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2020年02月16日21:27

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アド・アストラ

ブラピ、アカデミー助演男優賞おめでとうオメデトウ
「ワンハリ」で、ついにブラピがオスカーゲット!
遅かったな・・・今まで取らなかったのが不思議、という意見が巷にいっぱい。
ともあれ、よかったぁ〜わーい(嬉しい顔)

 「アド・アストラ」観ました。
ブラピの最新作(「ワンハリ」と同時くらい?)、彼はこの映画で、主演とプロデューサーを兼任していて、制作も彼の主催するプランB。
監督は「エヴァの告白」のジェームズ・グレイ。
出演者はブラピ以外にもトミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、ドナルド・サザーランド、など豪華俳優陣。
興行収入も126,617,744ドル、というから129億円くらい?
大ヒットですね。

たまきは実は、「Once upon a time in hollywood」とこの映画が1日違い?くらいでレンタル開始されていたので、最初にこっちを観そうになったのです。
でもその頃、ブラピが「ワンハリ」の方でアカデミー賞にノミネートされたりゴールデン・グローブ賞を受賞したり、という上を下への大騒ぎが始まっていて、「これは先にワンハリ観なきゃ」というので先に観た、という経緯があったのです。
そしたら、「アカデミー賞受賞」が決まるまではワンハリに集中して、他のは観ないぞ、というノリに勝手になって、心の中では「今か、今か」と「アド」を観るべく、待ち構えていました。

というのも、チラ、と予告の動画を観たり、宣伝文句を観たりする限りでは、「アド」の方がたまき好みだったから、です。
それを観て「こっちの方がもっと面白かった」なんて書いたりして、SNSで掲載すると、どこをどう巡ってアカデミー賞審査員の目に触れるやもしれず・・・・いやいや、私達の取るに足りない、と思い込んでる書き込みだって、どこでどう
何に影響するやらわかったもんじゃありません。
それで、こっちは観るのを控えていた、という事情なのでした。
だけどこれを普通のSFものだ、と思って観るのは間違いです。
実際に観てみてわかりましたけど。
それこそ「スターウォーズ」みたいな系統のものとは、完全に違って、こちらは「作家性の高い」作品なんですね、ブラピのインタビューからの言葉を引用すると。
その分、ハリウッド映画には珍しく、エンターテイメント系
からは少し遠い感じ。
文学性が高い。たまきの言葉で言うと。


あのね。
たまきはこの映画を観た直後に、変なこと考えました。
あの・・・
ブラピって離婚したでしょ?
この映画はその直後くらいに撮っていて(でしょ?)、彼はね、その頃確か、大勢の子供に囲まれていたのが急に一人になって、孤独で、セラピーにかかっている、と言ったのですよ。
そしてそれがけっこう気に入ってる、と別のインタビューで
言ってました。
ここでちょっと話がずれるけど、宇宙飛行士って、心身健全であることが非常に重要で、能力的にも大変な難関をくぐった人達。エリートですよね。
そして彼らは、この映画でわかったのだけど、しょっちゅう
心身の状態が正常かどうか、係官に検査されるみたいなんですよ。
特に精神状態が健全かどうか?は大変に重要みたいで、少しでも彼らの考える「正常」な状態から外れている、と判断されると、即、任務を解かれて地球に送り返されるみたいなんですね。
任務の重要度によっては、ということかもしれないけど。
ブラピ演じるロイ・マクブライドも、しょっちゅうチェックをされるんです。
かなりしんどそうですね。
たまきなら、「ユングか、彼が信頼できる、という太鼓判つきの人以外、お断り」と言っちゃいそうです(チョー我儘)。
「君ら素人に心理分析される謂れはない。
私の方がわかってる」なんて心の中で豪語してるから。
でも勿論、ロイの立場ではそんな贅沢は許されず、誰だかよくわからない、姿の見えない人に向かって(声だけ聞こえてる)自分の心の深部までさらけ出して、精神面を述べる姿は、神に向かって懺悔するキリスト教徒のようでした。
それがね、ブラピの以前言っていた、「今、セラピーを受けている」という言葉を思い出させたのです。
そして、この映画は「プランB」制作で、ブラピは製作者なのです。
だからこの脚本を選んだのは彼なんですね。
それでたまきは、「彼自身が経験した孤独と克服の経緯を思わせるな」なんて考えたの。

「孤独」がテーマの一つなのですね、この映画は。
「他人との間に壁を作ってしまう」ロイの、幼少時からの問題点にスポットを当てている。

人は「壁」を何故作るのか?
それが問題となり、映画のテーマとなるような国なのですね、アメリカって。
羨ましいな・・・とも思ったりした。
日本ではそれって当たり前、日本人は皆壁作ってますよ、他者と自分の間に。
その自覚があるかないか、の違いはあっても。

ロイの、父親との関係がもう一つのテーマ。
この父親が、「仕事を最優先する人で、家族を顧みない人だった、だから彼は子供を持つべきではなかったのかもしれない」
というブラピの発言は衝撃的。
あのね、あの、ですね、それ・・・それ!
日本人の99%は「家族より仕事を優先」という父親で成り立ってませんか?
たまきには、そうじゃない人が存在する、ということがショックなんですけど。
99%は大げさでしたか?
例外はもっと多いのかしら?
でもまあ、普通は仕事を優先、ですよ、日本人て。

それはね、どこからくるのか?というと、昔の日本の「武士の規範」からだ、とたまきは考えてます。
「武士たる者、”主”を最上に置き、家族よりも、そして自分自身の命よりもさえ、”藩主”が大事、自分の命は主に捧げている」状態なんですよ。
何事か一大事が起こった時、真っ先に駆け付けるのは主のところに、であって家族の安否など、後回し、「主」に命を捧げる為にいそいそと彼のもとへ、と駆け付けるの。

この精神が、未だに脈々と息づいているせいだ、とたまきは思っております。
「主」が「会社」「仕事」に変わっただけ、というと言い過ぎ?少しはましになってるかもしれないけど、基本的に家族をあまり顧みない、仕事優先であることは、残念ながら確かです。
友情も、「個人」や「プライベート」すら、「主」である
会社や仕事に捧げちゃってます。
童貞もささげたのかも。愛も、夢も希望も未来も、全てを
捧げて、生涯愛し抜くのです。

アメリカって、そうじゃないんだ・・・という発見がショックです。
映画を毎日観始めた7〜8年前から、徐々に感じていたことだけど。
それでいて、そういう男と結婚した女性達は、卵子も純愛も
処女も、快楽も、夢も将来も誠実も生涯の時間も、全てその
「会社に吸い取られてモヌケノ殻」の男達に捧げまくっちゃってるから、たまったもんじゃない。

たまきはそれがいやで、離婚して「何物(者?)にもまだ吸い取られてない」学生と一緒になりました。
そしてその彼と別れた後、今でも一人です。
「吸い取られ男」と一緒になるよりは、一人の方がいい、と
思ったから?
さぁ・・・ま、縁がないだけかもしれません。


話がずいぶん脱線しましたね。
ブラピはある意味、この映画で最高の演技をしたのかもしれませんね。
いつもの彼と違って、非常に内向的なキャラクターを演じていました。
これは、彼に近いキャラかもしれない、と感じました。
ただね、人間て皆、「24人のビリーミリガン」です。
とたまきは思ってます。
多重人格なんですよ。そうじゃない、と思ってる人は、自分をよくわかってないだけです。
もしこの世に神がいて、彼を全く違う時代と状況に身を置かせたなら、自分でも思いもよらなかった「もう一人の自分」を発見して驚くでしょう。
だから、「ワンハリ」のクリフもブラピの一部、ロイも彼の
一部の性格なんですね。

16年前に宇宙で消息を絶ったまま、安否も知れなかった父の謎を解く旅・・・
月から火星、そして海王星へ。
そうそう。
この「アド・アストラ」というタイトルはラテン語で、「星の彼方へ」という意味のラテン語なのだそうです。
43億キロ。
海王星。
冥王星が惑星じゃなくなったから太陽系の一番遠い、端っこの惑星ですね。

お父さんのクリフォード・マクブライドは大変なエリートで、有名な宇宙飛行士、そして地球外生命体、特に知的生命体を探査する、という「リマ」計画のリーダーとして旅立ち、それきり消息が絶たれた。

その謎を追う旅は、英雄の父に憧れて宇宙飛行士になった息子のロイにとって、そのまま「父」を探す、「失った愛」を、その行方を探求する旅でもありました。
父が、元々家族を顧みない、仕事優先の人であった上に、誰にも事情がわからないまま、広大な宇宙に消えてしまった、ということが、彼に深い心の傷を残していたからです。
それを悲しむあまり、他人との関係もうまく築けず、妻とも
離婚して、孤独のうちに暮らしていました。
だけど、決して孤独が好きだったわけではなかった、ということがわかる映画のラストシーン、よかったです。
胸にジーン、と迫って来た。

父親のミッションと宇宙へと消えた謎探し=自分探しの旅43億キロ。
ようやく、自分自身と巡り合え、人との本当の愛や人間関係が築けるのでしょうか?

たまきは、ですね、この映画を観ていて一番感じたことは、
「地球がいかに素晴らしい星か」ということでした。
改めてそれを感じさせてくれた。
生命が宿る、星。
つい孤独を求めてしまうほど人が多く、生命に満ち溢れている星。
こここそ、「奇蹟の星」であり、43億キロの旅をしてまで、
たどり着くべき、「最終地点」なのだ、と思わせるほど、広大でその分人を孤独にさせる宇宙。
生命のない世界って、「無」なのだ、ということも、この映画を観ていてわかった。
人間を含めたありとあらゆる生命。
それこそが「幸福」であり「人生」「豊かさ」ということなのだ、とこの映画が教えてくれた。

だいたい、「リマ」計画が途中で問題が起きたのも、長い
宇宙探査の途中で、孤独のあまり精神に異常をきたした人達のことが引き金になってる。
そういった、「人を人として幸福に、正常に保っているのは何なのか?」ということを改めて考えさせられる作品。
確かに、作家性の高い映画です。

最後に、映画について検索した中で、いい記事をみつけたので参考までに。

 *CGやブルーバックでの撮影も極力少なくし、例えば月でのバトルシーンなども、砂漠でロケを敢行している。プロデューサーとしても本作に関わっているブラッドは「これまでのSF映画で見たことがないアクションシーンを意識的に入れた」と言う。

この映画に関して、批判の声を一つ見つけました。
それは「映画というよりドキュメンタリーを観てるみたい」というものです。
まあ、そのくらいリアルな映像、怖いくらい美しく、「無」の世界(広大な宇宙)を描いてます。

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