今年は例年通りとはなかなかいかないのですが、電車の中で座れると読書の時間です。
「大名絵師写楽」野口 卓著 2018年9月25日発行 新潮社刊 読了
大変楽しく読ませて貰いました。
そして何よりは江戸を熟知して「ダウト(嘘)」が無かったからです。
で、写楽は誰? の謎解き小説では無く、江戸の文化を背負った蔦屋重三郎の苦悩も描いてます。
勿論 写楽はこの人 という揺るぎ無い自信から書き上げたんだと思います。
で、今まで読んだ中で一番信用出来そうな人と背景でした。だから面白い!!
作者は昭和19年徳島市生まれの方です。
徳島は、旧国名が「阿波の国」です。そんな事から書いたのだと推理します。
斎藤 月岑著「東都歳時記」の中に出て来る阿波の能役者・斎藤十郎兵衛である。
と言うわずか三行にも満たない文章からこの小説を仕上げた・・・只々 凄い!
私も映画「写楽」篠田正浩監督作品に出た時に、色々と読ませて貰いました。
最後のページに参考文献が出てましたが、何冊か読んでました。
映画(皆川博子原作・脚本)は下回り役者(俗に稲荷町)とんぼ と言う役名で真田広之さんが演じました。
その正反対に居る(江戸時代の社会的地位) 大名では無いか?
と言う推論 その証拠を上げていき、納得させるだけの知識。
今は 写楽は蔦屋重三郎工房の作品 と言うのが定着した様ですが、写楽に興味のあるかたはぜひご一読を!
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