エクソダス症候群 宮内悠介 を読了。
火星への移民が実現した未来世界。
カズキは故郷である火星の、唯一の精神病院へと赴任する。
そこはかつて父が勤めていた場所。
まるでカズキが鍵だったかのように、封じられた過去が明らかとなり――
薬も、病床も、スタッフも足りない、そんな開拓地で
精神病と向き合う医師たちはどうあるべきか。
精神医学史を振り返りつつ問いかけてくる物語です。
開拓の熱狂が過ぎ去った後の寂しさというか、閉塞や倦怠の滲む空気は好ましいですね。
ただ、クライマックスの収束にはちょっと首を傾げてしまう。
え、それで終わりなの、みたいな。
その辺は好き好きかなぁ。
葛藤の解消に共感が得られないからこんな気分になるのだとは思うのですが。
ううむ。
ログインしてコメントを確認・投稿する