29.流転の薔薇 加藤 元 ☆☆☆☆
「銀幕の花嫁」と謳われたのは、溝の中で育った勝気な女。
地主の父親と芸者の母親の婚外子で、母親と東京の外れの長屋で暮らしていた千鶴は、ある日、父親の家に引き取られた。
腹違いの美しい妹・鈴子との出会い、暗い欲望をもった兄との禁断の関係を経て、ひょんなことから女優の道を歩み始めることになる。
理想の花嫁像として国民的人気を博していく千鶴に回ってくるのは、いつも本人の実像とは程遠い、純情で貞淑な役柄ばかりだった。
30.蕎麦、食べていけ! 江上 剛 ☆☆☆☆
かつての賑わいを失った温泉街に育ち、地元の信用金庫に勤める勇太は、蛇神伝説をもとに新たな祭りを開催し、観光客を呼び込もうという地元活性化案を企画した。
その目玉として、大蛇神輿と高校生の蕎麦打ちイベントを提案する。
その頃、春海たち高校生も全国高校生蕎麦打ち選手権大会に出場のため特訓に励んでいた。
そんな中、東京のメガバンクに勤める勇太の兄・勇之介が、リゾート化計画を引っ提げてやってくるが。
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