mixiユーザー(id:51725648)

2018年08月13日09:46

86 view

「山の背くらべ」岡山の民話

フォト

昔、日本原の北にある高い山が、ぷっくっくな顔「おれより高い山はなかろう。この国で一番高い山は、おれじゃ!」と、いつも自慢していたと。


それで、まわりの山たちは、その山を「高山、高山」と呼んでいたのじゃ。


ある秋もみじもみじもみじの、よく晴れた日、高山が、あたりを見回していると、ずっと西の雲の上に、一つの山が日の出(山)のぞいていた。


高山は、あの山日の出(山)は自分より高いのではないかと心配になった。


ぷっくっくな顔「おーーーい、お前はなんという山なら?」


日の出(山)「わしは大山(だいせん)だよ。この国で一番高い山だ」


ぷっくっくな顔「なにをいうか!おれが一番高い山じゃ」


日の出(山)「ちがう。一番高いから大山というのだ」


ぷっくっくな顔「ほんなら、どっちが高いか、背くらべしてみゅうや!」


高山と大山のてっぺんに、水たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)を流す長い樋(とい)がわたされた。そして、まん中に水たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)が注がれた。


たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)はこんもりと、盛り上ったままだったが、しばらくして、ゆっくりと大山日の出(山)たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)の方へ流れていった。よろこんだ高山は、


ウッシッシ「おれの方が高かったるんるんこの国で一番高い山はおれじゃハート」と、はずんだ声で言ったと。すると大山が、言ったのじゃ、


日の出(山)「いまのは練習だぞ。本番じゃない」


ウッシッシ「練習も本番もあるか。何回やろうと同じことじゃ」


日の出(山)「そんなら、明日本番をやろう。それでどっちが高いかを決めようexclamation


その夜、大山は、牛牛や馬馬を売り買いする大山牛馬市のまわりに、投げ捨てられている、牛牛や馬馬のわらで作った靴をたくさん拾い集めた。


それを樋(とい)と山の間にはさげておいたのだ。


日の出(山)「では本番をやろう!」


高山は、何回やろうと同じこと。大山のやつに赤っ恥をかかせてやると思っていた。


すぐに樋のまん中に水たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)が注がれた。水は盛り上ったままだったが、やがて高山めがけてゆっくりとたらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)流れていった。


背くらべに負けた高山は、くやしくて泣いたがく〜(落胆した顔)あせあせ(飛び散る汗)


泣き顔泣き顔泣き顔「ワーーーン、ワーーーン、ワーーーン」と泣きつづけた。


周りの山たちは、高山を泣き山と呼ぶようになった。


泣き山が、泣き山(ぜん)となり、いまの那岐山(なぎさん)となったのだと。






ちゃんちゃん


参考「岡山の民話より」





5 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する