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2018年06月10日23:15

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日本フィル横浜定期演奏会@338(2018.6.8)インキネンと川久保賜紀のメンデルスゾーン

2018.6.8 於:みなとみらいホール

(前半)
  メンデルスゾーン
   演奏会用序曲<フィンガルの洞窟> ロ短調 op.26
     
  メンデルスゾーン
   ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64

(ソリストアンコール)
  J.S.バッハ
   無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004より
   3.サラバンド

(後半)
  メンデルスゾーン
   劇音楽<真夏の夜の夢> op.61より   
   序曲/スケルツォ/間奏曲/夜想曲/結婚行進曲

(オーケストラアンコール)
  メンデルスゾーン
   「無言歌集」より「舟歌」

 終演後、インキネン氏による来春のヨーロッパツアーの紹介

指揮:ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン:川久保 賜紀
コンサートマスター:木野 雅之

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

夏至にはまだ2週間ほど早いですが、夏の横浜で「真夏の夜の夢」をやろうという企画に引っ掛けてプログラムは全てメンデルスゾーンで組まれ、前半のヴァイオリンコンチェルトは2002年のチャイコフスキーコンクールで最高位(1位なしの2位)を取得している川久保さんが登場です。

安室ちゃんのライブからの喪失感と残響が頭から抜けない状態で先ずはフィンガル。抑え気味で綺麗な演奏。何より、ホールと楽器の音の良さに感激。やはり音楽専用ホール&アンプ無しは良いです。もちろん、この日の演奏スタイルを予感させるインキネン氏の丁寧な指揮ぶりもGoodです。


2曲目は前半ハイライントのメンデルスゾーンのコンチェルト。ヴァイオリン協奏曲では1,2を争う程の超有名曲ですが、哀愁に満ちたメロディーと斬新な構成は何度聴いても飽きの来ないものです。ソリストの川久保さんは、その美貌と数々の受賞歴から華やかな音楽を想像しますが、音はあくまで「落ち着いた美しさ」を追求した「安心して聴いていられる」(つまらないという意味ではありません)ものでした。

アンコールはバッハ。ヴァイオリン1本の落ち着いたサラバントのメロディーが静まり返ったホールに響きます。「心が洗われます・・・」

後半は「真夏の世の夢」。時間的にはもう少しできそうなのですが、選曲はオーソドックスな抜粋バージョン。でも、演奏が始まると1曲1曲を徹底的に”丁寧で美しく”演奏しようという指揮者の意図がよく分かるような内容で、これまで聴いたことの無いような音やメロディーがあちこちから聞こえて来ます。

ラザレフで「爆音」「高速」でも「正確」を身に着けたオーケストラが、ヴァイオリン奏者でもあるインキン氏の元で今度は「丁寧で忠実な美しさ」を限界まで追求します。管楽器はパートによってはエースが一部不在であるなどハンデはありましたが、松岡さん、伊藤さん、難波さん、田吉さんが美しく活躍。(オーボエ良かったですねえ)

アフタートークでもあったヨーロッパ公演に向け、より完成度の高いオーケストラを目指す意気込みを感じさせる演奏会となりました。

いつもは土曜日の夜に開催される横浜定期ですが、今月に限って金曜日夜の開催。平日に東京から横浜に向かい19時の開演に間に合わせるのは結構大変です。そんなわけで奥田先生のオーケストラガイドは聞き逃してしまいましたが、演奏にはギリギリセーフでした。できれば開催は安定的に土曜日として欲しいものです。


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