私の兄が小学1年生の頃、母に「学校行きたくないんだよね。」と言ったことがあるそうです。
小1の兄によれば、とある男の子にいじわるをされているとのことで、母は大変心配して学校の先生に相談に行きました。
すると、それからはそのいじわるも一切なくなったそうで、しばらくしてその男の子はうちに遊びに来るような普通の友達になったそうです。
兄の担任は定年間際の女性の先生で、当時のいじわるというのがどの程度のものだったのかは定かではありませんが、恐らくは先生の方でその男の子を怒っては諭してくれて、事が収まったものと思われます。
なぜこんなに簡単にいじわる(いじめ)が収まったのか、簡単に言えば、それは当時の先生には「ゲンコツ」や「ピンタ」などの鉄拳制裁が暗黙に認められており、先生方に一定の威厳を子供達全員が感じていたからです。
時は流れて現代、ちょっとした「ピンタ」すらも体罰ということで認められなくなり、学校の先生の威厳も相当薄れてきた印象があります。
もちろん、体罰をなくすというのは世界的な流れでもあり、それに逆行しようとは思いませんが、何事にも良い面と悪い面があるもので、昔よりも学校の先生の言うことを子供達が聞かなくなったことは、長い間子供達と接してきて立場として、ほぼ間違いのない事実として感じています。
ちなみに学級崩壊が起こり始めた時期と、体罰禁止が言われるようになった時期はほぼ一致しています。
今の時代、我が子がいじめを受けたとしても、学校への連絡で簡単に事が収まることばかりでなく、何度もお願いし相談しても全く改善しないということも、巷でもニュースなどよく聞くものです。
もちろん、体罰などしなくても力量のある先生は子供達を抑えることができますが、実際にはそのような先生ばかりでもないのは、現代の子を持つ親御さんの共通の認識のようにも思います。
そういう時代にあって、我が子がいじめを受けたらどのように対応すれば良いのでしょうか。
まずは当然のこととして学校に相談してみるというのも一つで、これで解決すれば何の問題もありません。
しかし、それで上手くいかない場合は、次はいじめている子の親に直接言わざるを得ません。
これを躊躇するのが事態を悪化させる最大の要因であり、「子供に任せる」とか「もう少し様子を見よう」などと言っていては絶対にダメです。
相手の親に直接言ってその時は多少なりとも軋轢が生まれたとしても、子供の世界こそ時間が解決することが多いもので、また我が子にもそのことをしっかりと話して、子供のために真剣に取り組んでいる姿を見せることで、子供自身も物事に立ち向かう勇気が出てくるのです。
世の中にはモンスターペアレンツのようなわけの分からない親もいますし、そうでなくても親に直接言ったからと言っていじめが収まらないこともあるかとは思いますが、その可能性は実際それほど高くはありません。
それは、普通に話の分かる親御さんの方がモンスターペアレンツなどよりも圧倒的に多いのものですし、現代の子供達が以前よりもある意味成熟しておらず、親に対して反抗してくることが少なくなっているばかりか、面倒なことを避けようとする傾向がより強くなっているからです。
いじめはやはり、いじめても大丈夫そうな子を狙うもので、「こいつの親はうるさそうだな」と思われることで相当程度防御できるのです。
そして仮にそのようなモンスター親に引っかかってしまい悪態をつかれたり、何度か交渉しても事態が改善しなければ、その時はその時できっぱりと転校を考えることです。
これもなかなか思い切りが必要ではありますが、子供が嫌々学校に行き続けて毎日心を痛めるとか、不登校になったり、もっと最悪な事態になったりということを考えれば、多少無理をしてでもやるべきです。
ここまでやらないと今の時代、我が子は守れません。
最終的には、親が何としても我が子を守っていくという責任を背負うこと、そのことを子供に感じさせることが、子育ての基本と言えるのかもしれません。
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