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2019年08月05日20:17

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存在のない子供たち・サマーオブ84観てきたよ

■存在のない子供たち
原題はCapernaum。これはどうも地名で、イスラエル北東部、ガリラヤ湖北西岸にあったキリストの伝道の本拠地らしいです。映画の冒頭に十字架モチーフが出てくるのですが、どういう意図なのかはよく分かりません。舞台はレバノン、ベイルートなので、もちろん登場人物達の信仰しているのはイスラム教です。特にネタバレを恐れる必要もないので、かいつまんでストーリーを説明します。主人公はどこにでもいそうな12歳(くらいの)少年。学校にも行かせて貰えず、多くの弟妹を養うために雑用で日銭を稼ぐ毎日。一番歳の近い、仲の良い妹(おそらく11歳)が、家主の元に強制的に嫁がされることになってしまい、子供を売る両親に反発して家出します。やがて難民の女に拾われ、その息子と3人暮らしを始めますが、女は不法滞在・不法就労中であり、当局に検挙され収監。子供を取り上げられることを恐れ、子供がいることを話さなかったために、主人公は乳幼児を抱えて二人暮らしとなってしまいます。薬物売買で小金を貯めながらさらに荒んでゆく少年は、住処を追われ生活のすべを失い、幼児を(そうとは知らず)人身売買ブローカーの手に渡してしまいます。少年自身も国外脱出の手引きを受け身元を証明する書類が必要と言われ、実家に戻ることに。そこで少年は、自身の出生の証明がないこと、妹が妊娠後に病気のため無くなったことを知り、激情に駆られ妹の嫁ぎ先の男に刃を立てます。少年刑務所に服役中母親が面会に来て、妹の喪が明けてないのに喪服を着ていない理由を尋ねると、子どもが出来た、喜ばしいことが起こったからだと。当然少年は、また生むのか、そして今度も弟か妹を売るのかと思ったでしょう。彼はやがて生放送番組に電話をかけて、『自分を生んだ罪』で両親を訴えたい、と話します。願いは聞き入れられ裁判が始まりますが、両親は自分達は社会の被害者であり、訴えられる理由が分からないと抗弁します……。最初から最後まで絶望しなかい。出てくる人が誰も彼も不幸。両親も子供を売らねば生活できないことに罪悪感はあるのですが、それでも売られる方の子供としては、生活するための金もないのに避妊もせず子供を作るなと言わずにいられない。主人公は徹底的に無表情で、最後に一瞬だけ笑顔を見せるのは、(おそらく収監手続きの一部として)身分証明用の写真を撮る時だけ。大人や社会に反発し抗いながらも、目はずっと死んだままというのが哀しい。とても心にダメージの大きい映画でした。おすすめです。

■サマー・オブ・84
原題はSUMMER OF '84。1984年の夏、ですね。アホアホな高校1年生の15歳4人組の少年達が、連続殺人鬼を追う、という話。すごーくジュブナイルっぽいひと夏の冒険映画に見えるのですが、ジャンルはサイコホラーです。冒頭は主人公の独白『連続殺人鬼も誰かの隣人だ』で始まり、ラストも同じです。結末は、煽り文句の通りにとても衝撃的。これはネタバレ厳禁な種類の映画なので、もう何も書けないな。感想短いけど、ワクワクして恐くて、とってもおすすめです。見れる人は観た方がいいよ!

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