【旅】《参》スーパーあずさ５号

中野や立川を通過。車窓にはいつまでもいつまでも街が続く。東京か。世界を旅したが、これほどまで巨大な街は見たことがない。
八王子に停車した以外、相変わらずの快走。スマホで地図を開くと、JR中央線上を、青い点滅が移動している。刻々と変化する位置をGPSで追跡しているってことか。凄い時代になったものだよな。子供の頃に夢に描いたようなことが次々と実現している。俺は21世紀の先進国に生きてるんだなぁ。

八王子を過ぎると一気に山となる。『Tokyo』は八王子でお終い。ここから先は山と果物の国だ。
ゴールデンウィーク(にはまだ少し早いが)特有の爽やかな空気と、強い日差しが樹々の緑を輝かせる。
高尾山が東京都民に人気なのが解る気がした。都会の喧騒と冷たい灰色のコンクリートに囲まれていたら、時々こういう場所に来たくなるものだろう。田舎暮らしの俺の眼にも魅力的に映るぐらい。いつか高尾山に登ってみたいものだ。

甲府を過ぎると山が高くなる。

なんだかネパールを思い出すな。全然違うんだけどさ。やっぱり山はいいな。
甲府盆地に入ったらしい。周囲は山脈に囲まれ、盆地の丸い淵に沿って列車は大きく弧を描いて進む。民家や背の低いビルに混じって葡萄畑であろうか、かなりの割合を占めている。
ワインに旅をさせるな、って言葉がある。良いワインを飲みたかったらこちらが旅をして現地まで行かねばならないそうだが、ここなら美味しいワインがたくさん飲めそうだ。

10:06茅野到着。『ちの』って地名は初めて聞いた。降りるのももちろん初めて。