人に
分かってもらう努力って、
大変だなと思う次第です。
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