2019.11.23 18:00〜 於:みなとみらいホール
(前半)
リムスキー=コルサコフ
スペイン奇想曲 op.34
ロドリーゴ
アランフェス協奏曲
(ソリストアンコール)
フランシスコ・タレガ
アルハンブラの思い出
(後半)
リムスキー=コルサコフ
交響組曲<シェエラザード> op.35
(オーケストラアンコール)
リムスキー=コルサコフ
歌劇「雪娘」より 軽業師の踊り
指揮:大井 剛史
ギター:朴 葵姫(パク・キュヒ)
コンマス:田野倉 雅秋
ソロ・チェロ:辻本 玲
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
細かく冷たい雨が降る土曜日、アイドルコンサートで大混雑のみなとみらいへ・・・
実はこの日、朝から大変な鼻水とくしゃみ(寒暖差アレルギー的な)で、鼻スプレーやパブロンも効かず、ティッシュを突っ込んで昼寝をして(大丈夫かな・・と)起き上がるとまた流れる・・・という状態。折からの雨とそれほど「ときめかない」プログラムに一旦は外出を諦めましたが朴さんのギターはやはり聴きたく、ダメ元で会場に向かう事にしました。
途中、薬局で「水なしで飲めて直ぐ効き、眠くなりにくい」という夢のような薬を求めその場で服用しますが、30分ほどしてホールに着いてもまだ効き目は現われず、奥田先生の事前解説を聞く間もハンカチが手放せませんでした。
ところが、開演15分前くらいになるとピタッと鼻が止まり、なかなか良い感じに。。
そのまま1曲目の「スペイン奇想曲」へ突入です。華やかな夜明けの音楽が副作用で少し眠くなっていた頭を覚醒してくれます。と、同時に艶があり、しなやかな独奏ヴァイオリン・・9月からコンマスに就任した田野倉さんの音です。
前回はキレッキレの千葉さんの隣で同じく無駄の無いそのフォルムに見とれていましたが、今回はそこから造り出された音をじっくり味わう事に。各楽器のソロが目立つこの曲は1つ目の演目にもかかわらず演奏後に大井さんは各奏者を立たせ活躍を称えていました。
ホルンは無難、イングリッシュホルンとファゴットは素晴らしく、フルートはいつもの真鍋さんではありませんでした(難波さん?)が抑揚が効いた良い演奏でした。
2曲目はグッと編成が小さくなって、指揮台と中央の朴さん(ギター)の演台を取り囲むように舞台が整えられます。小柄な体で大事にギターを抱えながら奏でる軽やかで味わいある音が温かく会場に拡がります。一方で主旋律のメロディーを弾きながら心地よくトレモロを刻み続ける、その音に脳味噌が撹拌されて毛穴から流れ出そうな気分です。(意味不な例えですみません)
アンコールのアルハンブラは更に滲みます。いやあ、いいものを聴かせていただきました。何度聴いても良い物は飽きません。
後半はメインの「シェエラザード」
1曲目のスペイン奇想曲で何となくどんな演奏になるかは予想が付きましたが、大井さんはなかなかの迫力で日本フィルの美しい弦と元気な管楽器を引っ張ります。
海軍出身の作曲家の「まさに波に揉まれる」ノリノリの音楽を期待していたのですが、演奏そのものは聴く者の感情を奪うような感じではなく中立的。一方で田野倉さんのヴァイオリンはまるで彼が見てきた物語を語るようなしっとりとしたもの。
それはそれでとても良かったのですが、演奏としては(私個人の趣向に合っていなくて)途中ホルンのカチャカチャ(水抜きの音)や、近くのお客さんの寝息、客席の咳やくしゃみ(季節柄これが多かったですね)が気になったりでなかなか集中できないものとなってしまいました。
あっ、でも、チェロを始めとする弦楽器やフルート、オーボエ、イングリッシュホルン、クラリネット、ファゴット、トロンボーン、パーカスもろもろはとても素晴らしかったです。
でも、アンコールはそうしたもやもやも吹き飛ばしてくれる軽快な演奏でスッキリして帰宅できました。なんだかんだで、やはり生は良いです。これでまた一か月頑張れます!!
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