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2018年08月10日02:30

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気分だけでものほほん『幼き自分へ』

《雪降る中の温泉旅行》

旅行に行きたいなぁ。
温泉旅行。
季節違うけど真冬の露天風呂がいいなぁ。
雪降る中の。
顔だけ寒くて首から下がポッカポカ…。

……いいねぇ〜。
考えるだけで気持ちいい。

いつの記憶だ? これ?
小学校時代か中学時代だな。忘れられない冬休み。
でも年齢忘れた。

厚みが10センチ以上はありそうなアイスバーンは笑った。道路の表示に手をあてがおうとしたら、透明な氷の表面に手が当たってそれ以上表示に近付けなくなる。
透明過ぎて氷に全然気付かなかった。直立すると、中を浮いているような錯覚。なんか気持ちいい。
車を運転する親父には悪夢だろうけど。

旅館に着いてロビーに向かう時、突風が吹いた。
俺たち家族は近くに樹木があったため、しがみつく事で難を回避。
でも、どこぞの家族は風に押し流されわーわーきゃーきゃー。紫頭のおばちゃんの叫びながら遠ざかる姿がなんか笑えた。慌てて飛び出たベルボーイに助けられてたっけ。

その後、吹雪の中の露天風呂。
寒いんだか暖かいんだか…。でも、これもまたいい。
問題は風呂を上がる時。少しでも行動が鈍れば体中が冷えてしまい、風呂に舞い戻る羽目になる。この日は一回の入浴で何往復した事か…。

…で、翌日。やっぱり風邪気味となった朝一番の入浴。
銀世界がひたすら眩しい。
吹雪は去り、快晴の空がこちらを見てた。
特に得るものは無い。でも最高の気分だ。

朝食は何かな? 魚じゃありませんように。


《『まんが日本昔ばなし』風な田舎》

景色がそのままアニメに使えそうな感じの親父の実家、福島。
山に囲まれ、夜は真っ暗。おふざけ気分で外に出る気にもなれないほど真っ暗。

出る気にもなれないと上で言ったけど、実は出た。2回だけ。そのうちの1つの想い出。

暗闇に覆われた近場の川が見たくて…、夜の川ってどう見えるのかが気になって、1人でこっそりと。
…で、まんまと親戚の子供らに補足されていた訳で、結局8人で。

しゃばしゃばと聞こえる水の音が、意外と大きくて。どちらかと言えばうるさい程で…。
でも、真上の月の白さが水面を輝かせていて。散り散りに光る反射がとても綺麗で。
引き込まれそうな、吸い込まれそうな、不思議な感じ。
手摺なんか無い橋の上。落ちたら登れない。どこかに流されるだけ。
怖くなってすぐに帰ったっけ。
でも、変な興奮は今でも残っている。ドキドキしたな。


山の中腹に小さな公園が出来た頃かな。目には見えても子供には遠過ぎる位置で、結局諦めた。
…で、俺以外がみんな女の子なものだから、そっち方面の遊びに移行する。
その日は四つ葉のクローバー探し。
田舎の田園地帯。田んぼのあぜ道。
あるもんだね、四つ葉のクローバー。
晴れた空の下。春か夏かも覚えていないけど、清々しい空気が気持ち良かったな。
今じゃ帰れない、あの頃。
いっぱい笑ったな。

四つ葉のクローバーは3人がかりで104本を数えた。最初の頃に見付けたクローバーがしなびてた。欲張りな俺たち。
半分はこれから合流する親戚にあげるらしい。

気付くと妹と親戚の女の子が一本ずつクローバーを手にしては何かを願っている模様。やっぱり欲張りな数だ。

俺も幾つか願ってみた。何を願ったのかはあまり覚えていないが、小学低学年の頃の話、身近な願いだろう。ゲームだのおかしだの。…きっとそんなところだ。
それでも一つだけマセタ願いを覚えている。

『みんなが幸せでありますように』

若造が、何を知ったような事を!
山の神が知れば、そんな答えが返ってきそうだ。


《崎房》

母さんの実家も好きだったな。
こちらは福島側と状況異なる男ばかりの親戚。女は少数。そして全員年上。俺が幼稚園の頃には既に中学生以上。男親戚には乱雑に可愛がられて泣かされて、女親戚に守ってもらって、…ハチャメチャな毎日。でも懲りない。

牛がたくさんいて、餌あげ手伝って。
子牛が生まれる時は毎回わくわくしたな。
生まれたての仔牛はすぐに立ち上がる。プルプル震えて足を踏ん張って。
毎回飲ませるバケツ一杯のミルクは俺の仕事。可愛がって撫でると手を餌と勘違いした仔牛に撫でた腕をすっぽり呑まれる。毎回ビックリする。お前もか!?
肩から下が無くなると思ったけど、歯がないからね。あぐあぐするだけ。くすぐったい。

仔牛に名前を付けたかった。毎回思った。
でも付けない。可愛がるけど、度を越えてしまうときっと悲しくなるから。


夜の仕事の時間、自分で出来る事が無くなると懐中電灯で遊ぶ。
光を月に向けて、『届いてるかな?』って。
当然、届くワケが無い。でも、その事実を知るのはまだまだ先の話。
何が楽しいのかなんて俺自身が分からない。でも、何事にも好奇心を抱いた幼少期。

犬がいて、鶏がいて、矮鶏(チャボ)がいて、山羊がいて、孔雀がいて、飼ってるわけじゃないけど、牛の餌の藁の中に猫家族がいたりして、動物だらけ。
あんまり気にしなかったけど、インコ、ウグイス、メジロ、とかの小鳥もいたっけな。あと、名前全然わかんないけど沢山の熱帯魚。
狭い敷地内には生命が溢れている。


《遊覧船》

…って言うの? 決められた小範囲の航路を船でぐるっと回って帰ってくるヤツ。

船は転覆とか沈没のイメージが強くてあまり好きじゃなかった。
でも、卒園旅行で連れ得て行かれた先に乗り込んだのがそんな船であって…。怖くて泣いた。
…で、今も鮮明に覚えている『パフコーン』とかいうスナック菓子を買ってもらって機嫌回復の安い俺。本当はチーズ味が好きだったけど、売り切れかなんかで無かったんだよね。だから仕方なしにコンソメ味で我慢。

そんなお菓子をかじる姿の写真があったっけなぁ。コンテナの上で笑う俺。
そして写真には無いけど、その少し後、船が揺らいでコンテナから落っこちて泣いたんだよなぁ。痛かった。パフコーンバラまいちゃって、それも悲しくて泣いた。基本的には今も昔もくいしんぼう。

どこの地域での旅行かは覚えていない。
でも、記憶に流れる『青空』が元気だった事だけは鮮明に覚えている。雲も眩しいくらいに白かった。


《ゆきだるま》

年下の友人とゆきだるまを作ろうとした事があった。
冬場の使われていない畑の中でゴロゴロ転がして次第に大きくなったそれは、…重くて持ち上がらない。雪ってこんなに重かったのか、と、初めて実感。

失敗とばかりに畑の隅っこに寄せて、気まぐれに蹴って割ると、なんだろう、見た感じ、見事な赤キャベツ。

面白くなって沢山の雪玉を作って隅に寄せてパカリ。こんなのを何回も繰り返して、ナンチャッテ赤キャベツ畑。20個も並べるとなかなか壮観だ。
次の日、畑の所有者にめちゃめちゃ怒られたという話。友人の親にそう言われて俺は遅れませのめちゃめちゃ説教。


地域的な問題で、珍しく大雪が降ると学校の授業が全校雪合戦大会になる。
あの頃の俺は雪を投げつける行為が嫌だった。なんか当てると相手が痛がりそうで。
…で、幼馴染のお馴染みの顔触れ女の子たちとミニかまくらとか雪うさぎを作って遊んでいる訳だが、雪うさぎの『目』になるあの赤い木の実っぽいのってなんだろうね?

大小の雪うさぎ人数分(5匹)を囲むようにして『目』について会議。一体なんだろう?
『なんだか分かる?』
1人の女の子が俺に聞く。
『男の俺に聞くな』
と、無知を隠すには無茶な返答。でもみんな素直。女の子同士で考える。俺、かまくら作り始める。
そんな時間切れ。
確か小学五年と六年で同じような事をした。
結局、雪うさぎ(シロウサギ)の『目』の正体は分かっていない。

なんだろうね、木の実のような赤い粒。
たまに映像や画像で雪うさぎを見付けると、未だに思い出す幼き疑問。
でも調べない。分からないままだからこそ、あの過去が生き続ける。


《帰り道》

小学生時代の帰り道はルートが決められていたものの、実に多岐に渡った。でも、反抗期とは全く関係ない。散歩のような感覚だ。

人数は日やルートによって異なったが、必ず一緒のメンバーは男1、女3の4人構成。
帰り道の探し物は特にない。道を変える事で見付けたい新たな発見も特には無い。あくまで気分の問題だったね。
…で、色々話すうちに不意に目にする『カタチ』に立ち止まったりして。その度にみんなで変な感動を覚えたりして。


『食べられそうな雲』を探して歩いた時はお腹が空いたな。午前上がりの土曜の帰り道。空を見上げてはトウモロコシだ、骨付き肉だとワイワイしてた。
見付けたものはなに? ピーマン、カブ、大根、ニンジン、たまご、パン、おさかな。どれも小学生レベル。それがいい。
気が付けばみんなで『ギンビス たべっこどうぶつ』の歌を唄っていたりして。

やがて近付く分かれ道。最初の脱落者は家の位置関係から決まって俺。

『今日は誰のうちに集まる?』
『じゃあ、さわの家!』
『さわんちね。わかった、またね』
『またね』

さわの家。さわはまたオルガン弾くのかな?
未だに曲名の分からない、彼女が得意とした想い出の曲。


単なる空き地が『菜の花』で覆われていた事に気付いた時は何とも言えない夢気分だったな。
滲む黄緑と黄色の二色にみんなで見惚れて…。はしゃぎ屋『みーこ』が菜の花畑に入り込んで、大人びた『ぽぽたん』が呼び止めても聞かず、世話好き『さわ』がみーこを追う。

そんでミツバチに追われる結果となった2人を庇って俺が盾になるけど、ミツバチは花粉を追ってみーことさわを目指すわけで。
結局ぽぽたんと一緒に2人を追って、追いついて、…4人まとめて笑って逃げる。

いつの間にか撒いていたミツバチ。それを確認して2人の体中を叩いて花粉を落とす。
手がほのかに黄色くなって、2人の体もほのかに黄色くなっていて…。そんな2人が俺とぽぽたんを指して言う。

『2人とも黄色いよ?』
『ほんとだ。あはは』

舞った花粉がこちらにも着いたらしい。4人仲良く真っ黄っ黄。
今日は誰の家で遊ぼうか?

そんな毎日。宿題道具を自転車のカゴに入れて。ほとんどやらないんだけどね。


《あとがき》

歳を取る度に停滞する記憶が増えるね。
楽しかったあの頃、悲しかったあの頃。
色々あるね。

記憶を大切に出来る自分って、いいなと思う。
いや、アホみたいな表現だけど、なんかね、唯一かな? 自分を褒められる分野だ。

記憶を大切にするって、その中の人も一緒に大切にするって事だと思う。
そんな想いがとても好き。
純粋で、綺麗で、輝いていて…。

だから、思い掛けない再会時はとても驚く。
正直、変わっちゃうんだなって思う事が多くて、なんか悲しみに似た何かを感じるんだけど、話していると幼いあの頃がちらちら顔を出している時があって、やっぱり同一人物なんだなって急に安心する。

泣き出しそうな瞬間だ。

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