【日常】錆びたエクスカリバー

★…そんなわけで今日から本当の年末休み。昨日は午後から成人式の会場準備だったが、夕方からのケーブルテレビ収録は先方の都合で来年正月4日に延期となり、残すは夜のお客さん対応のみとなった。

★この日は外気温-5℃、薄曇りで時折雪が舞うという天候で、普通ならお客さんも来そうにない晩だったが、「今日必ず来る」と言ってくれていたお客さんが一組ある。地元でAETをしている女性と、その旦那さんだ。

★仕事に教育のことが関係している人はよく知っていると思うが、AETというのは「Assistant English Teacher」の頭文字で、国主導で日本の各自治体に派遣されている外国人の小中学校英語指導助手さん。なんか最近はALT(Assistant Language Teacher）というらしいけど。みんなほぼ1年限りの任期だが、いろんな人がいて面白い。ウチも一応教育委員会の施設なのでちょっとばかり縁があり、これまで受け入れ時の通訳係をやったりしたこともあって、何人かとはお友達にもなった。

★もっともここ数年はAETの皆さんとはほぼ没交渉。しかし先日、近隣自治体のAET仲間の皆さんが連れ立ってウチに遊びに来てくれて、そのうちの一人が「今度旦那が来日するので連れてくる」と言ってくれていたのは先日日記に書いた通り。

★お二人は約束通り、19時ごろに来てくれた。案の定他にお客さんはなく貸し切り状態。星が見えそうもないので軽く施設紹介だけ…と思っていたが、途中で雲が切れ、なんとか天体観望できるようになった。

★いい加減にしか聞いていなかったので前の日記には「ロシア人とアメリカの旦那さん」と書いてしまったが、今回よく聞き直したところそれは間違いで、正しくはお二人ともロシア系のエストニア人。英語がネイティブでない国からのAETは珍しいが、エストニアとウチの市は交流があって、その関係でこちらに来たということ。エストニアにはウチの市と同じ名前の「サク」市があり、姉妹都市協定を結んでいるのだ。

★奥さんはAETとして来日するくらいだから日本語も英語も堪能。旦那さんは日本語はダメで、英語を少々。結局日本語と英語とエストニア語で語り合うという、なかなか面白い観望会になった。

★私はかつて学習塾で英語を教えていたこともあるので、こういう時はちょっと気張って英語で解説したくなる。最初は曇ってよく見えなかった「すばる」を、晴れてきたのでもう一度見る時とか
「This is what I wanted to show.　Let's see again. It's as beautiful as your wife!」
…なんてなことを言ってウケを取ったり（笑）。

★ほかにも和名「すばる」の由来とか、車の「スバル」との関係とか、オリオン大星雲が光る仕組みとかもアヤシイ英語でいろいろ説明。「すばる」のエストニアでの名前も聞いたりした。向こうではヨーロッパ標準の「Pleiades」の他に、原語ではなんというのか聞き取れなかったが「天の茶漉し」という意味の名前があるとか。あと何話したかなあ。星占いと天文学との関係、黄道の話なんかも頑張ってしたなあ。

★しかし悲しいかな、私のもともとpoorな英語力は使わないうちにだいぶ錆びついてしまっていて、言いたいことがなかなかうまく言えない。これでも昔は仲良くなったイタリア系アメリカ人のPaoloさんと平気で数時間談笑したりしてたんだがなあ。あとやっぱりヒアリングが難しくて、一度ですっとはなかなか聞き取れない。でもそこはお二人の知性と理解力でカバーして貰えて、けっこう楽しい観望会にはなったと思う。実際私の拙い英語を「錆びたエクスカリバー」と自嘲したらすかさず「エクスカリバーは錆びないでしょ！」とツッコんでもらったり、お二人とも言語力のみならずギリシア神話やアーサー王のお話にも造詣があるご様子。

★見た後で暖かい部屋でちょっと談笑。なんと旦那さんは弁護士だそう。なるほどお二人ともintelligentなわけだ。

★…とまあ、今年最後の仕事は私にとっても勉強・修行になる、楽しく有意義なものになった。…言語中枢がだいぶ疲れたけど（笑）。

★まあ今の私の英語力なんて、たぶんネイティブの小学生程度だよなあ。特に動詞の語彙が少ないのが致命的。いずれ修行を積みたいものだ。そして機会がある時には、ビビらずにどんどん喋っていこう。

★さて今日は晴れたら撮影に出撃…と思っていたが、ちょっと雲が多いなあ。もう少し様子見て、ダメだったら秋に録っておいたホークスのCSから日本シリーズの中継でも観ようか。