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2018年06月20日09:33

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【旅】《伍》峠の釜飯

いつの話かは忘れたが、俺がまだ子供の頃だから結構前だけど、ある日ニュースで『峠の釜飯』なる駅弁が大人気と聞き、両親にそのことを話した。すると2人は『何を今更?』とばかり、怪訝な表情を浮かべた。有名になる前から既に知っており、とっくに何度も食べていたそうだ。

俺の旅行好きってのは両親からの遺伝のようで、父親は飽き性かつ、腕1本で道を切り拓くタイプ。同じ所に留まれず、鉄砲玉の様にすぐ何処かへ行ってしまう。
母親も独立心が強く、一匹狼みたいな性格。怖いものは全く無いらしく、気紛れで単独行動を好む。
その2人の息子が旅好きになるのは当然っちゃ当然だったんだろうけど、そんな訳で『峠の釜飯』って比較的昔から知っていて、
『大騒ぎする程でもないよ』
『まぁそれなりにはウマいかな』
くらいに聞いていた。いつか食べてみたいとは思っていたが、それは『機会が訪れれば』程度のことだった。

それまで碓氷峠も何度か通ったことがあったのだが、何となく素通りしてしまっていた。が、今回ようやくその機会がやって来た様だ。ここは本店ではないけれど、直営の店だから味は同じだろう。
で、早速食べてみました。
フォト


峠の釜飯について少し調べてみた。
碓氷峠を越える為に機関車の付け替え作業が必要で、汽車は横川駅で数十分間の停車を余儀なくされた。同駅の駅弁屋さん『おぎのや』はそんな好条件の立地にも関わらず、しかしその売り上げは停滞していた。それで付け替え作業を待ってる間、4代目が列車内の乗客の間を渡り歩いてアンケートを取った結果、『楽しい弁当、暖かい弁当が食べたい』との希望が多く、それが土鍋で冷め難い、というこの釜飯に辿り着いたのだそうだ。発売された1958年当時は普通の折り詰め弁当しか無い時代だったので、この画期的なアイディアは爆発的なヒットとなった。一時は『日本一の駅弁』と言われ、ホームに3分間停車の間に410個全てが売り切れとか、1日最多2万5000個の売り上げなどの記録を叩き出した。
その後、モータリゼーションの時代に入ると国道沿いに出店。マイカーでの顧客も掴み、土鍋が重いとの不評があれば、今度は紙製の軽い器を開発と、常にその時々に対応して新たな一歩を踏み出し続けているようだ。
確かに、冷たくパサパサのご飯と冷え切った煮物、合成着色料全開のウインナーとか、普通の弁当ってありきたりだし、味もイマイチだが、そんな時代にこの弁当は画期的だったことだろう。この土鍋をお土産に持って帰れるというのも妙に得した気分になれる。
こうやって聞くと、また違った味わいとなるものだ。いやウマいよコレ。普通にウマい。俺は杏が気に入ったな。
この浮世絵風のかけ紙は販売60周年を記念して2018年2月から採用されたモノだって。
フォト

海は関係無いと思うけど、カッコいいからいいかw

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