だいたい、社長自ら店頭で居眠りする会社は潰れて当然なのである。
・・・と、結論から申し上げたのであるが、諸藩に事情もへったくれもなく、勤め先が潰れて私は失業中である。
前述のような状態が2年ほど前からつづき、従業員もヤル気のないところを存分に見せつけていたら、ホントにお客さんが来なくなり、売上激減。
完全閉店と相成ったわけである。
おそらく、お客さんも通りがかりの人も、この店は私一人でやっているものと思っておられる方々が相当数いるのではないかと思う。
そもそも、真っ先にやる気をなくしたのは私である。
会社は私の仕事っぷりを見ることなく評価することもない。
年寄社員がさぼるのを容認する。
多少大げさに言えば、私一人で働いていた。
私のことを絶えず見ているのはお客さん方であり会社ではない。
当然、評価してくれるのもお客さん方だけである。
なので、私は会社の方を向くことはなく、お客さんの方を向いて仕事をしてきた。
それでクビになるのなら大歓迎であると思っていた。
実際、社長から会社をたたむという話が出た時、残念3割・うれしい7割であった。
お客さんとの思い出は尽きない。
お得意さんのお通夜に出られたら1人前だと思っていた。
1人前になる前に、私の名前を1番最初に覚えてくれたお客さんをお通夜に呼ばれた。
無条件でなぜか凄いと思ってしまう、タレント、作家、職業を言ってはいけない人、実家が世界遺産の人・・・
会えなくなるのが寂しいと泣いてくれた人、意外とあっさり余所の店を紹介してくれという人・・・
売って終わりではない、その後のおつきあいが大切になのである。
そんな想いがある一方で、この先、多くのお客さんを路頭に迷わせてしまうのが心苦しい。
お世話になったお客様方には申し訳なさと感謝に気持ちでいっぱいである。
そして、捨てる神あれば拾う神あり・・・
世の中、未曽有の人材不足なのであった。
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