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2019年07月13日23:10

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第4639話  行方不明の刃物

期日前投票完了。
一応言っておくと、バイトといえども選挙従事者のなので今回の選挙に関してどうこうは言えないのでご了承ください。
しかし、これだけは言える選挙に行こうね。
今らな情報収集はしやすくなったので、しっかり考えて一票を入れてね。

どうも、ともんじょです。

ディストピア!
今世界中が片足を突っ込んでいるような気がしてならないのです。
何も核戦争で荒廃したサバイバルな世界だけがディストピアではない。
暴力だけが支配する世界だけがディストピアっていうわけじゃない。
知性を奪われた世界もディストピアです。
今回「華氏451」っていう小説を読んだんです。
これは60年以上前に出版されたSF小説です。
近未来の世界が舞台で、その世界では本を読むこと持つことを禁止されています。
そして主人公「モンターグ」は本の所持を取り締まる「ファイアマン:昇火士(しょうかし)」として本が発見されればそれを焼却処分する仕事についていました。
ちなみに、華氏451っていうのは紙が燃える温度のことをいいます。
ある日モンターグは近所に住む一人の少女に出会ったことをきっかけに、この世界に疑問を抱き始めます。
話の展開としてはよくあるやつですよね。
ええ、この後の展開は予想通りです。疑問を持つ、反旗を翻す決意をする、邪魔される、仲間を見つける、逃亡・・・っていうのはディストピアモノには斬っても離れない展開なのでそこらへんは放っておきましょうか。
問題はこの世界観ですよ。
本を禁じられた世界、その代わりに映像技術が発展していてテレビが常に何かしらの情報をくれるし、なんだったら話し相手にもなってくれる、
一方で本は常に人を惑わすことしか書いていないから危険だっていうことになっています、平たく言うと本は有害だってことになっています。
現実世界でギリギリ立場は逆になっていますよね。
「テレビを見るとバカになる」っていうのはまだやんわりと残っていますよね。
そういうボクもこの番組は害悪でしかないって思っているモノもあるから。
けど、その一方で本なんて読まない、難しい話なんていらない、知らないことなんて知っている方がおかしいっていういわゆる「反知性主義」的な風潮もありますよね。
この反知性主義にももう一つの意味があって、都合の悪い情報は遮断する受け入れないっていう考えも反知性主義に含まれます。
小説の世界も、与えられたものだけを知っていればいい、垂れ流される情報を受身で受け入れれば問題はないっていう思想なわけです。
これって結局、知性と教養とを持つことだけじゃなくて、リテラシーも身につけなければいけないってことですよね。
今の時代はこれは個人個人が身につけなければいけないわけです。
が、この小説では国家によって知性も教養もリテラシーも奪われてしまっているんです。
自分で考えること、思うこと、知ること、調べること、疑問に思うこと、発言すること、
これを奪われたらその世界もうディストピアです。
なんか現実世界でもこの前兆が見え始めているような気がしてならない、
こういうことを言いだすと口をつぐもうとする連中がネット世論なんかでも出てきているじゃないですか、為政者たちもそれを望んでいるような片鱗をみせ始めている。
「1984」と「華氏451」の世界は現実にしてはいけないんですよ、ホントに。

華氏っていう温度の単位、日本ではなじみはありません、アメリカでしか使っていないからね。
水が凍ったり沸騰したりするのを基準に作られたのが「摂氏」です。
一方で体温を100にして作られたのが「華氏」です。(もっと詳しい解説があるんだけどとてもムズいので割愛)
でさ、母の職場で冷蔵庫の温度表記が「℃」から「°F」っていう風に変わってしまっていたんですって。
それに気づいた母は「表記が華氏に変わっっちゃってる」っていったのに対して、
職場多くの職員が「そんな華氏だなんて聞いたことない、そんなものあるわけない」って、
こぞって母を非難したそうです。
ね、知性と教養がないとディストピアでしょ。
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